2003年1月1日

72年に1度の「磯出大祭礼」、県北地域舞台に3月開催

東西金砂神社から日立・水木浜を往復

「人出」予想、交通規制など県警対応に苦慮

 金砂郷町、水府村、日立市、常陸太田市、山方町五市町村の県北地域を、十日間にわたって行列で練り歩く、東金砂神社(水府村)と西金砂神社(金砂郷町)の「第十七回磯出大祭礼」が、三月二十二日から三十一日まで行われる。七十二年に一度の祭りで、千百五十二年にもわたり古くから受け継がれている全国でも珍しい伝統的な祭り。すでに地元自治体では祭りのPRとともに、観客の受け入れ準備に取りかかっているが、どの程度の人出になるか判断できず、間近に迫った祭りを前に、対応に苦慮している。
 五穀豊穣、天下泰平、万民豊楽を祈願する大祭礼は、平安時代初期の八五一年(仁寿元年)に始まったとされる。七十二年に一度のサイクルで実施される理由について、関係者でも「はっきとした学説はない」と言う。「同神社で行っている六年に一度の『小祭礼』を十二回行うと巡ってくるため」「羊年に関係がある」―などの諸説がある。
 過去十六回、千百五十年以上の祭りの歴史を振り返ると、十回目(一四九九年)はコロンブスのアメリカ大陸発見(一四九二年)や、バスコダガマのインド大陸発見(一四九八年)に世界がわき立っていたほか、十四回目(一七八七年)の翌年にはフランス革命が起きた。「桜田門外の変」の二年後に十五回目が行われ、前回十六回の祭りでは満州事変勃発(一九三一年)の年だった。
 大祭礼は東金砂、西金砂のそれぞれの神社から出社した約五十人の小行列から約五百人の大行列が、六泊七日の日程で日立市水木町の水木浜までの往復約八十キロを十日間にわたって練り歩く。途中で祈願などの祭事と、国選択民俗芸能・県指定無形民俗文化財の「金砂田楽」を境内や野原、また小学校校庭などで披露奉納する。
 この祭りの最大の見せ場が水木浜での祭事。田楽舞に加えて東西神社のご神体が海の中に入り浄める秘儀の「潮水行事」が行われる。文字通り秘儀とあり祭事時間やその内容は非公開という。
 地元日立市では、「七十二年の一度という大変貴重な祭りを有効に活用したい」(同市観光課)とし、大祭礼期間中の二十四日から二十八日にかけて、人気スポットの水木浜周辺で国・県などの関係団体や地元組織で発足した「大田楽等交流日立市支援協議会」(会長・樫村千秋市長)主催の「海と山のまつり」を開催する。
水木浜には金砂田楽や同まつりで使用する特設ステージを設置し、観客用の簡易いす約千五百席とギャラリーステージ約二千席も設ける。祭り初日には、記念式典としてこれまでの大祭礼の記録と祭りの準備を映したビデオを会場で流し、金砂田楽をPR。さらに日立市の日立風流太鼓をはじめ五市町村の郷土芸能も披露する。
 祭りの人出について、同市観光課は「七十二年前の交通事情と車社会の今とでは比較にならない」としているが、一日当たり七万人から十万人と見込んでいる。このため水木浜周辺にある河原子海岸付近に約千三百台、久慈浜海岸付近に約四百台の駐車場を確保。「さらに周辺企業などに駐車場の提供を求めていますが、水木浜には駐車スペースがないので、鉄道などの公共交通機関の利用を利用してほしい」と呼び掛ける。
 水木浜の人出のピークは、浜辺で田楽などの祭事を行う二十五日と二十八日とみている。
 一方、祭事の雑踏警備や交通整理を担当する県警では、「前回は百万人もの人出が繰り出したようだが、七十二年前の人出とあり参考にはならない。今回はどの程度の人出なのか見当がつかない」と頭を悩ます。
 特に、行列の大半が道幅が狭く公共交通機関がほとんどない山間部に集中しており、駐車スペースの確保自体も難しいのが実情。とりあえず大行列と中行列が通る道路は、全面通行止めにする方針。水木浜の行き来する際には国道6号を横断するが、県警では「国道6号を通行止めにするような規制は絶対にできない」とし、主催する大祭礼実行委員会側に、極力行列の人数を少なくするよう要請している。

町内小中学生の科学研究作品展〜千代田

優秀作品8点を展示

 第六回千代田町内小中学校科学研究作品展が三十一日まで、同町雪入の「雪入ふれあいの里公園」で開かれている。同町教育研究会理科研究部、同公園主催。
 同町の六小学校と二中学校の児童・生徒が取り組んだ科学研究の成果。各校一点の優秀作品計八点を展示している。
 研究テーマは「カタツムリの一年間のくらし」(下稲吉小三年・関川桃佳さん)、「アリの好きな食べ物は何?」(七会小三年・島田怜迪さん)、「土と植物の関係」(千代田中二年・木村あゆみさん)など多種多様。研究の動機や目的、実験方法、結果などが綿密に書かれ、写真や図も豊富に使われた力作がそろっている。
 志筑小四年の岩瀬志穂さんは「氷のとけ方をウオッチしてみよう!」と題して、氷を黒い布や白い布、アルミはく、新聞紙などで包んで日なたに置き、それぞれの溶け方の違いを観察した。時間ごとに変化する氷の絵が楽しい。
 上佐谷小の金子愛美さん、川崎恵理さん、木村由佳さんのグループは井戸水、水道水、塩水、炭酸水などさまざまな水に花を入れて、「花を長持ちさせる研究」。六日間の観察結果を写真で見せ、最も早く枯れたのは塩水、長持ちしたのは炭酸水だったと報告。「炭酸が抜けた後、糖分を含む水になるため、それを栄養にして長持ちするのでは」としている。

県フラワーパークで「新春風雅まつり」

11日からは「冬バラまつり」

 県フラワーパーク(八郷町下青柳)で、五日まで「新春風雅まつり」が開かれている。十一日からは「冬のバラまつり」(十九日まで)が始まり、この季節に咲かせたバラを展示して新春を祝う。
 「新春風雅まつり」は入り口の来園者センターを会場に、八郷町在住の書家、北村馬骨(ばこつ)氏の作品を展示するほか、直筆の色紙や短冊をチャリティープレゼントする。
 また、同園で昨年秋に行ったアマチュア写真コンテストで入賞した作品も展示され、十八日に表彰式を行う。好評の「園芸教室」は五日午後一時半から。洋ランをとり上げて手入れや楽しみ方について、実技指導する。
 一方、十一日からの「冬のバラまつり」は春と秋、年二回だった「バラまつり」を、冬にも開催して県花のバラに親しんでもらう試み。「まつり」に合わせて咲かせたバラ四十品種、七百鉢を展示するほか、新品種や栽培品種を合計四十品種、切りバラでも展示する。鉢バラやミニバラ、バラの苗なども格安販売する。「園芸教室」は十二日午後一時半から。 この時期に大切な、 バラの剪定について実技指導する。
 同園は、新年は三日から。月曜が休園。入園料は三月末まで大人三百七十円、子供百九十円。

「緊急通報システム」の充実図る〜独居老人対策で土浦市

電話回線で消防本部と接続

 独居老人対策で、土浦市は「緊急通報システム」の充実を図っている。昨年12月の定例市議会で、市は40台分の補正予算案を組んだ。年々、同システムを受けるための待機者が増えており、好評だ。
 同システムは、電話回線で同市消防本部と接続し、五メートルから十メートル離れて、枕元などに置いた有線押しボタンを、 気分が悪くなった時などに押すと、同市消防本部から電話がかかってくる仕組み。また、利用するお年寄りがペンダント式の装置を付けていれば、同様のサービスが受けられる。市はリースで対応している。
 市は、一九九〇年度に六十五歳以上の独り暮らしのお年寄りを対象に、同システムを四十二台分の貸し出しでスタートした。しかし、核家族化が進み、独居老人が増加。これにあわせて、同システムの申請者が増えている。
 市高齢福祉課によると、市内の独居老人は千三百九人(昨年九月一日現在)もいるという。
 財政難から、新年度当初予算では予算措置が難航しており、近年は補正予算で同システムを追加しているのが現状だ。
 今年度も当初予算で四十台分を予算措置したが、当然、対応しきれない。今回の補正予算で今年度は計八十台となり、スタートから四百六十八台を導入したものの、「現在、約三十人の待機者がいる」(同課)のが現状だ。
 同市消防本部がまとめた同システム受信状況(二〇〇一年一月一日から〇二年十月三十一日)によると、受信件数は四百二十三件で、緊急通報は七十九件あった。内訳は緊急搬送が六十九件、ガス漏れなどその他が十件。三百四十四件は緊急外通報で、うっかり押しが百三十件、相談が十二件、話し相手が百六十一件など。
 同課では「待機者が出るのは二―三年前から。それだけ独り暮らしのお年寄りが増えているということだが、システムを毎年追加していることは複雑だ」と話している。 話し相手でシステムを使うケースが多いことを受け、新たな方策を検討している。

市町村合併問題、05年3月の期限切れ向け加速

枠組み決定など今年前半ヤマ場、求められる住民論議

 市町村の合併問題は、二年後に迫った合併特例法の期限切れに向けて取り組みが加速してきた。任意の合併協議会や法定協議会が設置されているケースはまだ少ないが、県地方課のまとめによると、県内八十三市町村のうち、単独で研究組織を立ち上げている段階も含め何らかの形で合併を検討しているのは七十七市町村と全体の93%(昨年十二月一日現在)。一部を除いて合併の枠組みもまだ流動的な要素を残している。国のマニュアルによれば、合併の準備期間は標準的なケースで二十二カ月間とされているため、枠組みの決定などは、今年前半がヤマ場になりそうだ。
 法定協3、任意協2
 県内の合併取り組み状況は、法定協議会が(1)水戸市・常北町(2)取手市・藤代町(3)常陸太田市・金砂郷町・水府村・里美村―の三団体。しかし、このうち水戸市・常北町は休止状態で、取手市・藤代町は合併方式などをめぐる調整が難航して中断状況にある。
 任意協議会は麻生町・北浦町に加え、年末に大宮町・山方町・美和村・緒川村・御前山村の五町村が立ち上げ、二団体となった。昨年十月に笠間・友部・岩間の三市町がいったん任意協を設置したが、笠間市が離脱して解消するなど、枠組みはまだ流動的な要素を残している。
 今後の動きとしては、古河・総和・三和の三市町が今月中にも任意協を設立、三月に法定協に移行する予定のほか、岩井・境・猿島の三市町は五月にも法定協をスタートさせることで合意した。
 任意協の前段として、複数の市町村で構成する研究会などが十六団体(構成市町村五十)あり、市町村単独で研究会などを設置しているのは六十二市町村・七十四団体、議会が特別委員会を設置しているのは三十三市町村に上っている。
 さまざまな恩恵
 県内では一九八七年のつくば市合併以降、水戸市と旧常澄村、ひたちなか市(勝田市・那珂湊市)、鹿嶋市(鹿島町と大野村)、潮来市(潮来町と牛堀町)など七件の合併があった。
 県は二〇〇〇年十二月に県市町村合併推進要綱を策定。合併を検討する場合の合併パターン、合併の必要性・効果などを示したもので、二十一世紀半ばごろを展望し、水戸・ひたちなか、つくば・土浦を中心とした二大拠点都市の整備を目指している。この合併パターンをベースに現在の合併論議が進められている。
 二〇〇五年三月までの時限立法として、住民発議制度などを取り入れ、九五年に施行された合併特例法は(1)合併特例債の創設(2)普通交付税の合併算定替の期間延長(3)町村合併の市制要件の緩和―などの改正が加わった。
 合併すると、合併特例債として、建設計画に盛り込んだ事業が起債充当率95%、 交付税措置70%という有利な条件で進めることができる。例えば一億円の事業を行う場合、九千五百万円を起債で充てることができるため、当面の財源は五百万円で済み、借金の返済も七割(六千六百五十万円)が交付税に算入される。
 また、普通交付税は合併前の市町村が交付されていた総額よりも減るのが普通だが、緩和のための経過措置が講じられる。以前は合計額をそのまま交付する期間を五年間としていたが、これを十年間に延長した。さらにその後の五年間は段階的に本来の交付額に近づけることになる。
 市制要件の緩和は、その適用第一号が潮来市。本来は市制施行には人口五万人が必要だが、〇四年三月までは三万人、その後〇四年三月までは四万人でも市への移行ができる。
 県の支援策
 県は二〇〇〇年十二月に合併推進要綱を策定したほか、昨年六月には、市町村合併支援プランを決定。特例法の期限切れまで三年を切る中で、各部で七十四の事業を用意、合併の取り組みを加速しようとする総合的な支援策だ。
 市町村への助言・調整、人員の派遣、合併ケーススタディー、財政的支援などさまざま。権限委譲のまちづくり特例市は人口要件十万人を合併市に限り五万人に緩和するほか、十億円の支援事業、関係一市町村当たり二億五千万円の合併特例交付金なども同プランに位置づけられた。
 合併重点支援地域として、県は昨年十月、常陸太田市・金砂郷町・水府村・里美村、麻生町・北浦町の二地域を指定。十二月には大宮町など五町村を追加。 これにより、取手市・藤代町を加え四地域となった。
 指定される地域は(1)住民の間で合併の機運が盛り上がっている(2)任意の協議会が設置されている(3)関係市町村から県に要請がある(4)合併の支援策を強化することが適当と考えられる―などで、県事業の重点実施などのメリットもある。
 「自主的な合併」という国や県の説明とは裏腹に、「合併しない市町村」へのペナルティーにも似た制度改正の論議が進む一方、自治体の財政事情が悪化する中で、「合併以外に生き残る道はない」といった悲壮な論議も目立つ。将来像やまちづくりは前面に出ないで、特例債の使い道にばかり関心が集中する傾向もある。タイムリミットが近づく中、住民レベルの論議が望まれる。

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