2003年1月11日

県内にも拉致被害者家族

支援団体、不明の40人実名公表

 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)による拉致事件で、「特定失踪(そう)者問題調査会」は十日、拉致の可能性が排除できない行方不明者として、全国から約百五十人の届け出があったと明らかにした上で、うち四十人の実名リストを公表した。いずれも家族が発表を了解した。この中には、 牛久市在住の家族も含まれている。 調査会は同日、支援団体「救う会全国協議会」が新設した組織。調査会の荒木和博代表は「来週から体制を整え、個々のケースの調査を始める」としている。

「必ず生きている」、牛久・正木冽子さんの兄徹雄さん

 公表された一人、正木冽子さんの兄、徹雄さん十日、牛久市の自宅で失踪当時の様子などを語った。
 冽子さんは当時、香川県大内町に住んでおり、一九六一年九月二十四日朝、新たな勤務先と住まいを下見するため、大阪方面に行くと言って家を出た。その後、昼前後に四十キロほど離れた徳島市の眉山公園で、知り合いのタクシー運転手と言葉を交わしたのを最後に行方不明となった。当時、看護師をしており、失踪する心当たりはないという。
 冽子さんは、ウサギの餌を裁断する器具で指を切り、左手人差し指の先が欠損していたが、観光旅行で中国上海市を訪れた近所の住民から、同じようなけがをした年格好が似た女性を見掛けたという情報が寄せられており、海外に連れ去られた可能性も捨てきれないという。
 徹雄さんは「親思いのいい子だった。拉致にしては時期が早いという気もするが、家出の理由などないし、頼りがないのもおかしい。親戚の手前もあって公にできなかったことが悔やまれる」と話した。
 今回、救う会が名前を公表したことについては、「顔写真などを提出したが、会からは何の連絡もなく、突然、公表されて戸惑っている。今でも、どこかで必ず生きていると信じているが、拉致されたのかどうかは分からない」とも語った。

つくば賞に篠崎夫妻〜県科学振興財団

ストレス耐性植物を開発

 県科学技術振興財団(江崎玲於奈理事長)は十日、世界的に評価される成果を収めた県内の研究者に贈る「つくば賞」と「つくば奨励賞」の今年度受賞者を発表した。つくば賞には、環境ストレス耐性植物の開発に成功した理化学研究所筑波研究所植物分子生物学研究室主任研究員の篠崎一雄さん、 国際農林水産業研究センター生物資源部主任研究官の篠崎和子さん夫妻が選ばれ、初の夫婦受賞となった。
 つくば奨励賞には実用化研究部門で、超高濃度オゾンの発生・供給装置の開発に世界で初めて成功した産業技術総合研究所極微プロファイル計測研究ラボ長の一村信吾氏、 同主任研究員の野中秀彦氏、 黒河明氏、 中村健氏のグループ、若手研究者部門では、トンネル磁気抵抗素子を単結晶にする技術を世界で初めて開発した同研究所エレクトロニクス研究部門スピントロニクスグループ主任研究員の湯浅新治氏が、それぞれ選ばれた。
 つくば賞に輝いた篠崎さん夫妻は、シロイヌナズナを使い、乾燥や低温、高塩濃度などの環境ストレスに対する植物の応答を遺伝子レベルで実証、さらにストレスに耐性のある遺伝子組み換え植物の開発に成功した。
 委員会は選考理由について、「環境、食糧問題の解決の糸口となる可能性を高く秘めた研究として国内外から注目され、社会にも大きく寄与する」と説明している。
 篠崎さん夫妻は「つくばで始め、つくばで発展してきた研究の成果が世界的な研究学園都市で認められたことを喜んでいる。初の共同受賞で、省庁を超えた共同研究が大いに評価されたものと感謝している」とコメントを寄せた。
 科学技術の振興を目的に、一九八九年につくば賞、九〇年に奨励賞を創設した。今回で、つくば賞は第十四回、奨励賞は第十三回を数える。
 県内の大学や国立、民間研究所など七十六機関に候補者の推薦を依頼、つくば賞候補七件、つくば奨励賞候補十五件の中から、昨年十二月、つくば賞委員会が両賞の候補者を選考、江崎理事長が決定した。
 賞状と純銀メダルのほか、つくば賞には副賞五百万円、つくば奨励賞には同百万円が贈られる。表彰式は二月七日、つくば市竹園のつくば国際会議場で行われる。

「まちの駅みと」オープン

水戸商工会議所、東電茨城支店1階に

 水戸市の中心市街地活性化策の一環として水戸商工会議所(西野虎之介会頭)は十日、市内中心部に「まちの駅みと」をオープンした。商店情報をはじめ、観光や宿泊などの情報が瞬時に得られる。「年中無休で週末や休日には、水戸女性フォーラムや特定非営利活動法人(NPO法人)の茨城NPOセンター・コモンズのメンバーが常駐して利用者をサポートする。
 開設場所は国道50号に面した同市南町二丁目の東京電力茨城支店一階。広さ約七十平方メートルのお客様相談室のスペースの一部を無償で借り受けた。室内には画面をタッチして操作する二十二型のパソコン一台を設置し、常時接続のインターネットから市内の観光や商店街、さらにイベント情報を検索できるシステムになっている。プリンターもあり、その場で印刷もできる。
 ほかにも観光案内などのパンフレットや、買い物客の休憩場所としてテーブルといす、給茶機も完備している。週末や休日には、体に不自由な人を対象に電動スクーターも無料で貸し出す。
 「まちの駅」は実験事業としてすでに全国で二百カ所以上設置されている。開設日のこの日、式典に出席した西野会頭は「中心市街地のシンボルとして、またお客様をもてなす場として開設した。多くの人に利用してもらいたい」とあいさつした。
 利用時間は午前九時から午後五時まで。十一日から十三日までの三日間に、茶会やとん汁・そばがきの無料試食など、記念イベントが行われる。

グレーターつくば新春の集い

県勢の発展誓う

 「新世紀グレーターつくば新春の集い」が十日、つくば市小野崎の山水亭で開かれ、各界の代表ら約百八十人が参加し、県勢発展に向け、誓い合った。また、「第二回かすみがうら水環境賞」の表彰式が行われた。
 集いは、つくばエクスプレスの開業や首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の部分開通、霞ケ浦環境センターのオープンを控え、県勢の発展を共に考えようという趣旨。つくば市誕生直後の一九八八年一月にスタートし、茨城の将来像などを語り合いながら新しい年を祝おうと、一昨年までは新春賀詞交換会として開催してきた。
 集いは、藤沢順一つくば市長、高良和武総合科学研究機構理事長、田中實研究学園都市コミュニティケーブルサービス理事長、安達周土浦ケーブルテレビ社長、岩波嶺雄常陽新聞社社長が呼びかけ人となり、開催した。
 安達社長が開会の辞を述べ、集いが幕開け。呼びかけ人を代表して、岩波社長が集いの趣旨を説明し、「圏央道も三月に部分開通する。地域の発展を図るため、アクセス道をどうつなげていくかが考えていくことが必要だ。霞ケ浦の水質浄化を狙いに、昨年からかすみがうら水環境賞を設けた」などと述べた。
 来賓を代表して、角田芳夫副知事は「昨年はサッカー・ワールドカップのカシマ開催とインターハイ開催があったが、日立港で北朝鮮籍の船が座礁した。年末年始休みなしで関係者らは油の流出を食い止める危険な作業を行った。無謀な車に当て逃げされたものだ」とした。この上で「バブルがはじけて十二年目だが、一向に改善されていない。今年、県は構造改革特区構想の二次募集で常陸那珂港などの構想を提案した。厳しい一年だが力添えをいただきたい」と語った。
 続いて、かすみがうら水環境賞の表彰式、ゲストスピーカーとして、麗澤大学教授の松本健一氏が「茨城とアジア」をテーマに講演した。
 この後、角田副知事と藤沢市長、石井啓一衆院議員、中川清土浦商工会議所会頭、山中泰子県議らが鏡割り。藤沢市長の音頭で乾杯し、県南西地域の発展を祈念した。

つくばでかすみがうら水環境賞表彰式

2チーム15人を表彰

 常陽新聞社と常陽新聞厚生文化事業団が制定した「かすみがうら水環境賞」の第二回表彰式が十日、つくば市内で開かれた「新世紀グレーターつくば新春の集い」の席上で行われた。
 今回、同賞の表彰を受けたのは、霞ケ浦の水環境修復に向け、しゅんせつしたヘドロを焼き固めたセラミックスを活用した「高度処理浄化槽システム」の開発に当たった独立行政法人・国立環境研究所の稲森悠平主席研究官ら六団体十人。
 また、同賞奨励賞として「流域管理のための水質改善費用投資およびエネルギー投入効果の評価手法の開発」を行った、筑波大の氷鉋(ひがの)揚四郎教授ら五人が表彰された。
 表彰式で、岩波嶺雄常陽新聞社社長は「二〇〇一年に琵琶湖で開かれた世界湖沼会議では、さまざまな活動報告の発表があった。こうした発表が多くなれば、霞ケ浦の水もきれいになると思う」とあいさつ。
 受賞者代表で壇上に立った町井弘禧氏(チュラルテック)は「このような栄えある賞をいただけたのは、自分たちだけの力ではなく、多くの人の協力、支援があったおかげ」と、受賞の喜びを述べた。
 「かすみがうら水環境賞」は、霞ケ浦の水質改善が進まない中、改善に向けた調査研究や技術開発などを支援し、水質浄化・再生を促す一助になればと関係機関の協力を得て制定。審査は昨年十二月、富士常葉大の前田修教授を委員長とする審査会で行った。

−過去の紙面へ−
−HOME−

headlinenews