2003年1月29日

プルトニウム206キロ行方不明

残量評価の誤差〜東海再処理施設

 核拡散防止条約(NPT)関連で核物質の兵器転用を防ぐため、国際原子力機関(IAEA)と文部科学省が行っている核物質の「保障措置」で、核燃料サイクル開発機構(東海村)の東海再処理施設で昨年九月末現在、累計二百六キロのプルトニウムが「行方不明」になっていると、文部科学省が二十八日、国の原子力委員会で報告した。技術的な問題で測定できなかったのが主な原因で、サイクル機構は「計量管理」を改善した。核燃料廃棄物が含むプルトニウム量が、より精密にわかるようになると期待されている。
 東海再処理施設は、世界で唯一、軍事目的施設ではなく、民生専用の再処理施設だけに、当時の米カーター政権が、日米再処理協定などで、プルトニウムとウランの分離精製―との条件をつけ、警備が手薄なことなどを理由に、IAEAなどの査察を受けている。
 根本問題は、原子力発電所の核燃料廃棄物が、どれだけプルトニウムを含むかだった。従来は、原発側が計算コードで試算。その数値と、再処理後に確認した量に、大きな開きがあることがわかっていた。
 原発側の計算値と、再処理施設側の実測・計算値の差は、「受払間差異(Shipper Receiver Difference=SRD)と呼ばれ、一九七七年の試験運転開始以来、昨年九月までの二十五年間の累計で、プルトニウム量二百六キロに及んでいる。
 このため、サイクル機構は「IAEAの査察、監視カメラで、核物質の持ち出しはなく、兵器転用の恐れがないことは判っている」としつつ、不明な部分を解明し、計量管理の精度を上げて、安心度を増すことなどを目指してきた。
 九四年からは、貯蔵中に半減期の短いものが減衰していく核的損耗を計算式に加え、 SRDのうち二十九キロの原因を究明。九五年には、国とIAEA、サイクル機構の三者でワーキンググループを設け、発生要因と対策などを調査検討してきた。
 その結果、SRDが発生する要因は、(1)原発側の計算誤差(2)核的損耗の二十九キロ(3)燃料被覆管等付着の過少評価(4)洗浄液(スラッジ)内のプルトニウム見落とし―の四つが浮上した。
 (4)の関連でも、高レベル廃液の蒸発缶で、国とIAEAが測定・計算した数値がサイクル側より高く、全てを溶かした測定に改めると、プルトニウム量が、それまでの二十二キロから九十四キロに七十二キロも増加。極微量とされ、計測しなかった洗浄液に、プルトニウムが含まれてためだった。
 サイクル機構では、既にガラス固化体となり、実測の難しい高レベル廃液分も、計算式などで再評価している最中。洗浄液中のプルトニウム量特定や、せん断・溶解に絡む(3)の再評価も、米国の研究所と共同開発した測定法で、近くより精度の高い数値が出る見通しだ。
 それらを含めた報告書を、二月中には国、IAEAに提出する運びとなる。また、これらの修正値が確定すると、原発側の計算誤差幅もわかり、計算式の改善にも役立つことと期待される。

入札改革で初の特別委〜つくば

透明で公正な制度確率に期待

 つくば市議会が昨年の十二月定例会で設置した入札制度改革特別委員会(沖山和治委員長)の第一回会合が二十八日開かれ、市が実施している入札の現状や先進地の状況などを調査し、二〇〇四年の九月定例会に報告できるよう結論をまとめる方針を決めた。
 十二月定例会で、与党会派の所属議員が中心になって公共工事の入札制度改革について検討する特別委員会の設置を求めて動議を行い、賛成多数で可決した。委員は十五人。
 委員会に出席した兼平英雄議長は「あっせん収賄罪で中村喜四郎氏の実刑が確定するなど、国民の政治不信が高まり、極めて遺憾。十分に審議し、地元企業の振興や市の発展につながる透明で公正な入札制度の確立を期待する」と述べた。
 今後の検討の進め方について委員の意見を聞き、市の入札の実態調査と問題点の明確化を進め、横須賀市など先進自治体の視察、市民からの聞き取りなどを行って改善策を話し合っていくことを決めた。
 委員からは、談合情報について追跡調査する必要性を主張する声が上がったほか、「一般競争入札を全面的に実施すれば、地元業者は大手に太刀打ちできないため、指名入札も残さなければならない」と慎重論を唱える委員もいた。
 調査期間については、議員の任期を考慮し、〇四年九月定例会に間に合うよう結論をまとめることで全員が了承した。
 入札制度改革では、野党会派の所属議員二十二人が昨年十二月、「公平・公正な入札制度を実現する議員の会」(金子和雄会長)を結成しており、今月二十四日、初会合を開いている。
 委員からは「(議会が設置した)特別委員会は(議員の会の)さらに上をいかなければならず、困難な議論になる」「目的は同じ。お互いに参考にさせてもらいながら、いい方向に進んでいきたい」などという意見も交じった。

県議会代表質問に持ち時間制

定例会は来月26日に開会

 県議会・議会運営委員会(田山東湖委員長)は二十八日開き、第一回定例会の日程などを決めた。会期は二十三日間で、二月二十六日に開会する。また、代表質問の持ち時間を会派の議席数に準じて振り分ける「会派持ち時間」制に、賛成多数で改定した。
 代表質問の持ち時間はこれまで、所属会派にかかわらず質問者一人あたり、答弁、再質問含めて二時間以内となっていた。これに対して、自民党は「会派を代表しての質問なのに所属議員数にかかわらず同一の時間というのはおかしい」として、会派議席数に準じた持ち時間制に改めるよう提案。
 ただ、各会派の議席数でそのまま案分すると、自民は四時間以上、自民県政ク、民主清新クはともに一時間に満たなくなることから、自民の時間を削り、その分を両会派に上乗せした案を示した。
 これに対して自民県政ク、民主清新ク、公明の各会派は「従来通りの方が、より民主的」などとして反論。オブザーバーの共産も反対意見を展開したが、賛成多数で自民案の通り改定が決まった。
 各会派の代表質問者は二人以内で、持ち時間は答弁、再質問含め、自民二時間半以内、自民県政クと民主清新クはいずれも一時間半以内となった。
 年間の一般質問者数は従来通り三十人とし、各会派の所属議員数で按分、自民は二十一・五人(〇・五人分は二年間で一人とする)、自民県政ク三人、民主清新ク二人、公明二人、共産一人、無所属は二年間で一人となった。
 第一回定例会は、二月二十六日に開会後、三月四、五の両日、代表質問を行い、一般質問は六、七、十の三日間、十一〜十三日常任委員会、十七、十八の両日、予算特別委員会、十九日決算特別委員会、二十日閉会する。

薬物乱用防止で講演会

低年齢化に家庭がどう対応

 下館市立大田小学校の自主家庭教育学級(堀江久美子代表)はこのほど、同市西方の大田地区公民館で、結城市にある薬物依存民間リハビリ施設「茨城ダルク」グループ代表の岩井喜代仁さんを講師に招き、「薬物乱用防止講演会」を開いた。ダルクの回復活動に共感した同学級メンバーの古木恭子さんが、約三年間にわたり企画を温め今回実現にこぎつけたもので、母親ら約二十人が参加し、低年齢化する薬物乱用の実態に家庭で何をすべきかを考え合った。
 岩井さんは米国など海外の回復施設研修で得た体験を下に、日本では薬物乱用の入り口であるたばに注意が向いていない現実を指摘。ダルクでの調査から、たばこに手を出すのは小学四年生が多いという。
 「親が子供に手がかからなくなるからで、母親が外に働きに出ている間に、父親が灰皿に残した吸い殻を拾って吸う。ここから薬物依存が形成され、やがてシンナーや麻薬、覚せい剤に移る。家庭の予防策は灰皿に水を入れること。この運動を地域に広めてほしい」と求めた。
 「試みに、飲酒や喫煙の習慣のある父親に一週間、禁酒・禁煙をしてもらうと、よく分かる。新聞紙を水平に持たせると微妙に振るえるが、これが薬物依存の実態。口で言うのは簡単でも、実際にやめるのは難しい」とも述べた。
 その上で、家庭内にある百円ライターや整髪料、デオドラントスプレーなども子供たちには「酔える」合法的な薬物の一つ。ホームセンターやコンビニで販売されるボンド類、自転車のパンク用ゴムのりも「身近かな薬物になる」と注意を促した。
 市販のかぜ薬やせき止め、鎮痛剤、病院で処方される安定剤なども薬物依存症者に好まれる合法ドラッグという。「米国に比べ、日本はシンナーに対する認識が甘い。子供が入手し易いが、シンナー依存は覚せい剤よりも脳を破壊する。回復が難しく、精神面の成長をストップさせる」と強い警戒をのぞかせた。
 参加した若い母親からは「病院で処方薬は麻薬と同じなのか。どういう症状が現れるのか」「子供たちに規範意識がなくなっている。家庭でどのように指導したらいいか」など質問が出され、岩井さんが熱心に答えた。

結城・山川不動尊で正月大祭

露店が並ぶ参道に参拝客賑わう

 地元や近隣から「山川のお不動さん」として親しまれている、結城市山川新宿の「山川不動尊」で二十八日、恒例の縁日が開かれた。正月は大祭とあって、ひときわ多くの露店商が並び、参道は夕方まで参拝客でにぎわった。
 本尊は、弘法大師の作とされる不動明王(県指定文化財)。平将門が京都から持ち帰って守り本尊としていたが、 数奇な運命をたどり、一六〇一(慶長六)年に同地を訪れた大恵上人によって祭られた、と伝えられる。
 毎月二十八日には不動様の縁日が立つことで知られる。この日は、猿島地方や栃木県などから訪れた人たちが多かった。古河市から訪れた男性は、「年初めに参拝すれば、いっそうご利益がある」と熱心に参拝していた。
 正月大祭の縁日だけに、縁起物のだるまを売る業者が威勢よく声を掛けていたほか、昔からの農具、植木、刃物、かご、 衣類などの露店も健在。参道の両側は食べ物の露店が軒を連ね、参拝客でごった返していた。

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