
原子力の平和利用を確保するため、核物質の兵器転用などを監視している国際原子力機関(IAEA)の核査察施設に、国内で初めて日本原子力研究所東海研究所が加わることになった。同研究所に高度な技術で核物質を分析できる「高度環境分析研究棟」が完成したことから実現した。原研は今年度内にIAEAと正式契約を結び、四月以降に運用を開始する。
東海村白方の同研究所は、国の要請を受け一九九九年四月から、極微量のウランやプルトニウムの同位体比を測定できる高度環境分析棟を約十九億円かけて建設、二〇〇一年六月に完成した。建物は鉄筋平屋建てで、分析棟(約二千二百平方メートル)と研究棟(約七百五十平方メートル)の二つのセクションに分かれている。分析棟には最新のクリーンルーム設備があるのが特徴。
完成後、原研では最新技術を使った分析方法の開発を進めていたが、このほど測定方法が確立。これと平行して世界各地にあるIAEAの分析施設「保障措置環境試料分析」のネットワーク分析所としてIAEAに申請していた。一月二十日に認定を了承する書簡が届いた。
原研によると、すでに昨年十一月にIAEAの専門家が同分析棟を現地調査し、「施設や品質管理体制を含め、極めて高いレベルにある」という評価を受けたという。国内でIAEAの核査察施設として認定されるのは初めて。世界では十七番目にネットワーク分析所として認められた。アジアでも初めの施設となる。
運用開始は今年四月以降で、国内のほかに世界各国の原子力施設から採取された試料が運び込まれ、三十―六十日の期間で分析、測定。IAEAに未申請の核物質の割り出しを行う。IAEAの核査察は、イラクの大量破壊兵器疑惑などで重要性が高まっている。
同研究所環境科学研究部の間柄正明副主任研究員は、「世界でもトップレベルの研究施設。今後も高度な技術開発を進めながら、原子力の平和利用の面でさらに国際貢献していきたい」と抱負を語った。
県執行部と自民党県連の幹部懇談会が十二日、水戸市大町の県公館で開かれ、席上、執行部は新年度当初予算案の概要を示した。一般会計は総額一兆四百九十億円規模で、前年度当初比2・3%減。二年連続のマイナスとなり、マイナス幅も拡大する。長引く景気低迷のなか県税の落ち込みが響き、引き続き県債の活用などによる苦しいやりくりを強いられることになる。
歳入では、県税は二千七百八十億円程度の見込みで同比7・4%減。前年度当初に引き続き7%台のマイナスとなる。地方交付税、国庫支出金なども減少。一方、県債は一般財源、特定財源合わせて千八百億円程度を計上、同比増となる。枯渇状態となっている一般財源基金からの繰入は百八十億円程度で、同比25・8%減。
歳出では、義務的経費は六千二百七十億円程度で、同比1・3%減。人件費の抑制などで義務的経費の削減を図ったものと見られる。投資的経費は二千二百億円程度を計上、同比7・4%減となる。
特別会計を含んだ公共事業費では、国庫公共事業は同比5・1%減の千四百六十億円程度を計上。うち補助事業は千八十億円で同比6・3%減。県単公共事業は、地財計画と同等の同比5・5%減となる三百十億円程度。
こうしたなか、主な事業では、雇用対策として緊急雇用創出事業を継続するほか、過去最悪の就職状況となっている高校生の就業体験推進事業などを新規で盛り込む。また、つくば・東海・日立知的特区などの構造改革特区の推進に向け予算措置する。
少子・高齢化対策や医療・福祉分野では、子育て支援の拡大や、国立水戸病院の移転にあわせた「桜の郷」整備事業などを進める。環境分野では、窒素、りんが高度処理できる「霞ケ浦方式」の普及に向けた事業費を計上した。
このほか、つくば養護学校(仮称)の整備費、トレーサビリティシステムの導入促進事業費などを予算措置する。
第六回鹿島鉄道対策協議会(会長・横田凱夫石岡市長)が十二日、石岡市役所で開かれ、新年度から同鉄道に財政支援する沿線五市町村の負担割合が決まった。しかし、各市町村の今後五年間の補助予定額は、二月上旬に決定する予定だった県からの財政支援が十九日にずれ込んだため、県の支援方針が決まったあと改めて幹事会を開き決定する。
負担割合は石岡市が約35%、玉造町が約21%、鉾田町が約18%、玉里村が約15%、小川町が約11%。
同鉄道側は、経営改善五カ年計画で向こう五年間で約二億円の支援を求めている。沿線五市町村では県に対し、このうち、約一億円の負担を求め、残り一億円を五市町村で分担する予定。県の支援方針が決まらない中で、各市町村負担割合だけが決まる形になった。
この日の協議会では、今後の利用促進策を検討するため国・県・市町村、鉄道事業者をメンバーとして鹿島鉄道研究会(仮称)を設け調査研究を進めることを確認。さらに沿線住民、市民活動団体、学校を交えた鹿島鉄道支援会議を設立し、自治体と住民が一体となった支援体制強化を図ることを決めた。
これを踏まえ、沿線自治体や地域住民らによる合同イベントを開催するほか、同鉄道をはじめ地域交通に関するシンポジウムなどを開き広報や啓発活動を進め、利用促進を図りながら、存続に向けての増収に努める。
このほか同鉄道側は、昨年十二月からJR常磐線との接続を重視したダイヤ改正を行った▽石岡―玉里駅間の運行だった四便を常陸小川駅まで延長運行▽石岡―玉里駅間の列車を一便増やし同区間五便の増強運行を図った▽役員報酬の減額や賃金体系の見直しなどで年間三千六百万円の経費削減を図った―など、具体的な実施内容を示した。
つくば、茎崎両市町のシルバー人材センターの合併調印式が十二日、つくば市谷田部の市庁舎で実施され、両センターの理事長らが協定書に調印した。四月一日付で、同市センターに統合する。
昨年十一月の両市町の合併に伴い、同市シルバー人材センター(高野芳久理事長)が同町シルバー人材センター(嶋口勝義理事長)を吸収する形で合併する。
調印式では高野、嶋口両理事長が、市民サービスの一層の充実を目指して「仲良くやっていきたい」などとあいさつ。
藤沢順一市長は「会員は長年の人生で培った技術や技能を地域貢献に生かして新たな人生を見出し、また市民にも喜ばれている。さらに仕事の幅を広げ、働くことが長生きの秘けつだということを示してほしい」と激励した。
両理事長、副理事長が新定款などを含んだ協定書に調印した。
合併により会員数は約五百八十人となる。当面は茎崎支所にも事務所を置く。
水戸市中央の桜川で久慈郡出身の住所不定、無職、海老根治さんが死体で発見された事件で水戸署と県警捜査一課は十二日、殺人の疑いで緊急逮捕した私立高校三年の女子生徒を含む男女四人の取り調べを進め、四人は大筋で容疑を認めた。被害者の衣服を桜川に捨てたという供述から同日、現場検証を行い、ジャンパーやTシャツなどを発見。海老根さんのものか確認作業を進めている。さらに司法解剖の結果、海老根さんの死因は水死と判明した。
十一日に逮捕されたのは、住所不定で無職、平野直也容疑者▽同、平野英雄容疑者▽同、中野芳弘容疑者▽私立高校三年の少女の四人。
調べによると、平野容疑者らは共謀して十日午後十一時半ごろ、桜川にかかる橋の下で、酒の席での口論から、四人で海老根さんの頭を殴るなどの暴行を加え、ぐったりした海老根さんを桜川に投げ捨て殺害した疑い。
これまでの調べによると、平野直也、英雄両容疑者は兄弟。中野容疑者と少女は交際しており、昨年十一月ごろ、直也容疑者の住んでいるテントに転がり込むように住み始めたという。
少女の両親などによると、少女は昨年十月ごろから家出していたという。捜索願は出されていなかった。少女は家出した理由について「家にいてもつまらなかったから」と供述しているという。
市内に住む会社員の女性は、通りかかった際、ホームレスの男性のそばにいる少女を目撃し、違和感を持ったという。「若い子がホームレスに暴行を加えるのはショック」と話していた。
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