2003年2月27日

補助金や人件費で県外部監査

不適切な点を指摘し改善求める

 ある土地改良区では、水田関連の公共事業四件で、談合の痕跡が見え隠れし、警察官の退職時昇任昇格で、退職金が三千万円以上余計に支払われる―。県の包括外部監査で二十六日、そんな問題点の指摘があった。今年度は、農水部の補助金行政と、県職員の人件費にテーマを絞って実施。監査人らは、具体的に不適切な点を指摘、抜本的に改善するようを求めている。
 監査は、二〇〇一年度一般会計予算を対象に実施。農水部の補助金については、二百九十七件、二百三十一億一千六百万円に上る。このうち、十年以上続ており、運営費の補助金上位の五十事業を選び、九十六の交付先について現地調査、書類調査を行った。
 その結果、消費税分を差し引かずに交付したものや、研修費名目で視察旅行を行い宿泊費や懇親会にも充てていた例、不適切な入札―などが指摘された。
 入札関係では、ある土地改良区の整備事業で、四カ所の工事が同じ四社で入札、四社が受注を分け合い、全て予定価格通りで落札したなど、極めて不明朗な例もあり、見積もりを複数業者から取らない例も目立った。
 補助金対象範囲も拡大解釈が目立ち、財政危機の現状から見直しの必要性を訴えた。
 人件費については、〇一年度で歳出額の31・9%、金額で三千五百二十九億六千三百九万円。国会公務員を一〇〇としたラスパイレス指数は、〇二年四月一日現在一〇三・四で、全国六番目と高い位置にいる。
 外部監査人は、この中で警察官に占める警視の割合が、全国で二番目に高いことに着目した。県警と人事委員会が段階的に見直し中だが、時期を定めて速やかに実施するよう要請。警官の退職時昇任・昇格も、一般の県職員や教員にもない制度であり、それによる退職金増の見直しを求めた。さらに、退職金は将来支払いが確実なため、退職金手当基金の新設を提言した。

県議会開会「経済活性化を」知事

「国際物流特区の実現に努める」

 第一回定例県議会が二十六日開会した。県は、総額一兆四百八十六億円に上る新年度一般会計当初予算案など、予算二十三件、条例四十八件など七十五議案を上程、議案説明を行った。
 橋本昌知事は「経済が停滞を続ける今こそ、県の潜在力を最大限生かし、地域間競争を勝ち抜いていきたい。陸海空の広域交通ネット整備、いばらきブロードバンドを活用、産業振興、雇用機会拡大や所得向上につなげたい」と強調。
 さらに、「雇用拡大と投資促進のため、県内に新規立地する企業に思い切った税制上の優遇措置を講じ、工業団地でリース方式を導入。鹿島経済特区や、茨城、栃木、群馬三県で共同提案した国際物流特区の実現に努める」と、経済活性化の方向性を明示した。
 県会はこの後、議案調査のため休会。三月四、五日の代表質問、六、七、十日の一般質問を経て委員会付託、十一―十三日の常任委員会、十七、十八日の予算特別委員会、十九日の決算特別委員会を経て、二十日の本会議で委員長報告、議案採決を行って閉会する。

JAつくば市開所で200人集う

農協本来の機能発揮へ協力

 つくば市の五JAが合併して今月発足した「つくば市農業協同組合」(JAつくば市)の開所式が二十六日、同市小野崎のホテルグランド東雲で実施され、関係者ら約二百人が新たなスタートを祝った。
 久松茂樹理事長は「米の関税引き下げや食の安全問題など危機的状況に対応するため、協同の力を結集することが必要。経営強化、事業体制整備を進め、農協本来の機能が発揮できるよう努力する」と抱負を述べた。
 県県南地方総合事務所の山岡清司所長は「合併効果で、二十一世紀の地域農業の振興を図る中核機関として尽力してほしい」、藤沢順一つくば市長は「事業の再構築を図り、地域農業の発展、組合員の生活向上に大きく貢献してもらいたい」と、それぞれ期待を話した。
 このほか、合併に尽力した組合員らに感謝状などを贈った。
 JAつくば市桜、同筑波、同中央、同豊里、旧茎崎町のJA茎崎が合併した。米の生産調整の進展、農産物の輸入増大、BSE問題や食肉偽装事件による国民の不安増大、さらには金融の自由化など、社会環境の変化に対応するため、組織、機能の一本化や経営合理化などを図り、体制を強化するのが目的。
 組合員数約一万人、職員数約二百人。合併初年度の農産物売上高約二十三億円、事業総利益約十八億五千万円を見込んでいる。本店は同市東岡の旧JAつくば市桜本所。
 合併経営計画書では、市の特性を生かした農業振興策や高齢者福祉対策への取り組みなどを方針として掲げている。営農指導の体制強化、市民農園の拡大、農産物のブランド化、「新鮮・安全・安心」のアピールなどを打ち出している。

霞ケ浦の外来種で勉強会

生態系への影響など共通認識

 聴覚室で、行政機関や一般の住民らを対象にして外来種の現状についての勉強会を開いた。
 外来種によって霞ケ浦がどのような影響を受けるかについて、共通の認識を持とうと、初めて開かれた。霞ケ浦に関係する行政機関の担当者や研究者、住民ら約六十人が出席。東京大保全生態学研究室の鷲谷いずみ教授が「日本の外来種の現状と霞ケ浦」をテーマに講演した。
 この中で鷲谷教授は、外来種は植物千五百種を含め二千種以上があり、一割程度が生態系に無視できない影響を及ぼしていることを強調。在来種を脅かしているほか、在来種との交雑による雑種化、伝染病を持ち込むなど人体への影響、農業・林業・漁業への影響、利水障害などの問題があることを指摘した。
 また、外来種対策に向けて「生態系の不健全化をもたらしている要因全般を広く視野に入れた問題の分析と把握で、問題構造を踏まえた総合的対策、生態系の健全性を回復させる修復で自然再生を図る必要がある」とし、霞ケ浦の場合も、湖の複雑な関係を把握しながら対策を立てる必要性を訴えた。
 霞ケ浦の例として、湖の一角を囲んだ実験で、ブルーギルを除去して動物プランクトンを増加▽動物プランクトンが植物プランクトンを減少させる▽植物プランクトンの減少で透明度が上昇▽透明度の上昇による沈水植物の増加―といった技術開発が進められていることを紹介した。
 同事務所は外来種問題について今後も勉強会を開き、霞ケ浦の環境保全に役立てていくことにしている。

水戸に巨大ショッピングモール計画

専門店やシネコン、娯楽施設など

 水戸市笠原町の県庁近くに、複数の映画館(シネマコンプレックス)など娯楽施設を備える県内最大のショッピングモールの進出計画が進んでいる。総敷地面積約三十一ヘクタールで、県内トップだった「ジョイフル本田ニューポート」(ひたちなか市新光町)を上回る巨大な商業施設。事業計画の届出を受けた同市では、県庁舎移転や景気低迷で落ち込みが著しいJR水戸駅周辺と、泉町地区の中心市街地活性化事業を進めているだけに、郊外への巨大ショッピングモール誘致に戸惑いを見せている。
 出店を計画しているのは、総合商社「日商岩井」(本社・東京)と、土地を取得した市内の不動産業者。「水戸メガモール」(仮称)と呼ばれる大型商業施設は、二〇〇五年春のオープンを目指している。
 日商岩井によると、三十一ヘクタールの開発エリアのうち、三分の一をショッピングモールにする。建設場所は県庁舎東側にある逆川西側の南北約一・五キロ。東西約三百メートルの帯状の市街化調整区域。
 スーパーや診療所、スポーツ施設のほか、市内では初めてのシネコン型映画館などの娯楽施設を多数備えるなど、約百店の専門店が入居するという。モール形式の屋内型のため、雨でも不自由なく買い物などができるのが特徴。
 共同事業者の不動産業者では、当初は住宅建設を当て込んで買収していた。建設場所の土地はすべて買収済み。市では昨年十月、この業者から事業計画書の提出を受けた後、一月、庁内の担当職員で構成する「市土地利用合理化協議会」(会長・岡田広市長)の初会合を開いた。
 今後は学識経験者などで「市土地利用審査会」を立ち上げ議論、最終的に市長に答申する。県では、市の答申内容を基に作成した意見書を参考に、立地承認の可否を判断する。
 市内に大型商業施設の誘致を決めた理由について同社では、「現在、地方都市を対象に商業施設事業を行っている。水戸市の場合は商圏人口が多く、道路も整備され、立地に必要な広い土地があるという条件がすべてそろった」と説明する。
 同市では、泉町再開発で今月二十日にボンベルタ伊勢甚水戸店が閉店。水戸京成百貨店が転出する再開発エリアで、来年度は解体工事など本格的に事業が動き出す。JR水戸駅南口再開発では、キーテナントとなる商業施設が確定せず、宙に浮いた状態が続いている。さらに、内原町でもイオングループが大型ショッピングセンターを誘致、JR内原駅の北地区の土地区画整理事業が来年度に本格的に始まる。
 このため市では、「類を見ない大規模な商業施設の誘致に驚いている。良くも悪しくも影響が出るはずで、特に中心市街地にどのような影響が出るかなど慎重に判断したい」と話している。

headlinenews

−過去の紙面へ−
−HOME−