
一九九九年九月に東海村の核燃料加工会社「ジェー・シー・オー(JCO)」東海事業所で、作業員二人が被ばくして死亡した臨界事故で、業務上過失致死と原子炉等規制法違反などの罪に問われた、法人としての同社(本社東京都港区、稲見智之社長)と、元東海事業所長の越島建三被告ら被告六人の判決公判が三日、水戸地裁で開かれた。鈴木秀行裁判長は臨界事故を起こした背景について、「長年にわたる、ずさんな安全管理体制下にあった被告会社の企業活動で発生したもの」とし、JCOの過失責任は極めて重大とし論告通り罰金百万円を言い渡した。越島被告ら六人については、「企業の一員であった各被告らだけが臨界事故に寄与したわけではない」などとし、全員に執行猶予付きの有罪判決とした。焦点だった国の安全審査の在り方や、旧動燃(現・核燃料サイクル開発機構)のJCOに対する無理な発注については、いずれも情状面で採用されず問題点としても指摘されなかった。
鈴木裁判長は判決理由の中で、一連の臨界事故について、死者二人を出した重大な結果に加えて、「人体に有害な中性子線が大量に放射され、東海村の住民など数百人にも上る被ばく者を出したばかりか、屋内待避や周辺道路・鉄道が途絶し、県産の農水産物などの売り上げが減少する風評被害も相当に及んだ」とし、さらに「原子力の安全性そのものに対する国民の信頼性を著しく損ね、我が国の原子力政策にも相当な悪影響を及ぼした」などとし、JCOと各被告六人の刑責は極めて重いとした。
これまでの公判の中で、JCOは濃縮ウランを効率良く製造するために、一九八五年から違法操業を始めており、九三年からは臨界事故の引き金となったステンレス製バケツも使用。九五年には社内の安全専門委員会で違法操業を承認する一方で、裏マニュアル書を作成するなど、会社全体で違法操業をしていた実態が浮き彫りとなっていた。
そのため鈴木裁判長は、「全社的に許可を遵守する意識・姿勢に欠け、有効な対策を取らなかったことから安全軽視の姿勢は非常に根深い」とJCOを厳しく指弾した上で、「違反の各事実は単なる一時的なものではなく、長年にわたり会社全体を支配してきた安全軽視の姿勢の現れで、核燃料加工事業者としての緊張感を欠いた姿勢は厳しく責められなければならない」と、臨界事故を起こした企業の刑責を明確に指摘した。
その一方で、被告六人の中で最も厳しい求刑を受けていた越島被告の刑責については、「会社の長年にわたる安全軽視の姿勢が形成される過程に深く関与していた」としながらも、「歴代の幹部や東海事業所長においても安全管理体制を構築してこなかった責任の一端がある。発生当時の東海事業所長であるということで、被告に過大な責任は負わせることはできない」などの情状面を考慮、執行猶予付きとした。
そのほか各被告について、「加藤被告の関与はあくまで会社という組織の一員としてのもので、被告の一存で許可内容から逸脱した操業が実施されたものではない」とし、小川被告についても「臨界事故のわずか三カ月前に核燃料取扱主任者に就任した事情から、臨界事故防止に向けた助言をすることは必ずしも容易ではなかった」とした。
また「渡辺被告は不十分ながらも本件操業の安全管理に考慮していた事情がある」とし、竹村被告については「臨界管理方法などについて会社から十分な教育を受けていなかった事情がある」とした。現場で違法作業をしていた横川被告については、「被告自身も放射線を浴びるなどし約三カ月間入院している」と各被告の情状を考慮し、全員に執行猶予付きの有罪判決とした。
なお、被告側が主張していた違法操業をチェック出来なかった国の安全審査について、鈴木裁判長は「許可内容を遵守することは企業が守るべき最低限の企業倫理で、行政当局の監督が不十分でないことを論議するのは自らの責任を他に転嫁するのに等しい」とし、旧動燃の無理な発注についても「サイクル機構が被告会社の違法・逸脱操業の実態について認識した上で、無理な発注を行っていた事実は認められない」などとし、被告側の主張を全面的に退けた。
つくば市議会の三月定例議会が三日開会、藤沢順一市長は「環境、福祉、自立都市つくばの実現を図り、世界レベルで高い評価が得られる模範都市にしていく」と、二〇〇三年度の施政方針を述べた。
藤沢市長は、ベンチャー企業創業や企業誘致などを進める産業創出支援、「新エネ市民電力特区」構想の実現を最重要課題に掲げた。また、NPO(民間非営利団体)をはじめとする市民団体との連携、つくばエクスプレス開通をにらんだ魅力的なまちづくりを進めていく意欲を見せた。
主な施策として▽総合交通体系調査の実施▽余裕教室を利用した児童クラブの開設▽小中学校への光通信導入▽インターナショナルスクールの誘致▽クリーンセンターの余熱を利用したスポーツ施設の整備▽つくば産業戦略会議(仮称)の設置▽市男女共同参画推進条例の制定▽電子入札制度の導入―などを挙げた。
このほか、市は一般会計五百七十五億七百万円の二〇〇三年度当初予算案、市介護保険条例の一部改正案など四十議案を提案した。
一般質問は七日と、十日から十四日まで実施、二十一人が質問する。
IT(情報通信技術)を活用した起業家を育成するため、土浦市は三日、同市川口一丁目のモール505一階の空き店舗に支援施設「SOHOつちうら」を開設、開所式を開いた。六区画の募集に対し、三倍以上の二十人が応募、審査で六人が選ばれ、同日から業務を本格的にスタートさせた。
インターネットなどITを活用したSOHO(スモール・オフィス・ホーム・オフィス、自宅や小事務所でインターネットなどを活用して行う仕事)を支援、育成するため、中心市街地の空き店舗対策を兼ねて事業化した。二年間の入居後、市内で起業・独立することを目指す。産業支援施設などをSOHO向けに貸し出しているケースはほかにもあるが、自治体が空き店舗を活用して支援施設を開設するのは県内でも初の試み。
施設は面積百十一平方メートルで、二十四時間利用できる一室約六平方メートルのSOHOオフィス六室のほか、共用スペースには一般の人も利用できるパソコンを二台設置。光ファイバーによる毎秒百メガビットの高速通信環境を備えている。管理は土浦商工会議所に委託した。
入居が決まったのは、総務部(井坂圭一社長)総務、経理の受託、パソコンスクールなど▽つちうらネットプレス(高橋仁美社長)地域ポータルサイトの運営、ホームページ作成など▽三協=中国ビジネスのコンサルティング▽同市富士崎の折田藤男さん=官公庁のシステム構築や運用支援▽ワールド翻訳サービス=英語、中国語、韓国語、独語などの翻訳、英文校閲、テープリライト▽電脳部(河合通之社長)竹炭を利用した環境改善や水質浄化―の六人。市外は三人で、中国人留学生も一人いる。
開所式では助川弘之市長や中川清土浦商工会議所会頭らのあいさつのあと、入居する六人を紹介。入居者を代表して「つちうらネットプレス」の高橋仁美さんが「インターネットは苦手という人にも足を運んでもらい、接するお手伝いもしていきたい。土浦のまち全体が情報タウンになれば」と抱負を述べた。
高橋さんは今月いっぱいで常総学院を退職。高校では国語を教えるとともにチアリーダー部顧問も務めたが、「だんだんさびしくなる土浦のまちの活性化のため何かしたい」と昨年五月に会社を立ち上げた。
四月一日からスタートする「日本郵政公社」のPRのため、県内の郵便局で、三日から移動郵便車を巡回させる。同日、そのスタートとなる水戸市三の丸の水戸中央郵便局(山上又一局長)で、出発式が行われた。
県内の郵便局では、県民に広く周知し、職員らの意識改革を図ろうと、各局の代表者らで「公社化推進プロジェクト委員会」を設置。一ヶ月後に迫った公社化に向けて、今後、独自の施策でアピールしていくという。
移動郵便車は四月一日までの約一カ月間、職員らがリレーしながら、県内各地区を巡回PRする。水戸を皮切りに四日以降は大子、日立など県北地域。十二日から土浦など県南地域、二十三日から、下館など県西地域を巡回する予定。
巡回中は各地区の普通郵便局を担当局とし、それぞれの会場で、PRのために作成したオリジナルソングを流すほか、各担当局で楽しいアトラクションなども用意。また、九日に開催される鹿島神宮の「祭頭祭」など県内各地でのイベントにも参加する。
出発式には山上局長をはじめ、同市内の郵便局長、同局職員らが参加。冒頭、あいさつに立った山上局長が「この移動車は装飾など職員自らの手によるものであり、その思いが詰まっている。県内各地を巡り、これまで以上のサービスを強力にPRしてもらいたい」と激励。続いて、最初の運転手を任された同局総務課の寺門修一主任に花束が贈られ、寺門主任はPRのたすきを掛けて、車に乗り込んだ。
最後に山上局長らが記念のテープカットを行い、移動郵便車は同市内へのPRに繰り出した。
二月の美野里町長選挙で四選を果たした島田穣一町長が三日、初登庁し、職員を前に「公僕意識を忘れず、職務に責任を持ち、行動してほしい」と初訓示。合併問題についても「五十―百年後に誇れるまちづくりに取り組む」と、述べた。
島田町長の四期目任期は二十五日からだが、年度末の予算編成や町議会三月定例会など、日程が立て込むことから、前倒しして行った。
島田町長は午前九時、職員の出迎えを受け、庁舎入り口で女子職員から花束を受けた。
初訓示で島田町長は厳しい選挙結果を踏まえ、「改めて初心に返り四期目の町政運営に臨みたい」と述べ、さらに、厳しい経済状況下での町民負担に理解を求めるとともに、少ない予算で、より効率的な町政運営を目指し、施策を展開することへの協力を求めた。
また、町第四次総合計画の締めくくりと、第五次総合計画策定に向けて、真に豊かな地域づくりに努め、四つの公約実現に、精一杯、力を発揮したいと決意を述べた。
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