2003年3月18日

小規模町村が合併で意見書

自治権訴え国を批判

 市町村合併をしない小規模市と町村から、権限と財源を取り上げるとした国側の姿勢に、県内町村議会でも反発が広がっている。十七日には大洗町、東海村、協和町など六町村議会が、国を批判する「町村の自治権確立に関する意見書」を全会一致で採択した。同日までに県内の全六十一町村のうち四十町村議会で採択、もしくは採択確実の情勢になっている。地方の反乱が国政を動かしそうな勢いだ。
 問題の背景は昨年十一月、合併を誘導するムチとして、国の地方制度調査会で示された「西尾私案」。全国町村議長会が猛反発し、意見書を審査して採択し、関係閣僚などに提出するよう要請した。県内の動きもこれをきっかけとしている。
 この日、議会最終日の本会議で意見書を採択したのは、大洗、東海、協和のほか、岩間町、江戸崎町、千代川村の計六町村議会。いずれも全会一致だった。
 美和村議会でも総務教育委員会が、委員七人のうち五人の賛成で「採択すべし」との結論に至った。十九日の議会最終日に議員提案され、採択される見通しだ。
 那珂町議会も十七日、総務委員会で検討を始めた。結論を十八日に持ち越したが、大勢の雰囲気は「採択の方向」といい、同日の同委員会で決定されれば二十日の本会議に議員提案され、可決、採択となる見込みだという。
 このほか、県内六十一町村のうち既に十一の町村議会が、昨年の十二月定例議会で、「全会一致」もしくは「賛成多数」で可決、採択している。小泉首相や担当の片山総務相ら関係閣僚、衆参両院議長、地方制度調査会に提出し、地方議会として反対の意向を明確にした。
 また、三月定例議会でも既に、十三の町村議会が「全会一致」「賛成多数」で可決、採択。計二十九町村でこの日までに可決、採択が決まり、ほぼ確実な町村議会を含めると、十七日現在で四十町村議会が可決、採択となる見通し。
 一方、二十一町村議会が「議長預かり」「書類配布のみ」「継続審議」「今後、取り扱いを決める」などとしている。「二月に全国町村議長会、同町村会合同臨時大会が終った。意味はない」とする議会もあり、意見書の内容には反対ではないようだ。
 このうち、合併前提となっている水府村、里美村、金砂郷町の議会は、合併すれば関係ない―との背景もあって議長預かりに。岩瀬町議会も同様で、合併絡みの温度差も見え隠れしている。
 意見書は、「『私案』は町村の自己決定権を踏みにじり、住民自治を否定するもの」「やみくもに町村の『解消』を図ろうとするもの」「地方分権の確立に反する」と批判。その上で「いかなる行政体制を選択するかは地方が自主的に判断するべきもの」と強調している。

常北町議会で予算案を否決

合併問題で町長の方針に反発

 常北町議会は三月定例会最終日の十七日、新年度の一般会計当初予算案を否決、併せて、支給対象を小学校卒業まで大幅に拡大する医療福祉費支給条例改正案も否決した。背景には市町村合併の相手を選挙公約の水戸市でなく、城北地区に変更したことに対する反発がある。三村隆信町長は「残念だ。再提出を含め検討する」とするが、町長派議員も否決に回る異常事態。三村町政は、初の本格予算編成から大きくつまづくことになり、再提出案に対する議会の対応が注目される。
 同日の本会議では、町長派の三村由利子町議らが反対討論を行った。「水戸市ではなく、城北地区と合併を進めることについて、議会や住民に説明がなされてない。予算を通せば城北地区合併を認めることになる」と反発した。
 三村町長は昨年の町長選で、「城北地区合併を先行させ、その後に水戸市と合併する」と主張した当時の阿久津勝紀町長を批判。「中心地はどこになるのか? 合併の意味がない」などと、水戸市との合併を訴えており、町長派にも反発が広がった格好だ。
 討論ではさらに、健康増進施設「ホロルの湯」についても、「委託料が突出している」と批判が集中。選挙で町長を支えたグループからも、「選挙公約の重さを切に考えてもらいたい」との声が上がっていた。
 この後の採決では、当初予算案が五対十二と圧倒的な反対多数で否決。医療福祉費支給条例改正案も、「支給対象を六歳未満から十二歳未満に引き上げる」ことへの反発などから否決された。
 異例の予算案否決について、永山高男副議長は「医療福祉費(の支給対象年齢)を六歳も引き上げる必要はない。所得制限を設ければよいのでは」と指摘、否決理由が合併問題や「ホロルの湯」だけではないことを強調した。
 これに対し、同町企画財政課では健康増進施設委託費を増額した理由について、「今年度は六月二十九日から委託を開始した。新年度は一年間委託するわけで、今年度とは期間が違う」と説明する。
 町民らの間には「選挙時には『ホロルの湯』自体を否定していたはず」との声もあり、町側の出方に注目が集まりそうだ。

JCO裁判、検察は控訴せず

有罪確定も執行猶予に不満

 一九九九年九月、東海村の核燃料加工会社「ジェー・シー・オー(JCO)」東海事業所で発生した臨界事故で、越島建三元東海事業所長=禁固三年執行猶予五年、罰金五十万言い渡し=と加藤裕正元製造部長=禁固三年執行猶予四年=の二人に対して執行猶予付きの判決が言い渡され、量刑の妥当性に問題があるとして東京高検などと控訴について協議を重ねていた水戸地検は十七日、二人を含む全員を控訴しない方針を明らかにした。
 伊藤敏朗次席検事は「二人の被告に執行猶予を付したことに不満はあるものの、量刑の基礎となった事実に誤認がなく、JCO側が遺族側と示談している点などを考慮した結果、控訴して実刑が得られるとは断じ難い」とコメントした。
 既に被告側は控訴しない方針を固めており十八日にも有罪が確定する。

「22世紀に森林を残そう」

山方で小中学生が植樹

 山方町諸沢の温泉施設「三太の湯」南側の山林で十七日、今年度の「二十二世紀の森植樹祭」が行われた。豊かな自然環境を持つ同町が、町全体を一つの自然公園に見立てて、安らぎのある空間を作ろうという「二十二世紀の森」構想の一環。町内の小、中学生の卒業も記念して開かれた。
 植樹祭には、二十日に卒業式を迎える小学六年生と、十一日に卒業した中学三年生をはじめ、三次真一郎町長、西村勝夫県県北地方総合事務所次長、中島光一町議会議長ら約二百十人が参加した。約三千平方メートルの斜面に、イロハモミジやオオサカズキ、ヤマザクラなどの紅葉樹二百十本を植樹した。
三次町長は生徒らの卒業を祝った後、「昨年、植樹した木々もほとんどが根付いた。二十二世紀の森として、百年先、二百年先を見通した森づくりをしていきたい」と述べ、中島議長も「緑豊かな自然に親しみ、豊かな心を育てていきたい」と話した。
「三太の湯」は周辺をスギやヒノキなどの樹木で囲まれた豊かな環境にあるが、訪れる入浴客らから「四季の花や紅葉を楽しめるようにしてほしい」などと要望があった。
 今回で植樹祭として実施する植樹は終了し、今後は業者による整備が進められる。

葉梨氏がつくばエクスプレスで講演

「東京駅乗り入れ2011年ごろに」

 第二百五十六回常陽懇話会が十七日、土浦市川口の土浦京成ホテルで開かれ、葉梨信行衆院議員が「つくばエクスプレスの現状と展望」と題して講演、二〇〇五年十月開業のつくばエクスプレスの現状や常磐線の東京駅乗り入れをめぐる問題について報告した。葉梨氏はつくばエクスプレスの東京駅延伸開通は八年後の二〇一一年ごろになるとの見通しを示した上で、大深度法を活用した建設で事業費を圧縮、地下駅は丸の内側とする技術的な検討が進んでいることなどを紹介した。
 超党派のつくばエクスプレス建設促進議員連盟会長でもある葉梨氏は、秋葉原―つくば間となっている同線の東京延伸について、一九九三年に当時の鈴木俊一東京都知事との間でプランが話題になったことなど経緯に触れながら、二、三年前からは国土交通省や鉄建公団、同線を運行する首都圏新都市鉄道などとの間で、具体的な作業が進んでいることを披露。
 もともと八五年の運輸政策審議会答申では、東京―筑波研究学園都市間とされており、東京延伸は既定路線。延長は約二キロで、事業費は約一千億円とされるが、葉梨氏は東京延伸で利用者が一日三万人増加し、年四十億円の収入増が見込まれるほか、都心直結で宅地開発の促進、沿線ステータスの向上などのメリットを挙げ、「大深度法を利用して地下四十メートルに建設することで事業費を圧縮できる。デフレにより計画された全体の建設事業費も少なくなっている。延伸は、ぜひ実現したい」と述べた。
 また、常磐線の東京駅乗り入れについては、JR東日本が事業費三百億円の地元負担は求めず、秋葉原―東京間は東北新幹線の上に線路を新設する工事を予定。ただ、JRは朝の通勤ピーク帯は高崎線、宇都宮線を中心に考えており、常磐線は特急列車のみ想定されている。葉梨氏は昨年十月に松田昌士JR東日本会長に会った際、「常磐線に特段の配慮を」と求め、同会長は「十分に配慮し勉強したい」と回答した経緯などに触れた。JR側は二〇〇五年度に着工、〇九年度の開通を目指して環境アセスメントなどを進めている。
 会場からは「群馬、栃木両県は新幹線があるにもかかわらず、ラッシュ時の東京駅乗り入れ十八本のうち常磐線は特急のみ二本というのは納得できない。普通列車の乗り入れを実現してほしい」などの要望が出された。
 説田太郎土浦商工会議所専務理事は「葉梨先生は長い間この問題に取り組んでおり、素晴らしい内容だった。ただ、つくばエクスプレスも常磐線も往復するだけでは効率が悪いため、つくばと土浦を鉄道で結ぶことにより、県南の都市を環状に連絡できれば採算性も高まるはず。ぜひ検討してほしい」と感想を述べた。

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