2003年3月20日

土浦の街路灯問題で5551万円返還命令

市係長に停職5カ月―市が調査結果報告

 土浦市の街路灯設置補助金の不正受給問題で、過去五年間に逆上って補助事業を調べていた同市は十九日、市議会全員協議会に調査結果を報告するとともに、関係した職員や上司らの処分を発表した。調査対象となった九商店会のうち七商店会で合わせて四千五百六十七万円の不正受給が明らかになり、金利を含めた五千五百五十一万円の返還を求める。上司の関与については明確に否定し、市議会百条委が強い疑念をにじませたのとは対照的な結論となった。
 調査は、一昨年八月に同市が右籾商工振興会を告訴したのを受け、土浦署が昨年九月、市職員二人や新たに荒川沖商栄会と真鍋共栄会の二商店会役員を含む十三人を書類送検したことでスタート。調査委員会(委員長・藤本明人助役)を設置し、九商店会と施工業者六社などから聞き取りや書類の提出を求めて調査した。
 その結果、書類送検された二商店会以外にも、土浦駅前商店街振興組合(B・Cブロック)、川口商店会、さくら通り商店会、大房商店会、南商工振興会の五商店会でも事業費の水増しによる補助金の不正受給が明らかになった。
 一昨年の右籾商工振興会は補助金の交付決定を取り消し、全額(二千五百万円)を返還させたが、今回は多く受け取った分だけの返還を求める。これに伴い、右籾に対しては千百二十五万円を再交付する。
 荒川沖が県・市補助金合わせて二千七百三十五万円と年利5%の金利分の加算金五百九十四万円の計三千三百二十九万円となるのをはじめ、真鍋四百五十六万円▽土浦駅前十七万円▽川口百二十四万円▽さくら通り四百二十八万円▽大房五百六十七万円▽南六百二十七万円の計五千五百五十一万円(県五百八十三万円、市四千九百六十八万円)。
 残る二商店会のうち、一商店会は設置者の負担金が一致せず、役員が負担したとされる約二百六十万円が問題となったが、「不正は認められなかった」と結論。
 市は来月にも正式に交付決定の一部を取り消し、返還を命じる。返納期間は三カ月以内で、延滞金は日歩三銭(年利10・95%)となる。
 職員の処分は、事業費の水増しを商店会や施工業者に持ちかけたとされる係長が停職五カ月、部下の主幹が同一カ月。上司では当時の部長が停職一カ月、課長が減給10%六カ月など五人が十九日付で処分を受けた。三役は助川弘之市長と藤本助役が減給10%三カ月、砂田元助役と滝ケ崎洋之収入役が同一カ月で、必要な条例改正議案が同日提出され、可決された。
 一方、同市議会百条委(久松猛委員長)も同日の本会議で最終報告を行い、上司の関与は解明できなかったものの、事業の確実性について誰も確かめようとせずに決裁している点などについて「極めて不自然な事態」と疑問視した。
 市の調査では、疑問は残ったものの証拠が見つからなかった商店会について「不正は認められなかった」とし、議員の関与についても「認められなかった」と表現しているが、担当の部課長については「関与はなかった」と明確に断定。議会と執行部の認識のズレを際立たせた。
 なお、百条委は二度の出頭要請に応じなかった施工業者のファロル照明(本社・埼玉県越谷市)の社長ら三人について出頭拒否で告発するよう議決を提案、賛成多数で可決した。近く土浦署に告発する。

県が障害者プランで指針策定

ノーマライゼーションと完全参加理念

 県は十九日、障害者施策推進の基本指針「いばらき障害者いきいきプラン」を発表した。計画期間は二〇〇三年度から十年間。「ノーマライゼーション」と「完全参加」を基本理念に自立支援などを強化、前期五カ年の数値目標を設定した。
 プランは、「措置制度」から「支援費制度」への移行など、障害者を取り巻く社会経済情勢の変化を踏まえて策定、関係施策の総合的、計画的な推進を図る。
 「ひとりひとりを尊重する社会を目指して」「暮らしを支える保健・医療・福祉の充実を目指して」「快適に暮らせる社会を目指して」の三視点のもと(1)保健・医療・福祉・教育の連携(2)外出支援など計九項目を設定した。
 これらの実現に向けた施策として、在宅福祉サービスの充実など自立支援や、福祉サービスの利用者本位の支援、個々の障害の特性に配慮したきめ細かな支援などを掲げている。精神障害者の社会復帰支援では、軽度の障害者がヘルパー役を務める「ピア(仲間同士)・ホームヘルパー」の養成などに努める。
 数値目標は、前期五年間に整備すべき施策として計三十四項目を設定。(1)身体障害者デイサービス九十カ所(〇二年十月現在、二十二カ所)(2)知的障害者デイサービス四十四カ所(同九カ所)(3)精神障害者ホームヘルパー養成七百人(同四百人)(4)民間企業の障害者雇用率1・8%(同年六月現在、1・46%)など。

じん肺訴訟―全員の和解が成立

「裁判終わったが今後も取り組みを」

 鉄道や道路のトンネル工事現場で働き、粉じんが原因でじん肺となったとして、元作業員らが大手総合建設会社(ゼネコン)を相手取り、慰謝料などの損害賠償を求めた訴訟が十九日、水戸地裁(松本光一郎裁判長)で開かれ、一人未解決だった原告の和解が成立した。これで、水戸地裁に訴えを起こした第一次・二次原告団合わせて十二人全員の和解が成立したことになる。
 今回和解が成立したのは、北茨城市に住む、鈴木久美さん。 和解条項によると、和解金として千四百万円を鈴木さんに支払い、被害者に対する謝罪と再発防止のための決意表明をする。内容は前回までと同一。
 和解成立後の記者会見で鈴木さんは、「長い間お世話になりました」と安心した表情で話し、原告団の内田芳郎団長は、「こんなに早く和解できるとは思ってもいなかった」と感想を述べた。
 今後の方針について加藤義正事務局長は、「裁判は終わったが、じん肺をなくすことについては、ぜんぜんなってない」と話し、 今後の取り組みを進めていく必要性を訴え、理解と協力を求めた。
 同原告団の安江祐弁護士によると、全国で和解が成立してないのは、第一次・二次原告団合わせて千四百三十人のうち二十三人(十九日現在)という。

岡田水戸市長が辞職

参院補選へ出馬

 水戸市の三月定例市議会が閉会した十九日、四月の参院補選に出馬する岡田広市長は、新年度予算が可決されたことを受け正式に辞職した。この日開かれた本会議では、岡田市長が十七日に須能昭一議長に提出した退職申出書について採決が行われ、全議員が賛成し同意した。
 岡田市長は議員を前に「市長職を離れても、一市民として水戸市を愛する心は一緒。新たな目的に向かって努力を続けていきたい」などとあいさつした。
 議会終了後、庁内放送で岡田市長は「三期約十年間にわたり、市民の視点に立ち市政運営に務めてまいりました。課題もありますが、職員の協力で職責を果たすことが出来ました」と話した。
 さらに「今後も市民ニーズを的確に把握しながら、新たなリーダーとなる市長のもとで、市民福祉向上が行政の責務であることを認識し、魅力あるまちづくりを進めていただきたい」と別れの言葉を述べた。
 市役所正面玄関前での離任式で、岡田市長は家族と一緒に女性職員から花束を受け取り、集まった職員を前に改めて感謝の言葉を述べながら庁舎を後にした。
岡田市長の辞職に伴う市長選は市議選と同じ四月二十日告示、同二十七日投開票で実施される。市選菅によると、立候補者説明会は今月二十六日、書類審査は四月二日に行われる。

イラク情勢で平和解決決議―土浦市議会

国に「平和の意見書」提出、水戸では否決

 土浦市の三月定例議会は最終日の十九日、三百八十五億円の二〇〇三年度一般会計予算案など議案四十四件を原案の通り可決するなどしたほか、イラク情勢が緊迫する中で「査察の継続・強化によるイラク問題の平和解決を求める決議」を行い、平和的解決に貢献することを日本の基本姿勢とするよう求める「平和の意見書」を、内閣総理大臣らに提出することを決めた。
 決議では「米国が実際にイラクを攻撃すれば、イラクの多くの罪なき国民が傷つくと同時に、中東情勢は一層不安定になる」とし、武力攻撃の事態を回避する必要を強調した。
 また、十九日に開かれた水戸市の定例議会最終日では、国に対してイラク問題を平和に解決することを目指す「査察の継続強化によるイラク問題の平和解決を求める要望決議案」について採決したが、賛成少数により否決された。議会内では「国防問題は議会になじまない」という意見が大勢を占めていた。

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