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2004年1月12日
グループホームが人気
水戸「堀安の舎」に見る理想
「在宅に近い家庭的な環境で暮らしたい」と、 介護保険制度の中で、痴ほう性高齢者のためのグループホームが人気だ。 一つ屋根の下で、お年寄りが各部屋を持ちながら、 共用スペースで共同生活するところで、特に民間による建設が急増している。 待機者が出るところも多く、県が計画している整備目標をはるかに超えている現状がある。 そんな中で求められているのが「質」の問題。 新たな発想で、利用者だけでなく家族にも、 「ここなら、わたしも住みたい」と好評なのが、 水戸市堀町にある「堀安(ほりあん)の舎 (いえ)」だ。運営する安蔵秀彦さんに聞いてみた。
 
◆開放型
 
「施設というものでなく、縁側などのあるごく普通の家を造った。 自分に置き換えて、自分で住みたい場所づくりに心掛けた」
 
徘徊(はいかい)を心配して玄関など出入り口を管理するところが大半だが、 あえて内鍵を常に開けられる状態にしているのが特徴。
 
「閉じ込められれば、誰だって嫌なもの。その立場になって、 自分がしてほしくないと思うことは相手にもしない。 束縛や禁止はせずに、できるだけ開放してあげたい」 と安蔵さんは理由を話す。
 
一方で、「最大限のリスクを負っている」とも。 共用スペースを多く設置し、一ユニットには広すぎる建物を含め、 敷地面積が約二千八百平方メートルもあり、常に利用者の行動パターンを把握し、 気配を感じながら、「目で追うことに細心の注意を払っている」。
 
敷地内には、地域住民との交流の場としてホール 「楽庵」を数千万円かけて建築し、利用者が一日一回立ち寄って、 カラオケなどができるようにしているのも、 ほかにはない特色だ。
 
自宅がグループホーム脇にあり、長年にわたって子供会役員を務め、 PTAや地域活動に積極的に参加している安蔵さんは、 「創作活動や発表の場に使ってほしい」と、 個人には無料で開放し、団体にもワンコイン (五百円)で貸し出している。
 
これまで、子供会のクリスマス会や住民によるカラオケ大会、 バザー、忘年会などが開かれたが、「グループホームの利用者にも参加してもらうことを目的にすると、 気兼ねすることになり、自由に使ってもらえなくなるので、 『お年寄りがお邪魔することはあっても、わざわざ (参加を)呼びに来なくてもいい』と主催者には伝えている」。
 
◆なるべく外へ
 
地域からは散髪慰問などの誘いもあったが、 「来てもらうのではなく、逆に外に出て行くようにしている」 と、なるべく理髪店に出向くようにと考えている。
 
開設して二カ月余りだが、既に「農作物の収穫作業を一緒にしませんか」 との声が掛かる。将来的には、近所の住民から、 「○○さんは、うちにお茶を飲みに来ているよ」 と言われるような地域との関わりを持てたらと望んでいる。
 
◆障害児教育の経験
 
安蔵さんは、長年にわたって障害児教育に携わるなど福祉分野に関わってきた経験を生かして、 昨年十一月に「堀安の舎」を立ち上げた。
 
養護学校教諭として勤務した二十七年間の経験が生きているという。 障害の程度や能力などに応じて、一人ひとりとじっくり向き合い、 それぞれの生活リズムに合わせて、ゆったりとした時間が流れていくという共通点が、 仕事をする上で基盤になっている。
 
「物理的な面でも、精神的なものでも、閉じ込み感は誰でも嫌なもの。 お年寄りは、これまでの人生の中で、自分を 『こうあるべき』と閉じ込めてきて、痴ほうになってしまった方も多いはず。 そこから解放してあげられれば、との思いが強い」 と話す。
 
六人の常勤職員は二十四時間体制で、グループホームの理想の姿を実現しようと、 日々お年寄りと過ごしている。
 
◆急増で質重視へ
 
県高齢福祉課によると、昨年末までに、県内で百二十六カ所の痴ほう性高齢者グループホームが開設された。
 
これは、二〇〇二年末までに開設された県内六十七カ所の倍近くに上る数字で、 まさに急増といえる。水戸市では、十六カ所三十三ユニットだ。
 
単純計算すると、百二十六カ所で、二百二十六ユニット (ユニットは共同生活の単位。基本的には一ユニット九人とされている) となっていることから、約二千三十人が定員とみられる。
 
施設によって待機者のあるところ、空きのあるところとさまざまだが、 県が定める「いばらき高齢者プラン21」は利用者急増の現状から見直され、 新たに策定されたプランでは、整備目標値として新年度に千四百二十五人、 最終年度の〇七年度に千七百九十九人としているが、 既に利用者見込みを超えている現状にある。

●54市町村で成人式
振り袖やスーツ姿で旧交温める
成人の日を前に、十一日、県内五十四市町村で成人式が催された。 新成人が三千二百三十八人と、県内で最も多いつくば市では、 同市竹園のつくばカピオで、立食パーティーが開かれ、 振り袖やスーツ姿の若者約二千人が、互いに記念写真を撮ったり、 おしゃべりに花を咲かせるなどして旧交を温めていた。
 
土浦市・同市教育委員会主催の成人式は十一日、 同市東真鍋町の市民会館大ホールで、対象となった千六百四十七人のうち約千人が出席して開かれ、 大人の仲間入りを祝った。来賓として、松浦英一、 足立寛作、伊沢勝徳各県議、豊島一男市議会議長らが出席した。
 
主催者を代表して中川清市長は「二十一世紀を希望に満ちた世紀とするため、 教養と英知を身に付け、二十一世紀を背負って立つ気概を持ってほしい。 新しい土浦、日本一住みやすい土浦を皆さんと一緒につくっていきたい」 と述べ、米国の作家レイモンド・チャンドラーの 「タフでなければ生きていけない。優しくなければ生きている資格がない」 の言葉を贈った。
 
また、新成人を代表して成人式運営委員会の鶴町健さんが 「自己の責任を果たすべく、人格と知性の向上を図りたい。 一層加速度を増してさらに移り変わっていく社会を希望ある未来へと発展させるのは私たちであるという社会的立場を自覚し、 広い視野と豊かな教養を身に付け、正しい判断力とたくましい実行力を養いたい」 と決意を述べた。
 
つくば市竹園のつくばカピオで一日早く開かれた 「成人の集い」には約二千人が参加。式典と立食パーティーが行われ、 まず藤沢順一市長が「自分の可能性を信じ、 目標を達成するために挑戦し続けてほしい」 などとあいさつ。丹羽雄哉衆院議員は「人生において、 怒らないこと、恐れないこと、悲しまないことを座右の銘にしてきた」 と話し、「怒らず、恐れず、悲しまず」の言葉を新成人に贈った。
 
続いてジュースで乾杯し立食パーティー。出身中学校ごとに記念写真を撮影するなどした。
 北沢章史さんは「体育の教員になりたくて大学に通っている。 道は険しいけど、子供たちに何かできればいい」、東郷綾乃さんは 「四月から就職する。成人式という節目なので新たな気持ちで頑張りたい」などと話していた。
 
「ネイルアートの仕事に就きたいと思っている。 大人になり自分でいろいろなことを決められるので、 積極的に取り組めるようになれれば」と話す女性もいた。
●部品盗 10年前の4倍に 
鉾田署など 特殊ねじを考案
自動車のタイヤやホイール、ナンバープレートなどが盗まれる部品盗が増加している。 特に狙われるのが、ナンバープレート。盗まれたナンバーは、 再発行に手間が掛かるだけでなく、盗難車に取り付けられ、 強盗などの凶悪犯罪に使われるケースもある。 二〇〇三年度の自動車盗や車上狙いの発生件数は、 増加に歯止めが掛かったが、部品盗は十年前と比べて約四倍。 ナンバープレートだからといって油断できない状況になっている。
 
◆偽造され逃走車に
 
県警捜査三課によると、同年度の部品盗発生件数は三千六百六十九件。 十年前は八百六十三件だった。
 
被害はタイヤやホイールが中心だったのに対し、 現在はナンバープレートが多く盗まれる。盗まれたナンバーは偽造した部分を張り付けるなどして、 強盗などの逃走車に使われるケースもある。 「偽造方法も巧妙化している」と同課の幹部捜査員は語る。
 
また、「カーナビも取り外しが簡単になってきている分、 狙われやすくなるのでは」と、ある県警幹部は危ぐする。
 
◆さまざまな防衛策
 
県警では、鉾田署の塩原仁署長が、ナンバーを固定するねじが、 ドライバー一本で簡単に外せることから、〇二年四月、 水戸市谷津町の金属加工メーカー「カワスミ」 (川隅利勝社長)に、「増加するナンバープレート盗を何とか防ぐ方法はないか」 と持ち掛けた。
 
川隅社長は、特殊ねじを考案。取り付けは普通のドライバーで大丈夫だが、 特殊な工具でないと外せない。このねじは同六月から同署で配布・取り付けを開始した。
 
これまでに約二千台分の配布実績を持ち、現在は県内の全警察署で入手できる (一台分三百円)。
 
手軽な盗難防止策として注目され、画期的なアイデアと思われたが、 別の問題が発生した。茨城陸運支局(現・茨城運輸支局) が「ねじが違うとはずす際の業務に支障が出る」 と注文を付けた。 塩原署長は、「ナンバープレートが盗まれている現状を一刻も猶予できなかった」 と振り返る。
 
その後、運輸支局と県警は協議を重ね運輸支局も、 従来のものより約十倍以上の力を加えないと外れないナンバーの封印を考案。
 
〇三年一月から同支局と東京運輸支局で先行して取り付けを開始。 同四月から全国で使われた。新車や、引っ越しなどでナンバーを変えた全ての車に取り付けられ、 茨城運輸支局では、同十二月までに十万八千九百五十九台の車に取り付けられている。 未取り付けの車で、取り付け希望者には実費で取り付けている (一台分七十円)。
 
自動車盗難防止装置も有効だ。水戸市平須町のカーセキュリティー専門店 「ステップジャパン」(今井義貴社長)が販売している盗難防止装置は、 衝撃があればブザーやランプが鳴るのでナンバープレートはもちろん、 車上狙いも防げる。
 
ある県警関係者は「今は、犯罪の陰に車あり」 と自動車盗や部品盗が凶悪犯罪の二次犯罪につながる現状に危機感を募らせた。
 
「自動車盗などの被害件数をいかに減らすかは、 自分で守るという意識をいかに浸透させるかが鍵となる」 と、塩原署長は力を込める。

●県内各地で出初め式
千波湖へ一斉放水 −水戸市−
新春恒例の消防出初め式が十一日、水戸市や日立市など県内各地で開かれた。
 
水戸市消防出初め式(主催=同市・同市消防本部・同市消防団) は午前九時半から、同市千波町の千波公園西側駐車場で開かれ、 式典の後、幼年消防クラブや婦人防火クラブの祝賀パレード、 消防団員などの分列行進などが行われた。また、 消防車両から千波湖に向けて一斉放水も披露され、 湖面に虹が架かった。
 
アトラクションでは、同市見和の見和めぐみ保育園の園児が和太鼓を演奏した。 このほか、消防車両の展示やはしご車などへの試乗体験なども行われた。

●一足早く観梅
水戸・偕楽園
来月二十日から第百八回「水戸の梅まつり」 が開かれる、水戸市常磐町の偕楽園には、早咲きの梅を楽しむ観梅客が訪れ、 園内を散策したり、カメラを構えて写真を撮ったりして梅を楽しんでいる。
 
水戸地方気象台によると、十一日の水戸の最低気温は氷点下〇・六度 (平年同二・二度)、最高気温は八・五度(平年九・〇度)。 晴天に恵まれたものの、風が冷たい一日だった。
 
百種・三千本の梅がある偕楽園では、早咲きの八重寒梅という種類が三分咲き程度。 冬枯れの景色に真っ赤な彩りを配している。


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