こちらのニュースはダイジェスト版です。詳しくは本紙をご覧下さい。
2004年2月29日
●不信募らせ非難合戦
合併相手先で揺れる御前山村
大宮地域か、それとも城北地方か―御前山村が、 合併相手をめぐって揺れている。長山安隆村長が一昨年七月、 合併の相手先を城北から大宮に変更。一旦は、 村議会も同意したが、常北町などを望む住民が反発し、 議会の同調で住民投票条例が成立した。合併をめぐる住民投票は県内で初。 きょう二十九日、投開票が行われる。政治的背景や、 戦いの状況などを探ってみた―。
 
◆実質村長選?◆
 
「これは実質的な村長選だよ。信任投票の側面もあり、 負ければ辞職があるかも知れない」。そう言うのは、 城北合併を目指す住民グループ、より良い合併を目指す御前山村民の会。 それだけ、互いに激しい非難合戦となった。
 
同会幹部は続ける。「長山村長自身が、一軒一軒を歩き、 『助けて欲しい』『大宮に○をつけてくれ』 『村道は直してあげるから』と涙を見せて歩いている。 村の補助金をもらう団体は、みんな向こうについているし…」 と。
 
一方、大宮地域五町村合併を実現する会。青木蔵男・元村議を代表に、 元村長、元議長や議員五人、商工会幹部など、 主だった役職の大物が並ぶ。村長選並みの布陣に、 青木代表は「向こうは、肩書きのある人が一人もいない」 と胸を張る。
 
組織と草の根の対決ながら、大宮派は村長別動隊とされるのを嫌う。 「今になって、住民投票を行う村、議会にも問題がある。 だからこそ、良識ある村民が立ち上がった」。 関係者は異口同音に、自らの立場をそう主張している。
 
◆混乱の背景◆
 
県内初の住民投票には、そこに至る大きな流れがあった。 長山村政はそもそも、常北町と桂村、七会村、 御前山の「城北地方」で、合併を進める方向だった。 県議選の選挙区は同じ東茨城郡北部。広域行政の多くを相互依存している。
 
合併への流れも、二〇〇一年七月に、城北四町村長勉強会がスタート。 翌年五月には正副議長も加わる。同年七月の常北町長選を待って、 具体論の検討に入るとし、当時の阿久津勝紀町長必勝を願い、 三村長らが応援に駆けつける場面も。
 
しかし、選挙は現職が接戦の末に敗れる。当選した三村孝信町長は、 ▽水戸との合併▽町外業者の発注見直し―などを公約。 城北合併からの二段階合併も、選択肢ではあったが、 選挙公約に御前山村の判断が揺れる。
 
結局、三村町政スタート直後、長山村長は議会に諮らず、 大宮地域との合併に大転換。住民投票に至る混乱の起源となる。 「常北町長選の結果が違っていれば…」。この一点では、 城北派と大宮派の見方が一致する。
 
◆不信感◆
 
村は、村長判断で合併先を変えた後、一昨年九月に村民アンケートを実施。 今回同様、十八歳以上が対象で、村の発表だと約七割が大宮、 約三割が城北を選んだとなっている。これが、 新たな不信の種となった。
 
というのも、大宮を選んだのは67・1%。村はこれを約七割とするが、 実数は一千三百十八人だった。回答総数の56・7%に過ぎない。 村の発表は、無回答の三百六十二人を除いた数字で、 「二重に上げ底」との不信感を呼んだ。
 
このため、アンケート自体の信用性に疑問を持つ声が。 「地理的歴史的に、城北派の多い伊勢畑地区を含め、 アンケートでは全地区、全ての年代で大宮が多いという。 そんなことはあり得ない」。城北派の目指す会幹部はそう強調する。
 
それだけに、村や大宮派は「前回のアンケートで、 七割の支持があった」としつつ、運動の手を抜くわけにはいかない。 条例の制約から、投票率60%未満の場合は開票しないが、 後ろ向きは逆転負けの危険も。村長選並みの運動を展開している。
 
◆利害得失◆
 
「大宮と合併すると市になる。町村より補助金が多い」 「大宮に総合病院ができる」。大宮派の主張はこの二点が中心。 「城北合併は、合併特例法期限に間に合わず、 財政上の有利な特典が受けられない」と城北派を批判する。
 
これに対し、城北派は「城北の先には水戸との合併がある」 「大宮は人口が減り、城北は人口が増える」 「合併しなくても、病院は利用できるし、赤字になれば地元負担になる約束」 「特例法の特典は延長される」などと反論。
 
さらに、「大宮の幹線は国道118号。御前山の生命線、 国道123号整備は、城北合併でないと進まない」 「水道料、介護保険料などは大宮が割高。将来は、 住民の負担増になりかねない」と追及する。
 
これに対し、大宮派は「水道料、介護保険料の調整は今後。 サービスは高く、負担は低くが合併の原則」 と反論。なかなか議論が噛み合わない。争点はあるのに、 見極めができないまま、今日はもう投票日を迎える。
 
◆先行き不透明◆
 
アンケート通り、村長の路線が圧勝するのか? それとも、 歴史ある城北が人気を回復するのか? いずれが勝つにしても、 圧勝か接戦かによって、後の政治判断に微妙な影を落としそうだ。
 
大宮派が勝てば、小差でも三月八日に合併調印の運び。 既に、段取りはすんでおり、十月十六日の合併が本決まりになる。 城北派が勝った場合、大差をつければ、再度の方向転換となる可能性が高い。
 
問題は、城北派がごく小差で勝った場合。条例は、 結果尊重を求めつつ、法的拘束力はない。村長が、 民意を厳粛に受け止め、城北に舵を取り直すのか? それとも、 小差を理由に「高度な政治判断」で、大宮を選択するのかはまだ判らない。
 
さらに、投票率が60%を割っても問題が残る。 村側は、「大宮合併の流れに戻る」とするが、 条例の付帯条項はそれを否定。この結末で、 八日の調印に進めば、政治的騒動につながりかねない。 火種になりそうな部分と言える。
 
このためか、村側や大宮派は「城北三町村が、 『御前山との合併を付議しない』と言っている。 孤立してしまいかねない」などと城北派をけん制。 城北派も「村が付議しないように頼んだ。柔軟に対応してもらえるはず」 と訴える。

●外出後の足取り依然不明
美浦の女子大生殺害から1カ月
美浦村舟子の清明川で、阿見町阿見、茨城大学農学部二年、 原田実里さんが他殺体で見つかった事件は、 二十八日で遺体発見から一カ月。江戸崎署捜査本部はこれまでに延べ二千五百五十人の捜査員を動員し、 遺体遺棄現場周辺や原田さんのアパート周辺の聞き込みのほか、 原田さんの交友関係から事情聴取などを行っている。 しかし、原田さんが外出した後の足取りや殺害現場の特定もできず、 有力な手掛かりは得られていない。
 
捜査本部の調べによると、原田さんは一月三十日午後九時ごろから、 友人の男子学生と自宅アパートで飲食。友人はうたた寝をし、 三十一日午前零時ごろ、原田さんが外出したのを見たという。
 
原田さんは三十一日朝、自宅アパートから約六キロ離れた清明川河口で、 水面に浮いている状態で発見された。司法解剖の結果、 死因は首を絞められたことによる窒息死。のどや胸など上半身には、 刃物による深い切り傷があった。
 
原田さんが日常使っているコンタクトレンズや眼鏡、 携帯電話などは室内に残されていた。また、 原田さんが友人の男子学生あてに書いたとみられる 「外出する」との走り書きもあった。
 
事件後不明だった原田さんの自転車は、遺体発見現場から約八キロ離れた土浦市小岩田西の空き地に放置されているのが見つかった。 原田さんは視力が低く、裸眼で深夜に自転車で出掛けるのは不自然。 自転車は犯人が運んだかどうかは謎だ。
 
捜査本部にはこれまでに六十三件の情報が寄せられた。 主に遺体発見現場周辺での不審車両目撃情報だが、 車種の特定には至っていない。
 
原田さんは大学でトライアスロンクラブに所属していた。 友人らによると、明るい性格のため、友人は多いという。 捜査本部では今後も八十人態勢で、大学やサークル、 元のアルバイト先など交友関係を中心に捜査を進めていく方針だ。

●パネル巡回展始まる
「霞ケ浦の原風景を考える」−東町−
創刊五十五周年を記念した常陽新聞新社主催の 「霞ケ浦の原風景を考える」パネル巡回展が二十八日、 東町西代のSCパルナで始まった。三月七日まで。
 
同パネル展は、昭和三十年代から五十年代にかけて、 霞ケ浦沿岸の人々の暮らしや湖岸の様子を撮影した約三十枚の写真を全紙大のパネルで紹介。 古きよき時代の霞ケ浦を見直し、人と湖との共生を考えようと企画された。
 
パネル展会場では「珍しい写真だ。昔の暮らしぶりを思い出した。 若い人には信じられないだろうが、みんな貧しく同じように生活していた」と、同町で農業を営む男性。 多くの人が懐かしそうにパネルに見入っていた。
 
次回のパネル展は、美浦村受領の村中央公民館で三月十三日から二十一日まで。
 
本社ではパネル展に合わせ、霞ケ浦の原風景を今に伝える写真を募集している。 電話029・821・1780(古写真募集係) まで。

県民大学「大みか校舎」開設
茨キリ大と県教委が覚書
県教育委員会と茨城キリスト教大学(日立市)は二十八日までに、 県民大学「大みか校舎」開設のため、川俣勝慶県教育長と瀧野修学長が覚書を交わした。 県教委の県民講座の拡大と、地域との連携を図りたい大学側の思惑が一致。 講座室などを利用して、同大教授らが講師を務める。 二〇〇四年度は前・後期合わせて十講座が予定されている。
 
県北教育事務所管内の県民に、茨城キリスト教大学の学習資源を活用し、 生涯学習の機会を提供することが狙い。同大には、 文化交流学科、現代英語学科、児童教育学科のある文学部をはじめ、 〇〇年度に生活科学部、今年四月からは看護学科が開設される。 連携による県民講座の充実が期待される。
 
〇四年度の予定は、前期五、後期五の計十講座・百五十時間。 「社会・教育・福祉」「環境・健康」「産業・技術・科学」 「国際関係学」「ステップアップ」の各コースで、 例えば、楽しい英会話や子育て、看護について知るなど。 受講料は十時間で三千円、二十時間で五千円。
 
開講に当たっては、大学側が講座室などの施設・設備を無償提供し、 県教委は講師謝金などの予算措置をする。講座内容は大学と協議し、 同大教授を優先して講師に採用する。

●警察と金融機関が連携
HAT腕章着用し業務−鉾田署−
鉾田署(塩原仁署長)は、警察と民間が連携した犯罪の抑制を目指し、 HAT腕章の着用を、管内の金融機関に依頼。 茨城銀行鉾田支店(松本昭弘支店長、鉾田町鉾田) が賛同し、腕章を着用して業務が始まった。 腕章は署員や各種団体でつくる「安全安心まちづくり協議会」 会員が着用している。職員らは店内のほか外回りの際にも着用し、 防犯パトロールも兼ねる。
 
また管内の金融機関、郵便局が加入する鉾田地区金融機関防犯連絡協議会 (会長・国府田義章常陽銀行鉾田支店長)でも、 三月上旬までに、百人以上の職員が同腕章を着用し業務にあたることが決まり、 管内で官民連携の防犯意識が高まっている。
 
HATは、同署が管轄する鉾田・旭・玉造の頭文字。 塩原署長が同協議会に腕章着用を依頼したところ、 以前から同署と協力、日常的に防犯パトロールを実施していた茨城銀行の松本支店長が率先して賛同した。
 
着用するのは店内業務のほか外回りも担当する男性職員ら十四人。 営業先近くなどに設置された、同署管内の警ら箱 「HATボックス」内の巡回記録用紙のチェックも行う。 腕章は同署が認証する人物のみが着用することとなり、 全てナンバーが記されている。
 
職員らは住民から「警察関係の方ですか」と声を掛けられる場合もあるが、 理由を聞くと激励されるという。 松本支店長は 「警察との連携を示す腕章の着用で、喫煙を注意された高校生らも素直に従ってくれる。 今後も地域に合った安全な街づくりに貢献したい」 と力を込める。
 
塩原署長は「茨城銀行の協力には感謝している。 自分たちの街は自分で守るという意識が大切。 腕章着用の浸透や、この輪の広がりに期待したい」 と話している。


headlinenews

このページのTOPへHOME