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2004年3月21日
●調整区域内の住宅建築に道
水戸市が独自条例、来月施行
市街化調整区域にも一定の要件を満たせば誰でも住宅を建築できるようにするため、 水戸市議会は今月九日、議員提案による「市街化調整区域に係る開発行為の許可基準に関する条例」 を可決、四月一日から施行される。この種の条例が議員提案で可決されるのは異例だが、 市都市計画部は施行に向け、規則や運用基準の策定作業を急ピッチで進めているものの、 準備不足は否めない状況。新年度予算には検討の費用を計上しており、 いったんは施行した上で制度の見直しを進める方針だ。
 
◆既存宅地廃止
 
市街化調整区域内は市街化が抑制されているため、 原則として住宅などを建設することはできない。 都市計画法では集落の出身者などに例外的に認めているほか、 県は同一の小学校区内に十年以上居住しているケースでは開発行為を許可するなど、 属人的な要件があれば認められている。
 
例外だったのが既存宅地制度。一九七一年三月以前に宅地として利用されていた土地は既得権として、 調整区域内であっても市街化区域内の宅地として取り扱われてきた。
 しかし、〇一年五月十八日施行の都市計画法改正で、 既存宅地制度が廃止された。県は激変緩和措置として三年間の経過措置を設け、 今年に入ってさらに二年間延長。〇六年五月までは暫定的に既存宅地制度が継続される。
 
◆法改正で道
 
昨年九月の定例市議会で、高橋靖氏が市街化調整区域内の開発許可の問題を取り上げた。 既存宅地制度の廃止を踏まえ、市独自の条例制定を求めた。
 
市街化区域に隣接をする市街化調整区域については、 条例で区域指定をするなどの手法で規制を緩和できる制度が導入された。 集落の人口減少に配慮したもので、県は〇二年四月に施行した県条例で、 一定の基準を満たす場合、市町村長の申し出により県開発審査会などの答申を経て区域を指定し、 調整区域内の開発行為を許可する制度を設けた。
 
高橋氏は県都であり、県内唯一の特例市として、 「自らのまちづくりに関する条例を持たず、 県の条例に準ずるという姿勢は認められない」 と独自の条例を求めた。
 
これに対し、片山耕治都市計画部長は〇二年度に区域指定の検討のための基礎調査を完了していることを示し、 「本市の将来の土地利用のあり方や市民の資産保全等にも十分留意をしながら慎重に対応する必要があると考えており、 今後、こうした考え方に基づき、既に実施した基礎調査の結果や、 県が平成十四年度に施行した条例を踏まえ、 地域のまちづくり意向や学識経験者の意見をうかがうなど、 広く意見をいただきながら方針を決定していく予定」 と答弁した。
 
◆業を煮やした?
 
議会側は昨年十二月定例議会でも市の対応に不満を募らせた。 調整区域の容積率・建ぺい率を準工業地域並みにするとともに、 建築物の高さ制限の指定などを行う建築基準条例の改正案の審議で、 都市建設委員会では「調整区域の建築規制がさらに強化されるのではないか」 との意見が出された。
 
さらに「市街化調整区域の開発規制に関する条例については、 議員による提案の検討もあわせて行うべきである」 との強硬な意見があったという。
 
この流れに乗って、三月定例市議会冒頭で議員提案による条例が圧倒的多数の賛成で可決された。
 
◆県内初の独自条例
 
可決された条例では(1)市街化区域からおおむね一キロ以内(2)建築物の敷地相互の間隔が七十メートル未満で四十以上の建物が連たん(3)区域の道路が適当(4)排水施設が適当(5)配水施設が適当―などを満たす場合、 個人の住宅や店舗兼住宅、小規模な店舗などに限定して開発行為を認める。 県内市町村でこうした条例を制定するのは初めてだ。
 
県条例は図示する区域指定の方式だが、同市は文言指定とした。
 
昨年十月に同様の制度をスタートさせた宇都宮市は(1)五十戸以上が五十メートル以内で連たん(2)幅員六メートル以上の道路に接続(3)下水道施設等が配置(4)給水施設が配置―が条件。 文言指定ながら、市街化区域から一キロの要件にはこだわらず、 それ以外の基準をやや厳しくした。
 
◆需要は未知数
 
県は区域指定の場合、最初に線引きを行う際には利害調整を図るのが難しいものの、 決まれば運用しやすいため、市町村には区域指定が望ましいとアドバイス。 文言指定は条例化は簡単だが、実際の運用では個々のケースで判断しなければならないため、 かなり事務が煩雑で難しいものになりやすい。
 
県条例に基づいて、昨年、鹿嶋市(五地区、 二百三十九・五ヘクタール)と霞ケ浦町(十二地区、 四百九十一・七ヘクタール)の二市町が区域の指定を行っている。 指定区域であれば、誰でも開発行為の許可を得ることができるが、 県都市計画課によると、実際の許可件数は少ないという。 県都である水戸市の場合は二市町とは状況は異なるとみられるが、 需要が冷え込んでいる時期だけに、実際にどれだけ利用されるかは未知数だ。
 
市は「建てる側が分かりやすいため、対象区域は図示することが望ましい」 との立場。四月から施行される規則と運用基準では間に合わないが、 〇四年度に検討を進める。図示する場合には条例の改正が必要となるため、 議会とも調整して理解を求める方針。

●「行政、民間の協働必要」
下館地域の合併問題でシンポ
広域合併を広く民間レベルで考え合い、新市の地域づくりを展望する下館・同友クラブ(林広明会長)の 「講演会&パネルディスカッション」が十九日夜、下館市玉戸の三の丸ダイヤモンドホールで開かれ、 約百人が参加した。
 
前半では、県市町村合併推進委員長を務め、 県内の合併問題に詳しい佐藤守弘常磐大学教授が 「新市の近未来像」と題して講演。合併が不可避な今日、 地域の各団体が行政と協働して地域づくりに取り組む必要性を訴えた。
 
佐藤氏は合併に向けたキーワードに地・史・人を挙げ、 「この三つをどう生かすかが問われる。地域に根付く歴史や伝統を新市全体に調和させ、 よそにはないアイデンティティーを創造してほしい」 と提起した。
 
後半では、佐藤氏がコーディネーターとなり、 「広域合併に向けて・夢と現状」のテーマでパネル討論。 ▽坂入賢樹氏(下館青年会議所理事長)▽仁平正巳氏 (明野町・ゴールデンクラブ会長)▽横島正利氏 (関城町・どすこいペア元実行委員長)▽武田勝義氏 (協和町商工会青年部前部長)▽林・同友クラブ会長│のパネリスト五人が意見を交わした。
 
坂入氏は「青年会議所は二十六年前に発足以来、 合併問題に取り組んできた。理想の枠組みは筑西広域圏」 と本音をのぞかせ、「合併は住民本位で進められるべき。 行政主導の法定協に住民の意見がもっと届く仕組みがほしい」 と訴えた。
 
仁平氏は「合併で旧自治体が同じように発展するのは困難。 各地域が機能分担し、三十年後は桜川市(岩瀬・真壁・大和の三町村合併) を巻き込み、つくばエクスプレスを下館に延伸させたい」 と複雑な心境を述べた。
 
横島氏は「つくば市のような近代都市ではなく、 田舎の持ち味を発揮した田園都市をつくろう。 地区対立をあおるのではなく、地域団体同士の交流を」 と意見。武田氏は「行政主導の合併協とは別に、 地域団体によるすり合わせが大事」と述べた。
 
林会長は「合併は行政だけで進められるものではない。 こうした形で積極的に住民同士が話し合える場をつくりたい」と意義を強調。 佐藤氏も「合併は万能ではない。生まれいずる悩みもある。 互いに痛みも分かち合い、行政と民間が協働して子孫に残せる基盤づくりを」とまとめた。
 
同友クラブは下館市の経済関係団体で、同市や周辺の会員約百三十人で構成。 業種間交流や親ぼくなどに力を入れ、青年会議所とともに早くから筑西地域の合併を視野に、 アンケート調査の実施やシンボルの看板を設置するなど独自の取り組みをしてきた。

●スイセンファンタジー開幕
雨の中、家族連れなど来園−ひたち海浜公園−
国営ひたち海浜公園(ひたちなか市馬渡)で恒例の 「スイセンファンタジー」が二十日、開幕した。 みぞれ混じりの雨で冬を思わせる寒さだったが、 早咲きのスイセンを一目見ようと家族連れなどが足を運んだ。
 
国内の都市公園では最大規模のスイセンの祭典。 一万平方メートルの広大なスイセンガーデンには、 世界各国から集めた三百十六種百万本のスイセンが咲く。 ピーク時には、黄や白色の花じゅうたんの景観をつくる。
 
今は、早咲きの「フェブラリーゴールド」 などが中心。スイセンを自分のカメラに収めたり、 来園の思い出にしようとスイセンをバックに記念撮影をする人たちの姿が見られた。
 
同公園管理センターによると、開花は例年に比べ一週間早く、見ごろは今月末ごろという。 期間中は絵手紙教室をはじめ、はなの万華鏡やスイセンキャンドルなどものづくり教室、 多彩なイベントが開かれる。
 
二十七日からは初のライトアップも行われ、 昼間とは違ったスイセンの表情が楽しめる。 会期は四月十八日まで。問い合わせは、ひたち海浜公園管理センター (電話029・265・9001)まで。

小規模特認校導入を
小学校統廃合問題で指針−つくば市−
つくば市の小中学校の統廃合問題など、適正規模、 適正配置について検討を進めてきた「市教育問題懇話会」 (座長・清水一彦筑波大学教育学系教授)は二十日までに意見書をまとめ、 藤井伸二教育長に答申した。一学級の望ましい生徒数について、 二十五人から三十人と基準を示したほか、小学校統廃合の方向性について、 通学区域制度の弾力的運用により、通学区域にかかわりなく入学できる 「小規模特認校」の導入などを検討するように求めた。
 
市教育委員会では、二〇〇四年度に学区審議会を設置し、 小学校の統廃合問題について具体的に検討を進める方針で、 今回提出された意見書はその指針となる。
 
同市には小学校が三十九校、中学校が十四校ある。 特に小学校は、中心地区と周辺地区で生徒数に大きな開きがあるのが課題。 全校生徒数七百二十人を超えている大規模校が三校あるのに対し、 周辺地区では五十人に満たない学校が三校ある。 一方、つくばエクスプレスが来年秋に開通することから、 沿線地区の人口増加にどう対応するかも課題だ。
 
意見書はまず、小中学校のあるべき適正規模について(1)一校当たり十二〜十八学級(2)一学級は二十五〜三十人が望ましいとし、 さらに最小限の学校規模についても、小学校は一学年一学級、 中学校は一学年二学級を下限とするのが望ましいとの基準を示した。
 
その上で、今後、小学校を対象に統廃合を検討するとし、 検討に当たっては、小規模校の特性を生かす方向で再編を進めるよう方向性を示している。 具体的には、小規模特認校の導入、通学区域の変更、 ブロック単位の広域学区化などを行うよう求めている。
 
小規模特認校は、一九九七年に文部科学省が示した通学区域の弾力的運用例で、 自然環境に恵まれた小規模の学校で、心身の健康増進を図り、 豊かな人間性を育てたいという希望を踏まえ、 市内に住んでいる児童が通学区域にかかわりなく、 入学申し込みができる制度。新しい学校教育の在り方として注目されている。

●「生きた化石」59点展示
アクアワールド・大洗で開幕
「アクアワールド・大洗」(大洗町磯浜、瀬尾宗二館長) で二十日、六回目となる企画展「生きた化石を探る―古代からの使者」 が開幕した。会期は五月五日まで。
 
「生きた化石」という言葉は、進化論で有名なイギリスの博物学者、 チャールス・ダーウィンによって初めて使われた。 地球誕生が四十六億年前、生命の誕生が約四十億年前。 この間、生物たちは気の遠くなるような時間を費やしてさまざまに進化。 この長い進化の歴史で、太古の昔からその姿や形を変えずに細々と生き続ける生物が 「生きた化石」と呼ばれ、同展はその中でも主となるシーラカンスやカブトガニなどにスポットを当てている。
 
会場には、はく製や標本、化石など三十六種五十九点を展示。 これに合わせ、パネルでわかりやすく解説。 特にシーラカンスはうろこを使ったレプリカや最大級とされる魚拓、 臓器などの標本があり、その生態を映像でも紹介。 タッチングコーナーも設け、カブトガニの生体やアンモナイト類の化石などに触れられる。
 
このほか、先月に大洗沖水深約五百メートルで初めて捕獲されたというクロテングギンザメ二匹も展示。
 
また、同展に関連して、四月一日から、シーラカンスロボットの遊泳が見られる展示も開催。 これは日本財団助成事業によるもので、本物そっくりにひれを動かして泳ぐロボットの姿が、 一日三回楽しめる。
 
問い合わせは、アクアワールド・大洗普及課 (電話029・267・5151)まで。


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