こちらのニュースはダイジェスト版です。詳しくは本紙をご覧下さい。
2004年4月4日
●未来の宇宙飛行士、夢膨らませ
筑波宇宙センターコズミックカレッジ
宇宙航空研究開発機構(JAXA)と日本宇宙少年団(YAC)主催の「二〇〇四年春期コズミックカレッジ・ファンダメンタルコース」が三月下旬、つくば市千現二丁目の筑波宇宙センターで開かれた。コズミックカレッジは、将来宇宙分野を目指す人材を育成しようと一九九七年に始まった宇宙教育プログラム。当日は、県外からの参加を含む小学五年―中学二年の約五十人が、宇宙に関するさまざまな講義や実験、宇宙飛行士との交流を通して宇宙について学び、楽しみながら理解を深めた。

◆コズミックカレッジ
 
「宇宙という未知の世界について学ぶことで、未来への夢と好奇心を持った子供たちを育てたい」
 
JAXAの狙いに応えるかのように、宇宙への興味、関心でいっぱいの子供たちが筑波宇宙センターに集まった。
 
コズミックカレッジでは現在、小学一年―四年対象のキッズコース(入門)、ファンダメンタルコース(初級)、より進んだ内容で小学六年―中学三年対象のアドバンストコース(中級)を設定している。
 
今回のファンダメンタルコースは、子供たちがより気軽に参加できるよう、従来の宿泊・通学形式から日帰り一日コースへと変更して初の開催。過去の実績、経験を生かしつつ新たな要素を盛り込んだカリキュラムは、宇宙開発、宇宙科学の各分野をバランスよく学習できる内容だ。
 YACの入江洋司理事は「現在実施している各コースに加え、高校生や大学生向けの上級コースを設ける構想がある。将来の宇宙産業の発展につながるような体制を作っていければ」と、カレッジの今後を展望する。

◆楽しく学ぶ、魅力的な授業
 
開講とともに子供たちは八つのグループに分かれ、ゲーム感覚で自己紹介。これから一緒に勉強していく仲間たちと教室の雰囲気にも慣れたところで、待ちに待った授業に移る。
 
大気の有無による環境の違いを学習する「宇宙のかんきょう」では、中が真空になった一斗缶が外の空気に押しつぶされ、ひとりでにへこんでいく様子に子供たちは興味深げ。
 
「ロケットのしくみ」では、ペットボトルにアルコール蒸気と酸素を詰め着火、勢いよく発射する様子を目の当たりにするなど、実験から酸素の助燃性、混合気体の爆発の威力などを学んだ。
 
「探査機にチャレンジ」は三人ごとのチームに分かれての授業。電池とモーターで動く探査機の模型を作ってコースを走らせ、規定秒数にいかに近づけるかを競った。
 
「地球をさぐる」では、一握りほどの砂の中から、自分の歳の数だけ星砂を探し出すことに挑戦。「星砂は、実は有孔虫という生物の死がいである」と教えられると、子供たちからは「えーっ」と驚きの声が。
 
星砂は空気中の二酸化炭素で殻を作ること、地球上の二酸化炭素の量を調節する働きを持つこと、地球の環境を支える大切な一員であることなどを理解した。

◆宇宙飛行士との交流
 
室内での授業の後は、筑波宇宙センターの施設内を見学。宇宙ステーションの運用棟や試験棟、展示してある宇宙服などを見て回る子供たちの表情は真剣そのもので、ガイドの説明にも熱心に耳を傾けていた。
 
プログラムの最後は、いよいよ宇宙飛行士の星出彰彦さんと交流。あこがれの宇宙飛行士が姿を現すと、会場からは拍手と歓声が沸き起こった。
 
「どんな訓練をしているんですか?」「どうして宇宙飛行士になろうとしたんですか?」「気になる宇宙食は?」「宇宙へ行く前の気持ちはどんな感じですか?」など、子供たちの質問は尽きることなく続く。
 
「今は勉強中なので、宇宙に行けるという期待以上に『頑張らなければ』という気持ちの方が強い。先輩たちのようになるため、一生懸命訓練しているところ」
 
子供たちは目を輝かせながら、星出さんの話にどんどん引き込まれていく。

◆きっかけ作り
 
楽しかった一日を振り返り、東京都から来た新中学一年、白石遥さんは「参加したのは、もともと宇宙に興味があったから。ロケットの燃料の仕組みなどが分かり、とても勉強になった。星出さんに会えたことが一番の思い出」と笑顔。
 
伊奈町から参加の新中学一年、小林健司君は「探査機の模型を使ったタイムレースと、星砂探しが面白かった。星出さんにいろいろ質問できたこともよかった。今まで以上に宇宙に興味を持てた」と満足げに答えた。
 
すべてのプログラムを終えた子供たちからは、これまでより宇宙について詳しくなった自信と、貴重な時間を過ごした充実感がうかがえる。
 
星出さんは「コズミックカレッジは『きっかけ作り』だと思っている。実際に宇宙開発に携わっている人から話を聞くなどし、宇宙や、宇宙にかかわるすべてのことに興味を持ってもらうきっかけになれば」と話し、未来の宇宙開発を担う子供たちに期待を寄せた。

●筑波山に春の訪れ
北側中腹でカタクリが開花
筑波山北側の中腹で、自然のまま群生するカタクリがかれんな花をつけ始めた。芽吹きの時期、落葉樹林の斜面にうつむきかげんに紅紫色の小さな花を咲かせる。筑波山には山頂と中腹に群生地があり、平地に比べ、小ぶりなのが特長だ。
 
真壁町側の筑波高原キャンプ場付近などの群生地ではハイカーらが、このところの温かさでまばらに開花し始めたカタクリやキクザキイチゲなどの山野草を楽しんでいる。
 
頂上には二ヘクタールの敷地に三万株のカタクリが群生する。場所はロープウエーとケーブルカー山頂駅の間で、女体山側。自然研究路などでも見られる。こちらも開花時期を迎えつつある。
 
二十日までは「カタクリの花まつり」を開催中で、鑑賞遊歩道を開放している。日曜日にはガマの油売り口上や甘酒サービス(先着百人)もある。

●「石屋のトマト」で産地活性化
高糖度で商品化に成功−笠間と岩瀬の石材業者
捨てればただの産業廃棄物だった石材スラッジを再利用して、画期的な高糖度の水耕トマトが生まれた。その名も「いしやのトマト」。笠間市と岩瀬町の石材業者らが組合をつくり、共同で研究開発に取り組んだ。二日、同町の実験ハウスで石屋が作ったトマトが初めて収穫され、その成果が報道関係者に公開された。長期不況や中国産石材の流入などで疲弊する石材産地の救世主となるか?
 
石材スラッジの粉を再利用して、高糖度のトマト栽培に成功したのは、御影石の産地として全国に知られる笠間市稲田や岩瀬町羽黒の石材業者ら十人で作る「いしやのトマト組合」(長谷川正一組合長)。
 
石材業の活性化やイメージアップを図ろうと、昨年組合を結成。県の支援や指導を受けながら、施設園芸の水耕栽培システムで、付加価値の高いトマト栽培に取り組み、岩瀬町猿田の実験プラントハウスでトマト約七百株を栽培した。
 
約半年かけて育てられた「いしやのトマト」は、実が固く引き締まり、やや小粒ながらも甘さはふつうのトマトの三倍と群を抜く。収穫時期が限られるほか、コストの軽減など課題は残るものの、すでにレストランなどから引き合いがあるという。
    ◇
石材スラッジは、石材の研磨や加工の過程で大量出る石のごみ。環境破壊への懸念から業者に処理が義務付けられ、これにかかる経費負担も大きいことから、各石材産地ではリサイクル化に向けた取り組みが続けられている。
 
これまでに舗道用のレンガやコンクリートの混和剤、土壌改良剤などに使われ、地元・笠間焼きの釉薬(ゆうやく)に使う研究開発も進められている。今回、水耕方式を利用したトマト栽培に使われている粒状培土もその一つ。
 
水耕栽培によるこの生産システムでは、石材スラッジの研磨粉を細かく砕き、これに一割の粘土を混ぜて、素焼きにした粒状培土を使うことで、トマトの持つ特性をうまく引き出して、ふつうのトマトより三倍も高い糖度(一一度)を実現した。
    ◇
粒状培土は、真壁町の石材業者などが農業資材として模索してきた経緯があるが、水耕栽培で高糖度トマトを生産したのは初めて。同組合では水耕栽培でバラの栽培にも成功、ピーマン、ナス、キュウリなどにも十分に応用できるという。
 
長谷川組合長は「石屋がトマトというと驚かれるかもしれないが、御影石や笠間焼きの産地特性を十分に生かした。廃液が出ず、粒状培土は何度でもリサイクルできる。捨てるところのない環境に易しい栽培方法なので、新しい特産物として販路を開拓したい」と意欲を見せている。

●新機関車が出発
創立35周年で鹿島臨海鉄道
鹿島臨海鉄道(金田好生社長)の創立三十五周年記念式典がこのほど、鹿島郡神栖町の神栖駅構内で開かれ、セレモニーとして更新した新型機関車の出発式が行われた。
 
同社は一九六九年四月、県などが出資する第三セクター方式の鉄道として創立。翌七〇年から貨物営業を開始し、成田空港へのジェット燃料輸送などに貢献。機関車も五両に増備して運行してきた。
 
現在は、県都・水戸市と鹿島臨海工業地帯など鹿島灘沿線を結ぶ人とモノの貴重な公共輸送手段として、ワールドカップ(W杯)後はカシマサッカースタジアムに足を運ぶサッカーファンの鉄道として全国的に有名。
 
新型機関車(KRD64―1号機)の出発式には、長嶺家光副社長らが出席。社員を前に、「これからも全社員一丸となって、『地域の鉄道』に撤し、沿線住民の方々に愛される鉄道を作りあげていこう」と訓示し、テープカットを行った。
 
同社によると、昨年度の貨物輸送量は三十万九千トンに上り、輸送量が三十万トンを超えたのは実に十九年ぶり。三両ある機関車は、新製後すでに三十五年が経過。老朽化が著しいため、一両だけを更新したという。

●中高生36人に修了証書
守谷で訪問介護員の養成講習
守谷市本町の市保健センターで三日、市社会福祉協議会が市内の中高校生を対象に実施したホームヘルパー(訪問介護員)養成講習会の修了式があった。
 
講習会は市社協が社会福祉法人化され、三十周年を迎えたのを記念して実施された。生徒らにボランティア精神や介護技術などを学んでもらうのが狙いだ。
 
講習会には中学生二十四人、高校生十二人が参加し、一月からこれまでに十二日間、計五十七時間にわたって開かれた。
 
内容は県訪問介護員養成研修実施要綱に基づく三級過程研修。福祉施設関係者らを講師に迎え、高齢者福祉制度や介護技術を学んだ。
 
さらにホームヘルパーとの同行訪問、ディサービスセンターやグループホームの施設実習などにも取り組んだ。
 
市社協会長の会田真一市長は「今回の経験を生かし、地域でお年寄りや困った人たちがいたら、注意深く見てほしい。このような輪が大きく広がっていくことを期待する」とあいさつ。受講生一人ひとりに修了証明書と記念品を手渡した。
 
受講生を代表して、東洋女子高三年の富田早香さんは「お年寄りに『ありがとう』とお礼を言われたのが、何よりもうれしかった。良い経験になった」と語った。
 
市社協によると、中高校生を対象にしたホームヘルパー養成講習会の実施は県内で初めて。会田市長は「講習会は今回一回だけの予定だったが、今後も毎年実施していく」とした。


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