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2004年6月18日
●逆水門柔軟運用で経済効果試算
漁獲量2万7,630トン、年間308億円の利益増
霞ケ浦の水質改善や生態系問題克服のカギを握るとみられる逆水門を柔軟に運用し、併せて、湖岸でのアシやヨシなどの植生帯復元事業を継続実施した場合の経済効果を試算した、UFJ総合研究所と京都大学大学院地球環境学舎は十七日までに、ウナギ、ワカサギなどの水産資源が一九七〇年前後に回復したと仮定、長期的に漁獲量で年間二万七千六百三十トン増、生産高で年間三百八億円の利潤増が期待できるとする調査結果をまとめ、記者発表した。有道昌彦氏(UFJ総合研究所研究員)が七月十日、茨城大学農学部で講演、報告する。

調査は霞ケ浦、北浦について、ウナギ、ワカサギ、シラウオなどの水産資源量が回復し、六〇年代後半ごろの漁業操業レベルが回復した場合を想定して経済的効果を試算。六八年に始まった霞ケ浦総合開発事業に伴い、逆水門操作による淡水化や、コンクリート湖岸堤建設などで失った「開発の代償」としての漁業経済を算出。

同時に、NPO法人「アサザ基金」(飯島博代表)が取り組むアサザプロジェクトのうち、九七年から提唱している逆水門の柔軟運用と、湖岸で繰り広げる植生帯復元事業の有効性についても検証した。

調査対象はウナギ、ワカサギ、シラウオ、スズキ、ハゼ、エビ、イサザアミ、ヤマトシジミの八種類。

これら資源と漁獲が回復し、現在の漁法・技術で、開発事業開始以前のレベルまで操業実績が戻った場合を仮定し、現在の市場価格での取引による経済規模を算出した。

結果、長期的に年間約三万トンの漁獲量が見込まれ、年生産額で三百六十八億円余り、経費を差し引いた年間利潤は三百二十三億五千万円に達し、現在の年間利潤十五億八千万円の二十倍以上というシュミレーション結果が出た。

また、逆水門の柔軟運用と、湖岸植生帯復元事業それぞれについて、開発で影響を受けた魚種が回復した場合の漁獲量増についても試算。

逆水門の柔軟運用の最大効果として、ハゼ、イサザアミ、ウナギなどについて合計、年間約一万七千トン、百九十三億円の生産増が期待できるとし、植生帯復元事業でもエビ、ワカサギ、シラウオについて、最大効果として、年間一万トン余り、百五十億円近くの生産増が期待できるとしている。

調査ではこの他、漁獲に伴うリンや窒素の回収や、水質改善で底泥しゅんせつなど水質保全に要する事業予算の削減、ヤマトシジミによる環境浄化作用、工業用水の農業用水転売による企業負担の減なども波及効果として指摘している。

記者会見した有道研究員は、今後さらに市場分析を含めたシュミレーションや、経済波及効果について試算を深める必要があるとしている。また、アサザ基金では、これら試算結果の詳細をホームページ上で公開し、各方面からの批判的な検証や評価、情報交換を期待している。

第八回アサザプロジェクト公開講座(NPO法人アサザ基金主催)が七月十日午後二時から、阿見町中央三丁目の茨城大学農学部こぶし会館で開かれる。参加費五百円。(資料代ほか)

講師にUFJ総合研究所の有道正彦研究員を招き、「逆水門の柔軟運用による経済効果」のテーマで講演する。また同基金事務局の菊池玲奈さんが、逆水門の運用経緯や、同基金で提唱している柔軟運用について話題提供する。

講師の有道氏は京都大学大学院農学研究科博士課程修了。漁業経済学、環境経済学、計量経済学、農業経済学が専門。講演では逆水門の柔軟運用で霞ケ浦にどういった経済効果がもたらされるのか、実際の評価、試算に基づき報告する。

参加申し込み、問い合わせはアサザ基金(029・871・7166)まで。

●TX守谷駅前整備
中核に複合娯楽施設
来年秋に開業予定のつくばエクスプレス(TX)の守谷駅前整備で、商業地区の中核施設には、映画館の集合体を中心とした大型複合娯楽施設のシネプレックスを計画していることが十七日分かった。地権者から土地利用の依頼を受けた民間コンサルタントは、地権者の同意取り付けに入っている。同意が得られれば、大手事業者が施設を建設し、開業に合わせて施設のオープンを目指す考えだ。

TX守谷駅前では市が一九九五年から約三十九ヘクタールの土地区画整理事業を実施している。TXは守谷駅で関東鉄道常総線と交差する。駅前の土地利用計画では、TXと常総線に四分割されたエリアに商業、住宅施設などを中心に配置する。

このうちシネプレックスを計画している地区は、西口駅前広場と国道294号に挟まれた商業地区の通称B2街区。同街区の面積は約一万一千四百平方メートル。

商業地区は駅を挟んで北側に四街区、南側に二街区あり、全体で約四万七千七百平方メートル。シネプレックスの計画地は六街区のうち最大面積で、駅前まちづくりの中核として位置付けられている。

同街区には土地区画整理事業で減歩された用地の地権者が十一人いる。土地区画整理事業地内にある商業地区の施設建設計画は、地権者主導で実施することになっている。

計画しているシネプレックスは複数の映画館があるほか、他の娯楽施設なども予定。施設は五階か六階建てで、立体駐車場が併設される。地権者の同意が得られれば、借地方式で大手不動産などが施設を建設する予定だ。

現在のところ、駅前の商業地区にはシネプレックスの計画以外では、西口駅前広場に隣接する通称B1街区で地元銀行の出店が予定されている。他の具体的計画はない。

市では「大型商業施設は、国道294号や常総ふれあい道路沿いの立地意向が多く、駅前地区の立地は厳しい状況」としている。

●NPO法人「つむぎつくば」発足
新たな産官学金融連携目指す
来年秋のつくばエクスプレス(TX)開通をにらんで、東京のマーケットとつくばの研究成果を結びつけ、新たな産官学金融連携のコミュニティーをつくろうというNPO法人が十七日、つくばで発足した。「つむぎつくば」(理事長・高木英明筑波大前副学長)で、高木前副学長のほか、前県商工労働部長で現在、経済産業省官房付の滝本徹さん、スカイスターファイナンスマネジメントの山中唯義社長が呼び掛けた。これまでの産官学連携がつくば地域だけにとどまっていたのに対し、東京のマーケットにつくばの研究成果をデビューさせることを目指す。

つくばは研究機関が集積している一方、産業力が弱く、これまで、研究成果が効果的に新産業形成に結び付かなかったなどから、TX開通による新たなまちづくりをチャンスととらえた。

「つむぎつくば」では、つくばの研究成果を活用して、新産業創出やまちの活性化を目指す個人、グループ、組織などを結び付ける場を提供するほか、新しいまちづくり事業を実施。将来、つくばがシリコンバレーやケンブリッジに匹敵する国際的集積都市となることを目指す。

具体的には、つくばと東京で、交互にネットワーキング会議を開くほか、ベンチャー企業を対象にした産官学金融連携シンポジウム、女性起業家育成セミナーなどを行なう計画。

ほかに、研究成果を新産業創出に生かした起業家や経営者を表彰する「つくばベンチャー大賞」の設立、TXの始発駅である秋葉原の企業団体「エドバレー」との交流、ポケモン・ミュージアム誘致などのアイデアが会員から挙がっており、やりたい人が、やりたいテーマを持ち込み、事業を実施していく方針。

会員は現在、筑波大学教員、ベンチャー企業、投資会社、コーディネーターなど約百人。事務所はつくばと東京都港区の二カ所に設置。法人の認証取得は九月ごろの見込み。初年度の年間事業費は約二百万円。

●視覚障害者向け表示画面開発
つくば産総研
産業技術総合研究所(吉川弘之理事長、つくば市)は十七日、視覚障害者向けの触覚表示画面を開発したと発表した。ピンを埋め込んだ画面を指先で触り、描いた形を手のひらで確かめながらパソコンに文字や図形を入出力できる。出力のみを表示する触覚画面はすでに市販されているが、入出力できるのは初めて。

同研究所人間福祉医工学研究部門の篠原正美主任研究員と、電気通信大学、ケージーエス(埼玉県小川町、榑松武男社長)が共同開発した。

篠原さん自身、弱視の視覚障害者で、父親は中途失明。子供のころ、音楽教師の父親のために楽譜を点字に直したり、外出の際は道案内するなどしてきた。現在、視覚障害者の友人も多く、目の不自由な人たちの世界を広げたいという思いがあるという。 

開発した触角表示画面は、縦8cm、横12cmの大きさで、画面の中に、ピンが、点字と同じ2.4ミリ間隔で計千五百三十六本埋め込まれている。画面に強く触ると、触った部分のピンが0.7ミリ浮き上がり、力を抜いて手のひらで触ると、何を描いたのかを自分で確認できる仕組み。

天びんの原理を利用し、どの位置から、どのくらいの力で、どの方向から触ったかを計算して画面で表示しているのが特徴。

画面は、市販されているパソコンに接続して使う。

従来、視覚障害者がパソコンを使う場合、文字を、音声で確認しながら入力していた。そのため音声に変換しにくい図形や絵などの入出力は困難だった。 一方、市販されているパソコンは、画面上でマウスを動かし、選択したり移動させたりしながら操作するなど、視覚操作するGUIが主体になっている。

今回開発された視覚表示画面は、画面を触りながら、あたかもマウスを動かすようにパソコンを操作できる。ただし製品化は数年先になるという。

●新川にホテイアオイを投入
幼株1,800株、10月に撤収
ホテイアオイ栽培による水質浄化を進めている土浦市は17日、同市東崎町の新川に今年も千八百株の幼株を投入。水辺景観にも配慮しながら、水質浄化の市民意識向上に役立てる。

神天橋公園のほとり、約1,200平方メートルにオイルフェンスや魚網で囲んだ栽培スペースを確保し今年も秋にかけて栽培する。1987年から89年にかけて、三カ年事業で県と共同実験し、有効性が確認されたことから、90年度以降は市の単独事業として実施している。

17日は午前10時から、市職員や委託業者がホテイアオイを投入してスタート。8月と9月に間引き回収し、10月に撤収する。回収したホテイアオイは協力農家の畑で肥料として生かされる。

昨年度の換算では、窒素73.9キロ、リン8.24キロを回収。今年も昨年並みの回収を目指す。

headlinenews

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