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2008年4月11日
●つくばの風車訴訟、和解協議決裂が濃厚
市長、「性能も安全性も問題」
つくば市の市原健一市長は10日の定例会見で、市内の小中学校に設置した発電用小型風車が計画通りに発電せず、市が風車の基本設計を担当した早稲田大学などに損害賠償を求めた訴訟について、「和解だけにこだわる必要はない」と述べた。1日に起きた谷田部南小の風車飛散事故では、「製品の性能問題だけでなく、安全性も問われる」として、改めて早大とメーカーの責任を指摘。15日に東京地裁で予定される最終的な和解協議は、決裂が濃厚となった。

市原市長は今回の飛散事故について、「機能が果たせず、風で壊れるような風車は遺憾で、問題のある製品だと実感した。企業も設計者も事故を起こしたことに責任を持つ必要がある」と主張した。

この上で「当初、安全性は高いとされていたが、つくば市だけでなくほかでも起きている。風車自体の安全性への疑問をなお一層強く感じた」とし、風車の性能に加え安全性の問題点も強調した。

これまでの和解協議で、市は正味発電量がマイナスの風車は早大が買い取り、撤去するよう求めていた。これに対し、早大は風車に太陽光発電を併設し、発電問題を解決しようと提案した。

市は風力発電の売電による収益で、地域通貨を発行する事業計画を示していた。このため、市原市長は「太陽光発電では当初の事業目的が変わってくる。これまで、できるだけ早期の解決を視野に入れてきたが、和解だけにこだわる必要はない」とし、和解協議の決裂を示唆した。

早大は直径15bの大型風車を前提に発電量を調査。しかし、市が導入したのは5bの小型風車だった。このため、わずかな発電量しか得られなかった。

市は2006年4月に風車23基の設置費用約3億円の損害賠償を求めて提訴。和解協議は昨年12月から始まり、これまで4回の協議が継続された。しかし、双方の見解の隔たりは続いたままになっている。

●国の検討委、アユやサケ降下量調査
霞ケ浦導水取水口の完成前後で検証
霞ケ浦導水・那珂川取水口工事の魚類吸い込み防止対策について評価、検証する国土交通省の第2回検討委員会(委員長・西村仁嗣筑波大名誉教授)が10日、水戸市内のホテルで開かれた。今後の調査スケジュールについて、取水口完成前の2008年度から2年間、アユやサケなどの降下量について調査し、完成後の10年度調査と比較した上で、取水口の吸い込み防止対策を評価、検証することを確認した。

08年度から実施する調査は、アユの産卵床調査、ふ化したばかりのアユの降下量調査、サケの稚魚の降下量調査。09年度からは魚介類の生物生息状況調査を追加する。

取水口完成後の10年度は、3dの水を実際に取水して桜川に導水する試験をしながら、アユやサケなどの調査を継続し、完成前の生息状況と比較、取水口に設置する吹き流しや魚返し、メッシュスクリーン、誘導ロープなどの吸い込み防止対策の効果を検証する。

一方、検討委員からは「魚の吸い込み防止対策の効果を検証するだけでなく、取水による那珂川の水量減少や、霞ケ浦の湖水が流入した場合の影響についても委員会で検討すべき」などの意見や、「調査対象を広げるならば、専門家の委員を新たに加えるべき」など、検討委員会の目的や役割そのものを再検討するよう求める意見が相次いだ。

委員会終了後の記者会見で、検討委員会の役割について国交省関東地方整備局は「吸い込み防止対策の検証が第1段階、第2段階として霞ケ浦の水の影響などがある。検討委で第1段階と第2段階を一緒に検討するのか、途中から第2段階の検証をスタートさせるのか、持ち帰って検討したい」とした。

国交省の検討委員会に対抗し、取水口建設に反対している那珂川漁協らが独自に、専門家による検討委員会を設置すると表明していることについて西村委員長は「(漁協の検討委で)全然違う結論が出てくれば、われわれとしても意見を聞いて検討したい」と話した。

参加求めるなら工事延期を

漁協が抗議文

霞ケ浦導水・取水口工事問題で、国交省霞ケ浦導水工事事務所が那珂川の漁業関係者に委員会への参加を求めている問題で、那珂川漁協(君島恭一組合長)など茨城、栃木の4漁協は10日、同工事事務所に対し、参加を求めるならば「アユ遡上時期の取水口工事をとりあえず延期すべきだ」などとする抗議文を改めて出した。

抗議文によると、検討委は、取水による那珂川の流量低下や霞ケ浦の水の送水による影響についても調査し、取水口建設の是非そのものも検討課題とすべきだなどとしている。


●天心の草稿など発見
県天心記念五浦美術館で一般公開
北茨城市大津町の県天心記念五浦美術館(吉川常英館長)は10日、岡倉天心(1863〜1913年)がヨーロッパの鑑賞体験をつづった草稿や、書生だった大橋雅彦(1864〜1941年)に送った書簡など、これまで世に出ていなかった天心関連の新資料を所蔵したと発表した。岡倉天心全集(平凡社)や天心の欧州視察日誌などにもなかったレオナルド・ダビンチの「モナリザ」についての感想などが記されている。18日から同美術館岡倉天心記念室で、資料の一部を一般公開する。

新資料は、東京美術学校の第2期生で、天心の書生だった大橋の元に残されていた。遺族から情報があり、家族や友人にあてた書簡など25点(6点は購入)を3月に所蔵し、今回4点を展示する。

天心がヨーロッパの芸術や宗教について書いた草稿は、縦16・6a、横220・5aの巻紙に墨書されたもので、天心が1886年から2年間、美術取調委員として渡欧した際の内容と推察されるという。パリのルーブル美術館で見たダビンチのモナリザについての感想やベルリンで聞いたバッハ、ベートーベンの音楽、ゲーテやユゴーの文学について述べながら西洋芸術を縦横に論評した文章。

文章からは「ダビンチ」や「モナリザ」「バッハ」「ベートーベン」などの文字が読み取れる。欧州視察日誌にもダビンチの記述はなく、文学・美術・音楽をまとめて語っているものはこれまでになかった。また、東洋的文体で西洋美術を表現しているという特徴もみられる。同美術館では「雑誌などへの掲載原稿ではないか」とみている。

大橋への書簡は、1901年5月に香川県での日本美術院地方展の準備のための出張を依頼する内容などを記した2通。初期日本美術院の地方展や古美術修復事業の様子が分かる。

日本美術院が五浦に移転して開催した「仲秋観月園遊会」の正式な招待状は、07年9月14日付で、縦17・9a、横60・4aで封筒が付いている。天心をはじめ横山大観、下村観山、菱田春草、木村武山の連名による招待状で、正式なものはこれまでに1通しか確認されていない。

大橋は岡山県出身。松原三五郎に洋画を学び、上京して橋本雅邦らに日本画を学び、「葮霜(たんそう)」の雅号を持つ。1889年、東京美術学校第2期生として入学し、25年卒。卒業1年ほど前から天心の書生となり、日本美術院正員、日本美術協会会員となった。東京府青山師範学校の美術教師、群馬や奈良県などで美術教員として過ごした。天心とは明治30年代に深くかかわり、側近として活動したという。

吉川館長は「天心が西洋、欧州美術にも精通し、幅広い見識が裏付けられる貴重な資料。これからさらに研究を進めていきたい」と話している。

問い合わせは県天心記念五浦美術館(電話0293・46・5311)まで。

雨引観音、眼下にサクラ、遠くに紫峰
13日には8年ぶりに「マダラ鬼神祭」
眼下には満開のサクラ、遠くには春の芽吹き―。「雨引観音」の名で知られる子育て・安産祈願の雨引山楽法寺(桜川市本木、川田聖定貫主)で境内のサクラが満開となり、訪れた参拝客らが筑波山との景色美を楽しんでいる。

雨引観音は、里山の丘陵地を切り開いた10万平方bにも及ぶ広大な境内に、四季折々の花が咲く花の寺として人気を集める。6月のアジサイとともに、この時期のサクラは県西地域の名所となっている。

境内にはヒガンザクラ、ソメイヨシノ、サトザクラなど約3000本が今を盛りに華麗に咲き誇る。遠くに筑波山を望みながら、芽吹きの中にヤマザクラの淡いピンク色が点在する里山の風情と、境内に咲くサクラの対照美を楽しめる。

雨引観音では、京都・広隆寺の摩多羅(まだら)祭とともに日本二大鬼神祭の一つといわれる「マダラ鬼神祭」が8年ぶりに再開され、13日に盛大に行われる。問い合わせは同観音(電話0296・58・5009)まで。

●野草食べ3人食中毒
毒のあるバイケイソウを調理
県保健福祉部に10日入った連絡によると、ひたちなか市内の飲食店で、客の1人が採取した野草を食べた飲食客3人に9日、吐き気や目のかすみなどの症状が出て救急車で病院に運ばれた。

野草はバイケイソウで毒がある。客の1人が北茨城市内で採取し、なじみの飲食店に持ち込んで、調理を依頼し、たまたま居合わせた客2人にも出した。

ひたちなか保健所は、毒があるバイケイソウを、山菜のオオバギボウシと誤った食中毒と断定。野草を調理した同市富士ノ上、飲食店「やきとり ゆき」(和田ユキ子さん経営)を10日から営業禁止処分にした。

3人はいずれも同市内に住む70代の無職男性2人と、50代の女性会社員。食べて30分後に症状が出て、救急車で水戸市内と笠間市内の病院に運ばれ入院中だが、いずれも快方に向かっているという。
 
山菜と毒草間違えないで!

県が注意呼び掛け

山菜採りシーズンを迎え、毒草のバイケイソウを、山菜のオオバギボウシと誤って食べる食中毒が毎年のように発生していることから、県は注意を呼び掛けている。

バイケイソウによる食中毒は1999年から過去10年間で7件発生、計16人に吐き気や嘔吐(おうと)、めまいなどの症状が出た。

新芽、葉、茎、根とすべてに毒があり、調理しても消えず、食後30分から1時間以内で症状が出る。

山菜のオオバギボウシは、山間地の湿地や川岸、平地の里山など県内各地で見られる。これに対し毒草のバイケイソウは県北の山間地の奥地のみでみられるのが特徴。

芽吹きはバイケイソウの方が早く4月上旬から中旬に芽が出るのに対し、オオバギボウシは少し遅れて芽吹く。

見た目は、いずれの新芽も葉が幾重にも巻き合い、葉巻を突き立てたように生えてくるため見分けるのが難しい。

新芽の違いは、バイケイソウの葉脈が縦じま状にくぼんでいるのに対し、オオバギボウシの葉脈は筋状に出っ張っている。

葉は、バイケイソウの葉の裏側には細かい毛が生え少しざらついているのに対し、オオバギボウシは無毛でなめらかなのが違いという。

県はホームページで注意を呼び掛けているほか、県きのこ博士館(那珂市)と各林業指導所に相談窓口を開設。持ち込んだ野草を鑑定などする。詳しくは電話029・297・0198(県きのこ博士館)へ。



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