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2010年1月21日
●つくば市側に7割、逆転裁判
風車裁判控訴審、「早大より重い過失」
つくば市が小中学校に設置した小型風車がほとんど発電しなかった問題で、市が早稲田大学などを相手取って、風車23基分の設置工事費約2億9800万円を市に支払うよう求めた損害賠償訴訟の控訴審判決が20日、東京高裁で出され、小林克巳裁判長は、早稲田大学に対し、費用の3割に当たる約8900万円を市に支払うよう命じる判決を言い渡した。発電量が得られず事業が失敗した責任について一審の東京地裁は過失割合を、市が3割、早大7割としていたのに対し、二審は逆転、「市には大学の過失より格段に重い過失がある」とし、市に7割、早大に3割の過失があったと認定した。判決に対し市原健一つくば市長は「承服できない判決」だとして、上告する方針を示した。

判決は、事業が失敗した原因について「設置場所の風速が2bにも達しないのにもかかわらず、小型風車を設置したことにある」とした。早大の責任については「風車導入の調査、計画の具体化について、市を適切に指導、助言すべき義務を負っていたにもかかわらず、環境省にできるだけ良い数値を示したいとの市の要請に応じて、標準的な風車より面積が大きい風車を想定してデータを作成したほか、計算に用いた風車と実際の風車との間には性能に大きな差があることを説明せず、データを提供することもしなかった」などとし、3割の過失を認めた。

一方、市の責任については「市内の小中学校に小型風車を設置しても風況が悪く、発電量は非常に小さく、売電の見込みは厳しく、設置場所を決めるには詳細な風況調査を実施する必要があることという情報を得ていたにもかかわらず、環境省の事業に選定されれば事業費の3分の2までの交付金が得られることが判明するや、コンサルタント会社が何の根拠も示さず作成した稼働率20%という原案を、現実にそぐわないことを見過ごし、格別な検証もしないまま採用して、環境省の事業に応募した」と指摘。

さらに「市内の風況が風力発電に適さない」と市民団体「つくば市民環境会議」から計画再検討の要望を受け、さらに東京電力の調査でも、年間売電収入は目標値の15%程度にとどまるという指摘を受けていたのに、計画の再検討を怠ったとした。

早大が、標準的風車より面積が大きい風車を想定して作成したデータについては「早大が計算に用いた風車が、標準タイプよりも面積が大きいことを前提としていることを認識していた」とし、市に対し、早大より重い過失があると認定した。

判決に対し市原市長は「市職員に、風車に対する専門性を求めるのは難しかったので、大学の専門家にお願いした。最初から専門家の意見に疑いを持つことは難しかった。いま反省するとすれば専門家を信じたことに問題があった。早大の研究者のモラルの問題」だと判決に対する不服を述べた。

一方、早大は「大学の主張が基本的に認められた。判決は、市が事前の調査結果を無視して拙速かつずさんに事業を進めたことが事業の失敗の最大の原因であると指摘している。今後の対応は判決内容を精査したうえで決めたい」とするコメントを発表した。

●新農政具体化へ第1歩
市町村担当者やJA関係者集め説明会
農林水産省は20日、新年度に始まる農政大転換を前に、小美玉市内で「戸別所得補償制度モデル対策に係る茨城県説明会」を開き、県内各市町村の農政担当者をはじめ、JAなど関係団体担当者らが耳を傾けた。壇上には郡司彰副大臣、今井敏経営局長、関東農政局、茨城農政事務所職員らが並び、新農政のスタートを印象付けた。

昨年の政権交代に伴う新農政具体化への第一歩。食糧自給率向上に向けて国が新たに水田農業にてこ入れする「戸別所得補償制度」を2011年度から本格導入するのを前に、10年度はモデル対策が始動する。

麦、大豆、米粉用米、飼料用米など(戦略作物)について10e当たり1万〜8万円を直接助成し、生産拡大を目指す一方、水田農業の経営安定に向けて、現在、恒常的赤字の米に10e当たり1万5000円(定額補償)、販売価格下落時に標準的価格との差額補てんをセットで行う。

40年にわたり続いた生産調整政策を大転換し、新たに各農家ごとに示される米の生産数量目標(面積)を踏まえた農政を展開する。

説明会では新制度の概要とともに今後のスケジュールや注意点などが示された。会場に詰めかけた関係者らは長年続いた制度の大転換を各農家とともに現場でどう進めるか頭を悩ませる一方、各農家への説明や諸手続きを進める前の緊張感に包まれながら説明に聞き入っていた。

●空港生かし地域振興で連携
茨城・福島・栃木・群馬・新潟の県議会議長会で確認
空港の相互連携で地域活性化を―。福島、茨城、栃木、群馬、新潟県の5県議会の議長会が18日、栃木県宇都宮市で開かれ、地域資源としての空港を地域振興対策に積極的に活用していくことで合意。相互連携による協力体制を構築することを確認した。

議長会には、本県から西條昌良議長、白田信夫副議長が出席。5県に共通する▽道路交通ネットワーク網の充実▽観光振興対策▽議会改革への取り組み―などについて意見交換を行った。 この中で、西條議長は、今春3月11日に開港する茨城空港の概要説明を行い、その利用促進について協力を要請した。

共同のテーブルについた5県には、本県のほか、新潟県が新潟空港を、福島県が福島空港を持っていることから海なし県の栃木、群馬両県は「競合し合うのではなく、相互連携して活性化を図るべき」と提言、了承された。

戦前の1930年に開港した新潟空港は、札幌、大阪などの国内線に加え、ウラジオストク、上海など国際線が就航。年間利用者数は、約105万人(2008年度)。

また、93年3月に開港した福島空港は、国内線が札幌、大阪(伊丹)、国際線が上海、ソウルに就航。年間利用者数は約43万人。

新潟、福島空港に次ぐ、首都圏第3空港をめざす茨城空港の開港が、本県の地域独自性を、今後どう打ち出していくのか注目される。

5県議長会では、このほか観光振興対策について、各県の観光資源を生かすため、5県を網羅したパンフレットの作成について検討していくことにした。

●原中会長が公約発表
日本医師会の会長選に出馬
日本医師会の会長選に立候補することを表明している原中勝征・県医師会会長が20日、都内のホテルで記者会見し、マニフェストを発表した。国民皆保険を守る、医療崩壊を防ぐ―など7項目を掲げ、診療所連絡協議会や病院連絡協議会を設置して意見の集約や、日本医師会の組織改革に着手する改革諮問委員会を設置し、会計の透明化の促進、会長選挙を全会員の直接投票にするなどを検討するとした。

原中氏は「小泉改革による医療費削減の流れの中で、開業医と勤務医が仲たがいすることが続いてきた」と危ぐを表明し、「医師会は開業医の団体とみられているが、勤務医や女性医師、学会代表者の意見を反映させていきたい」と医師の意見をまとめ一致団結した行動を取るため、診療所の医師らによる連絡協議会と、勤務医らによる連絡協議会を設置し、日本医師会の下で意見を集約したいなどとした。

一方、日本医師会が夏の参院選で、自民党の西島英利氏の推薦を決定していることについては「すでに推薦が機関決定しているが、会長に選ばれた場合、一番最初に、下りるべきだと提案したい」とし、西島氏を推薦しない方針を示した。

会見には埼玉県医師会の吉原忠男会長、山梨県の薬袋健会長らが同席。吉野会長は「民主党のマニフェスト作りに参加した原中さんは実行力がある。任せてみれば違う結果が出る」とし、薬袋会長は「自民党寄りでなく、マスコミにも顔が効く、そういう人はほかにいない」と強調した。

●「植物工場」オープン―土浦
モデル施設、3月末まで一般公開
季節や天候に左右されず、年間を通じた収穫と安定した供給ができる、「植物工場」のモデル施設(完全人工光型)が20日、土浦市大和町のウララビル外側1階にオープンした。3月31日まで見学できる。

栽培室は13・5平方b(床面積)。栽培ベッドには、植物の成長を促し、丈夫にするなどの効果を持つ赤色LED(発光ダイオード)や青色LED、蛍光灯を設置。葉物を中心に、フリルレタス、サラダナ、バジルなど7種類を育てる。

オープニングセレモニーでは、中川清市長や折本明市議会議長、飲食店検索サイトのぐるなびの溝上宏法人本部長らが出席、テープカットした。

経済産業省関東経済産業局の増田仁産業部長は、「農業の閉そく感の突破口として可能性が大きい。日本の技術力を世界に伝える新しい事業形態の一つ」と、期待を寄せる。

見学に訪れた人たちも興味津々。「販売しないのか」「もう少し小型ならほしい」などと話していた。

工場は期間中午前10時から午後4時まで一般公開される。見学会やセミナーも企画されている(要予約)。

問い合わせは、ぐるなび・植物工場事務局(0120・02・9672)まで。


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