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| 教育問題 | 総和町「幻の通年制」 | |
学力向上で先駆けとなるはずが… 「総和の小学生にいかに学力をつけてやるかは、保護者にとって一番の願い。学校週五日制や授業内容の三割削減で、今や学力向上は全国的な関心事。通年制で授業時間を確保し、子どもたちに分かる授業をしたい」 今春、全国初となるはずだった総和町の「幻の通年制」。転機は3月6、7日の保護者向け説明会だった。後に、責任を取って辞職した田続功教育長は「子どもたちの幸せのため」「あくまで評価の見直しに伴う通年制」を強調した。 町教委側の熱心な説明にもかかわらず、保護者からは「4月実施を言うが、検討過程が見えず秘密主義だ」「学校現場や保護者をの声を無視している」「なぜ、そんなに急ぐのか?」―など厳しい批判が相次いだ。 ◇ 町教委の取り組みが明らかになったのは、2004年2月半ばの新聞報道。以来、一カ月半にわたり同町は通年制問題で揺れた。最終的には、スタート5日前に開かれた3月26日夜の臨時教育委員会で、いったん決めた導入をくつがえす異例の決定を下した。 事務局側は「準備は整っている」と力説したが、保護者らの反発は教育委員らの耳に届いており、「半年の準備期間では短すぎる」「現場の先生や保護者の理解が得られていない」「実施すれば町教育界に禍根を残す」と、導入を見送った。 「取り組みに異論はない。やり方が拙速すぎ、手続きの面で不信感を招いた」。反町長派の町議も、学力向上対策の必要性を認める。菅谷憲一郎町長の政治手法に問題あり、との立場だ。町民の中には「隣の古河市はすでに二学期制。ライバルを上回るには一学期制しかなかった」のも声もあった。 ◇ 町教委が打ち出した通年制は、三学期を実質的な一学期制(無学期制)に移行することで、始業・就業式などを簡素化して20時間程度を確保する。これを国語と算数の補習時間に充て、基礎・基本の理解を深める方針だった。 通年制を補完する手法として同町では現行の通知票をやめ、学習単元ごとの学習ぶりを評価としてまとめ、独自に「学習カード」を発行。具体的で分かり易い表現にして、年間10回ほど発行して、保護者とのキャッチボールを深めたい考えだった。 文部科学省は2001年当初から、それまでの「ゆとり重視」から「学力重視」へと政策転換。学力低下論争を受け、「ゆとり教育」を目指して導入されたばかりの学習指導要領が見直された。 学校現場では、いかに授業時間を確保するかに頭を悩ませている。菅谷町長は「先を見通す観(かん)の目が必要」と示唆したが、先駆的な教育施策も政治的な思惑が先行して日の目を見なかった。 |
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