TXプロジェクト 大幅縮小の需要予測



車両基本性能の確認試験をしながら、みらい平駅付近を走行するTX=谷和原村東楢戸
厳しい宅地との一体開発

東京・秋葉原−つくば間約58.3kmを結ぶつくばエクスプレス(TX)は、来年秋の開業を目指して工事が着々と進む。3月末で全線の土木工事が完了し、残りの駅舎建設と電気工事などが急ピッチで進められている。

TXは1985年の運輸政策審議会で常磐新線の新設が答申された。1989年には鉄道建設と沿線の宅地開発を一体的に実施する宅鉄法が成立。TXは宅鉄法によって進められることになった。1994年に秋葉原で起工式があり、工事が始まった。

1996年には開業予定が当初の2000年から5年遅れの2005年に見直しがあった。その後は工事が順調に進み、運政審の答申から20年ぶりの開業が目前に迫った。

これからはTXの利用促進と沿線開発による街づくりが大きな課題となる。
      ◇
TXの1日当たり運行本数は195往復。当初、開業時の1日当たり輸送需要は47万4千人と想定した。開業時期の見直しに伴い、これは19万人も少ない28万4千人の想定に大幅に下方修正された。

5月29日には東京・北千住駅で、TX全線のレールがつながったのを祝うレール締結式があった。来賓として出席したTX建設促進議員連盟会長の倉田寛之参院議長は「TX完成後は、もうひとつの課題である利用促進に向けて議員連盟を組織する」とあいさつした。

鉄道の事業主体となる首都圏新都市鉄道は、沿線四都県12市区町村と民間企業などが出資する第3セクター。鉄道事業の採算性は、沿線自治体の財政事情にも跳ね返ってくる。
      ◇
沿線では宅鉄法に基づき、土地区画整理事業による約3,000ヘクタールに及ぶ沿線開発が計画されている。このうち県内では8地区で約1,730ヘクタールと半分以上を占める開発面積だ。

沿線地域全体は「みらい平・いちさと」の統一愛称で、それぞれの特徴を生かした街づくりが計画されている。

沿線開発はバブル期に計画された。バブル崩壊による景気低迷で、地価が上昇していった「土地神話」も消え失せた。

歯止めのきかない著しい地価の下落が続き、鉄道開発で地価上昇を前提にした当初のシナリオは崩れ去った。都心への回帰現象や少子化が追い討ちをかける。「鉄道は開通したけれど」で終わってはならない。

21世紀のビッグプロジェクトであるTXと沿線開発。開業を目前に控え、その期待は日増しに高まるが、果たして地域を再生させるバラ色の未来を運んでくるのだろうか。

BACKHOME