イラク問題 「大義なき戦争」の行方は?



3月16日、小川町の百里基地で行われた航空自衛隊第2期出国式

自らの足元を問う選挙に

イラク戦争は自衛隊派遣、人質事件、フリージャーナリストらの虐殺死へと至る流れで、国民は傍観者から当事者側の一員へと覚せいされた。米国のシナリオに沿って、イラク暫定政権への移譲が六月二十八日、抜き打ちで行われた。このことが少しも戦争の終結とならないことは、もはや世界中の人々が感知している。

イラク戦争は、9・11同時多発テロ事件によって、ブッシュ政権が「新しい戦争」の名の下に引き起こした対テロ報復戦争だ。冷戦崩壊後の世界図式は、軍事的優位を誇る米国の一極主義構造に塗り替えられた。

国連決議に違反して大量破壊兵器を隠し持っている、との疑いをかけられたイラク・フセイン独裁政権は「悪の枢軸国」と名指しされ、国連安保理決議なしで米・英軍などから戦争をし掛けられた。

軍事力の差は歴然で、激しい空爆の末にバグダッドが陥落。イラクは事実上、米軍占領支配の下に置かれた。米国は「大義なき戦争」の国際批判をかわそうと、大量破壊兵器の存在、テロリストからの防衛、イラク民主化と、正当化の理由付けを次々に変えた。

イラク戦争が始まると、小泉首相はいち早く「米国支持」を表明、「人道・復興支援」の名目で自衛隊をイラクに派遣した。世論も邦人人質事件により、派遣支持へと流れが傾いた。

改憲や日の丸・君が代強制の動きと連動しながら、有事関連法案が成立。自衛隊派遣が既成事実化した今、国民一人ひとりに足元を問う選挙となる。


質問:イラク戦争と自衛隊派遣について、どう評価しますか。また、どう対処すべきと考えますか。さらに、邦人捕虜問題、自己責任論についてどう考えますか?(候補者は届け出順。敬称略。)

■郡司 彰(民主党)
もともと大義のない戦争。自衛隊派遣は、根拠の法律があいまいなため、現場の隊員にも混乱をきたしている。法の拡大解釈のみで派遣をするのは今すぐやめるべきだ。
(人質事件は)自己責任はあると思うが、マスコミなどの報道で伝えられる自己責任とは違う。同時に日本の国民である以上、日本国が外務省などを通じて邦人の捕虜を救出するのは当たり前の権利。

■岡田 広(自民党)
イラク占領統治が六月末でイラク人に返還されたわけですが、なおテロが頻発するまだまだ不安定な状況を踏まえれば、この地域の安定を取り戻すまでは、イラク国民のために人道復興支援活動が必要であると考えます。
わが国の憲法は、国民に自由を保障しており、どこに移動しても抑圧を加えられることはないが、その反面、国外に出た場合の自国民保護は政府の義務である。しかし、国が渡航禁止通告を発しても、国民の自由が優先され、制止できなくなる危険を承知のうえで行く以上、それだけの自己責任は生ずることになると考えます。

■田谷武夫(共産党)
米英国の軍事占領の破たんはいまや明瞭だ。米国の占領支配への加担をやめ、自衛隊はただちに撤兵すべきである。多国籍軍への参加はこれまでの政府見解に照らしても憲法違反以外なにものでもない。
人道復興支援で一番役立つ支援をやっているのがNGOの人たちの活動だ。その活動を危険にさらしているのが自衛隊の派遣である。日本人拘束事件で自衛隊の撤退を検討すらしなかった政府が「自己責任」などという資格はないと言いたい。

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