小泉訪朝問題 険しい正常化への道

曽我さん親子の9日再会が決定

小泉純一郎首相は五月二十二日に北朝鮮を再訪し、金正日総書記と一年八カ月ぶりの会談を行った。

この結果、拉致被害者家族八人のうち、蓮池、地村両夫妻の子供たち五人が帰国し、再会を果たした。曽我ひとみさんは、夫ら家族三人と九日にインドネシアで再会することが五日決まった。

会談で首相は北朝鮮が「死亡」とか「入国なし」としている横田めぐみさんら安否不明の十人の消息解明を求めた。金総書記は「再調査をする」と約束した。

日朝平壌宣言にのっとった北朝鮮の核廃棄問題で、首相は金総書記から十分な回答を引き出せなかった。

首相は北朝鮮に対し、二十五万トンの食糧と一千万ドル相当の医薬品支援を約束した。さらに平壌宣言を順守すれば、制裁措置は発動しない考えを示した。

首相の再訪朝に対し、評価は分かれた。民主党だけでなく、自民党からも「首相がのこのこと出掛けて行ってまでやる内容でない」と大きな批判が出た。

拉致被害者家族五人が帰国できたのは前進である。首相が出向かなければ、まだ五人は帰国できなかっただろう。

しかし、「弱腰で屈辱のお粗末外交」とのそしりは免れない。拉致問題の解決には程遠い。核廃棄問題の進展はない。

食糧と医薬品の支援は人道支援名目だが、拉致被害者家族の帰国に伴う「見返り」との見方がある。

両首脳会談は解決への一歩を踏み出したにすぎない。日朝正常化への道は険しい。政府は毅然とした態度で北朝鮮との交渉に当たることが求められる。


質問:小泉首相の北朝鮮訪問の成果をどう評価しますか。また、拉致問題と北朝鮮の核問題をどう解決したらいいと考えますか。(候補者は届け出順。敬称略。)

■郡司 彰(民主党)
蓮池、地村両ご家族の帰国は大変喜ばしいことではあるが、総理が出向くという外交カードを早々と切り、「制裁措置は行わない」と、次々と交渉手段を塞いでいく姿勢では、完全に足下を見られた格好だ。まだ特定できない拉致被害者も含め、今後どのように対応していくのか甚だ疑問だ。

■岡田 広(自民党)
小泉総理の訪朝の成果、その実行力を高く評価しています。被害者家族の帰国を果たしたばかりでなく、核問題にも拉致問題にも進展がもたらされました。いずれ近いうちに消息不明の方々の安否についても明白になるだろうと期待できるところまでもってこられた訳で、今回の北朝鮮に対する人道援助は、国交正常化への布石とも言え、有効と考えます。

■田谷武夫(共産党)
今度の日朝首脳会談でも、「日朝平壌宣言」が日朝関係の基礎として再度確認され、拉致問題や核・ミサイル問題、人道援助問題などで一定の合意がみられることで評価したい。曽我ひとみさんのご家族の問題や安否不明者の再調査など、拉致問題の解決にむけた日本政府の努力を強く求める。核問題にむけても6カ国協議のなかで日本は特別に力を尽くすべきである。

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