2大政党制? 民主・郡司氏、トップ肉薄



郡司氏は、強敵・岡田氏に大接近。祝勝会場も喜びに沸き返った=水戸市梅香の県労働福祉会館
批判票受け皿で大量得票

◆トップ肉薄
衝撃的結末だった。四十七万七千九百四十八票。民主党現職の郡司彰氏は六年前の初当選時を十六万票も上回る大量得票で、史上最多得票を更新した自民党現職の岡田広氏に十万票差まで追いすがった。

十一日夜、水戸市梅香の祝勝会場・県労働福祉会館は当選と、予想外の大量票に沸いたが、当初は関係者も不安だらけ。自民が一人に絞り、当選に不安はなかったが、「岡田さんの半分じゃ…」との声が支配的だった。

だが、反自民ムードが勢いを増し、県内八十三市町村のうち、茨城都民の多い県南、地盤である県北など、十三市町村で岡田氏を上回る。市では九勝十三敗。得票も三十万九千と、三十二万八千の岡田氏に肉薄した。

十万票差とはいえ、岡田氏には公明党票の底上げがある。日本一の自民党王国、最強の候補者と小差。民主党県連などは、地殻変動の予兆を感じ、自民党県連首脳は不機嫌極まりない。

◆敵失、他力…
「あくまでも瞬間風速。首相や与党のおごりで、有権者の怒りに火が付き、他に選択肢がないから、消去法で民主に入れただけの人が多い。受け皿になっただけだ。自力勝利ではない」。ある民主党県連幹部は自戒する。

実際、選対は動きが鈍かった。ムード主体で、票固め作業を欠いたため、独自行動を取る地方議員、労組も少なくない状況も。比例候補がらみで、立正佼成会が支援に回っても、受けたのは衆院候補の独自行動だった。

しかし、反自民ムードがそれらを補った。郡司氏自身も手応えを実感した。社民党県連の高沢勝一副代表は「街頭でも反自民の空気が強く、郡司さんは相当取ると思った」と語る。その突風を一身に受けたわけだ。

「年金問題が全てだろう。1・29ショックで、すっかり流れが変わった」「郡司さんの人柄もあるが、政府の敵失がなければ、二十五万―三十五万票だっただろう」。党や労組の関係者らは口をそろえる。

◆合併効果
「二大政党制(分立状況)が、有権者にも定着しつつある。自由党との合併効果が、時間を経過してよりハッキリした。報道も、自民か民主かと選択を迫った」。そんな見方もある。

比例区の得票をみても、昨秋の総選挙に続き、全国、県内とも自民党を抜いて第一党。野党第二党自由党の吸収は、郡司氏の票を奪うライバルを減らし、同時に二大政党のイメージを、有権者にもハッキリ植え付けた。

与党不信の状況は、郡司氏初当選の前々回と同じだが、六年前に各党へ分散した批判票は、郡司氏と民主党に一極集中した。野党再編と小党淘汰(とうた)で、選択肢が減ったことも大きい。

「郡司さんはこの六年間、労組関係はよく歩いたが、農協や企業との関係は深まっていない。政権を担うためにも、今回の票を固める必要がある」とはある関係者。勝利は、古くて新しい課題を突き付けている。


BACKHOME