戸惑い 自民、票数で第2勢力に



岡田氏の出陣式は他を圧倒。しかし、比例区は民主に連敗を喫す=水戸市の千波湖畔
年金問題で郡部まで反自民

◆一抹の不安
民主党四十三万票、自民党三十八万票…。衝撃的ですらあった。自民は、県内の比例得票で、昨年秋の総選挙に続き、民主にまさかの連敗を喫した。自民党関係者のショックは大きかった。

茨城は全国有数の自民党王国。過去、消費税導入時の逆風、土井ブームの社会党、新進党の結成直後―と、参院選で二回、昨年の総選挙で一回、自民は県内第二党に落ちたが、連敗は結党以来初の出来事だった。

衝撃は総得票だけではない。市部で民主が五万票、郡部で逆に自民が二万票上回った。市部では、自民の六勝十六敗と惨敗する。保守地盤の郡部も、自民が勝ったのは四十六町村。十五町村で、民主の後塵(こうじん)を拝した。

「今回は突風。時が経てば、支持は戻るはず…」。自民党県連の大高松男事務局長、県議らは冷静に分析するが、郡部まで広がった反自民ムード、かつてない民主の勢いに、戸惑いと一抹の不安もにじませる。

◆恨み節
「敗因は年金だな。官僚のうそが発覚して風が逆になった。来年まで焦る必要はなかったんだ。厚労省と公明党に付き合い、反発が自民党に集中してしまった」。ある県議は恨み節を漏らす。

というのも、当初は単独過半数をも狙う勢いだった。森喜郎前首相は選挙前、「六十議席も…」と、単独政権の可能性を言い、公明が切り捨てを警戒する場面もあった。それが、厚労省のうそで一変してしまう。

当初は負担増、給付減の年金改革に、世論は不満を持ちながら、小泉人気は不変だったが、基礎となる出生率が、改正法の想定より低いと判ると、首相答弁や多国籍軍参加にも波及。茨城にも悪影響があったようだ。

六年前も全く同じだった。自民大勝予測の中、橋本改革の負担増に世論が反発した。自民は四十四議席で惨敗。自由党、次いで公明党と、連立政権を組む背景になる。今回の敗北で当面、単独政権の芽も消えたと言える。

◆損得勘定
連敗の要因は他にもあった。選挙区で、公明・創価学会は、自民党現職の岡田広氏を支援。トップ当選を演出したが、比例区ではその見返りに、保守票が公明の得票を上乗せした。

選挙区と比例区は、連立効果が逆に出た。「公明・学会の支援を受けると、楽して選挙に勝てるから、保守系組織が崩れてしまう。それでなくとも、構造改革で組織が弱っているのに」。ある党関係者は嘆く。

公明は、連立与党の立場で、保守系の企業・団体から、浜四津敏子代表代行の推薦状を獲得。コピー持参で、「選挙区は岡田、比例区は浜四津」と支持者を回った。

「後援会が崩れる」。ある地方議員は悲鳴を上げた。

「組織がここまで弱体化したのは、衆院選が小選挙区制になってから。自民党が強かったのは、党内競争で切磋琢磨(せっさたくま)したため。中選挙区制に戻した方がいい。選挙制度の改正が必要だ」同党県連幹部がささやいた。

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