アレルギーの壁 共産、二大政党論に埋没



共産は、政策に活路を求め、街頭でもポスターで独自性を訴えた=水戸市三の丸のJR水戸駅北口
政策共感も票に結びつかず

◆微妙な数字
その数、六万三千二百二十票。共産党の県内比例票は、かなり微妙な数字だった。前回参院選よりは、四千三百票増やしたが、昨年秋の衆院選よりは、五千七百六十五票減らしている。評価はなかなか難しい。

一方、二大政党に埋没しつつ、選挙区の田谷武夫候補は、目標の十五万票未満ながら、九万四千八百三十七票と健闘をみせた。改選二に自民党、民主党、共産党が一人ずつで、選択肢が少ない背景はあるにしても。

比例区は選択肢が多い。小党にも一定の票が入り、選挙区票を減らすことになった。自民は選挙区の三十八万票で、選挙区より二十万票、民主も四十三万票で、選挙区より四万票少ない。 とはいえ、一九九六年から二〇〇〇年にかけて大飛躍した時の共産は、票が全国も県内も倍増し、選挙区と県内比例の得票が重なった。組織的には頭打ちの中、無党派層が大量に流入で活気づく。その勢いは失った。

◆ミスマッチ
「日本の将来にとって、極めて大きな意味を持つ選挙。二大政党による悪政競争か、国民が主人公を実践する共産党か。その選択となる」。党県委員会の関戸秀子委員長は、街頭演説でたびたび訴えた。

実際、政治状況を政策的に見る限り、近年になくかなり追い風だった。有権者最大の関心事だった年金問題。公示直前に改正法の根拠、出生率の嘘が発覚し、小泉内閣の支持率が急落していた。

加えて、イラク問題で小泉首相は、与党や国会に諮らず、自衛隊の多国籍軍参加を米に確約。憲法と教育基本法の改正論議を含め、世論の反自民ムードが強まる。公明に不信感が芽生え、自公連立にきしみもみえた。

各種世論調査は、国民の要望は共産の政策に近い。「民主の言う年金一元化は、企業負担を減らし、その分を消費税増税で賄う」。共産は民主批判を強めたものの、民主への無党派層、浮動票集中は止まらなかった。

◆アレルギー
「共産党は政策的に説得力がある。比例区は今回初めて共産に入れた」。というのは、水戸市内の中小企業経営者。多数ではないものの、そうした声が従来の保守層に、芽生えていることは事実のようだ。

党にも同様の声が寄せられた。「比例じゃ共産党と書けないが、選挙区は田谷さんを応援する」と。自民党支持者と名乗る電話に、「政策的な理解は得られつつある」と県委幹部は、密かな自信と自負を示していた。

だが、アレルギーが壁となる。「自分だけ正しくて、『他はうそを言っている』って感じがどうも。手法は常に複数ある。対等な競争の姿勢が欲しい。でないと、政策が票に結びつかない」。その経営者は指摘する。

共産はしだいに柔軟になり、社会党の政策転換と分裂、党名変更で、批判票を吸収したが、定着することはなかった。第三極定着には、アレルギーの解消が不可欠。壁越えの必要があるようだ。

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