柏市北部開発

多機能型の「緑園都市」へ
新産業拠点整備が活発化

秋葉原ITセンターの建設が進むJR秋葉原駅前=東京都千代田区神田
千葉県柏市は人口が三十三万人に増加し、人口規模では県内五番目の都市として発展している。開発が著しい市内の中で、市街化が最も緩やかに進む北部地区。ここにはつくばエクスプレス(TX)の柏の葉キャンパス駅と柏たなか駅の二駅が設置される。

北部地区は当初、業務核都市構想が示されていた。現在はTXの沿線開発に合わせ、新都心的整備の「緑園都市構想」に位置付けられている。「都市の活力と環境の調和をめざすまち」を基本理念にして、職住近接の市街地整備が進められる。

柏の葉キャンパス駅周辺の北部中央地区は、三井不動産のゴルフ場跡地で、千葉県が約二百七十三ヘクタールの土地区画整理事業を施行している。柏たなか駅周辺の北部東地区は、都市基盤整備公団が約百七十ヘクタールの区画整理事業を担当する。

柏北部地区は国の都市再生プロジェクト「東京圏におけるゲノム科学の国際拠点形成」の拠点の一つとしても期待されている。柏の葉キャンパス駅周辺の柏の葉地区には、公共公益施設や教育、研究機関などさまざまな施設の立地が活発化。新産業拠点開発が先行している。

ここにはJリーグ柏レイソルの本拠地で、柏の葉総合競技場がある県立柏の葉公園が広がる。公園の北側には約三十七ヘクタールの敷地の中で、東京大学柏キャンパスの整備が進む。

キャンパスでは基礎物性科学研究に関する物性研究所をはじめ、宇宙と素粒子にまたがる基礎物理学研究の宇宙線研究所が整備された。今年夏には大学発ベンチャー育成施設の東大柏ベンチャープラザもオープンする。ほかにも、領域横断的な研究・教育を行う大学院の各研究棟などが次々と建設されている。

さらに千葉県が産学官連携の新産業創造拠点として建設した東葛テクノプラザ、生涯学習などの拠点となるさわやかちば県民プラザがオープン。ほかにも千葉大学環境健康フィールド科学センター、科学警察研究所などが立地している。

周辺には沿線開発で商業、業務、住宅などが整備され、これらの施設を生かして研究や新産業創出の拠点のほか、芸術・文化、スポーツなどの機能充実を図っていく計画だ。

市内にはJR常磐線と東武野田線を合わせ七つの駅がある。常磐線柏駅前には高島屋やそごう、丸井などの大型店や専門店が建ち並ぶ。常磐線沿線では、東京・上野駅に次ぐにぎわいを見せる。

TX事業主体の首都圏新都市鉄道が、昨年十月に首都圏在住者を対象に実施したアンケートによると、TX沿線の中で住みたい街のトップは柏だった。

柏市北部整備課では「柏駅前のにぎわいのほか、駅前ではストリートミュージシャンが集うなど新しい若者文化も生まれている。これらがイメージアップになったのではないか」とみている。

常磐線柏駅の一日当たり乗降客数は、約三十二万人で千葉県内で最も多い。朝夕の混雑は特に激しい。TXは常磐線の混雑緩和とともに、緑園都市構想実現に大きな期待がかかる。さらにつくばの研究機関との連携で、大きなメリットとなると予想される。

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