常総線の危機感

守谷以南で減収の恐れ
客流れ一変に対応模索

TX開通後、守谷以南の利用客減少が予想される常総線=水海道市宝町の関東鉄道水海道駅
取手―下館間約五十一キロを南北に結ぶ関東鉄道常総線。主に首都圏への通勤や沿線周辺にある高校への通学などに利用されている。開業は前身の常総鉄道だった大正初期の一九一三年で、九十年以上の歴史がある。

つくばエクスプレス(TX)の守谷駅は、常総線守谷駅と交差する。関鉄は「TX開通で常総線の客の流れが変わってしまう。影響を受けるのは確実」とみている。

常総線は水海道駅を境に南と北で、輸送形態や沿線風景が一変する。取手―水海道間(十七・六キロ)は複線で、車両は二―四両編成。真新しい住宅が立ち並ぶニュータウンが続く。

一方、水海道―下館間(三十三・五キロ)は単線で、一―二両編成。左右の車窓からは見渡す限り、のどかな田園地帯の風景に変わる。

守谷周辺では七〇年代に当時の日本住宅公団や民間業者の大型宅地造成が実施され、人口が急増した。沿線開発は水海道以南の谷和原村の小絹駅周辺でストップしている。

水海道以北四市町村の常総線沿線開発事業として、県は九〇年代に当時の住宅・都市整備公団と「ハーモニーヒルズ開発計画」を検討した。しかし、バブル崩壊などで事業化が断念された。これが「南北格差」の原因だ。

常総線の二〇〇二年度一日平均輸送客数は全線で五千百八十九人。区間をみると、取手―水海道間が一万二千九百五十五人なのに対し、水海道―下館間はほぼ十分の一の千三百四十三人と圧倒的に少ない。

一両当たりの定員は百三十人で、混雑率は全線で21・2%。水海道―下館間は13・9%だが、取手―西取手間は134・6%と大きな差がある。「水海道―下館間は赤字で、経営的に厳しい」という。

水海道以南は首都圏への通勤客の利用が多い。このため、取手―新守谷間は日中で一時間に七本、一日当たり百五十本を運行している。

常総線の輸送人員は九五年度がピークで千四百十五万五千人だった。それが宅地造成の熟成や少子化などの影響で、輸送人員は年々2―3%程度減少傾向にある。〇一年度は千二百二十万三千人に減少した。

関鉄では「現在、常総線で守谷から取手を経由し、常磐線で東京方面へ向かっていた客は、TXが開通したら、守谷からTXで東京方面へ向かうだろう」とみている。このため、関鉄では「守谷―取手間の減収になるのではないか」と危機感を強めている。

守谷市内には都内への通勤者が多い。TXだと守谷―秋葉原間は三十五分。都内への所要時間は、常総線と常磐線取手駅乗り換え利用に比べ、三十―六十分の時間短縮が見込まれている。

関鉄は昨年七月にTX開通に対応するための対策室を設置した。具体策は現在検討中だが、「常総線の列車運行は守谷を中心に変更しなければならなくなる」としている。

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