成人識別自販機導入へ
JT、未成年喫煙防止へ試み

JT水戸支店の応接室。テーブル中央に置かれた、ピカピカの灰皿が印象的だ
未成年喫煙者の八割以上が自動販売機で購入しているとされるのに、町にあふれるたばこの自販機には、購入者の年齢を確認するシステムがない。

そのため、JT(日本たばこ産業)では昨年一月から、「成人識別自動販売機」導入のプロジェクトに着手している。

これは所有者が成人であることを証明する、クレジットカード大のICチップ内蔵カードを、自販機にかざすと本人と認証、初めて購入できるというもの。

■新型自販機■
昨年四月から今年の三月まで、千葉県八日市場市の販売店約百店に、各店一台の割合で試験的に設置した。カードは各販売店にある書類に必要事項を記入する。

国内でたばこを販売するJT、フィリップ・モリス社、BAT社、MCインターナショナル社の四社が加入する日本たばこ協会と、販売共同組合連合会で運営する「識別システム運営センター」に送付される。

同所で確認後、カードを発行して利用可能になる。今後、試験期間の統計を生かし、二〇〇八年に全国への導入を目指す計画だ。利用者からは「電子マネーのシステムも搭載すればいい」「画期的な方法だ」など好意的な意見が寄せられているという。

■自主規制■
今年、県学校保健会が全公立学校に配布した資料には、健康教育の指針にしようとたばこの広告を研究し、対処する内容が盛り込まれている。広告によるイメージ戦略に、教育機関からも矛先を向けられる時代となった。

たばこ広告は、決して野放し状態ではない。たばこ事業法により一九八五年から、テレビやラジオなどの放送に一部規制が入った。九〇年の日本たばこ協会結成に伴い、加入四社は、以下のものに広告を掲載・掲示しないルールを制定した。

(1)テレビ、ラジオ、インターネット、映画などのメディア(2)成人読者75%以下の雑誌や書籍(3)小中高校の敷地から半径百メートル以内(4)広告面積三十五平方メートル以上のもの(5)未成年に人気のタレントやキャラクター(6)女性の喫煙ポーズ―など。自主規制の中味は、一般にはあまり知られてはいない。

■ドラッグか?■
たばこに含まれるニコチンの依存性やその他の有害物質について、JT水戸支店の阿久津勇夫業務部長は言及を避ける。

しかし、同社で毎年実施している喫煙率の統計では、昨年の男性の喫煙率が49.1%(前年56.1%)であることを例に出し、「すでに男性喫煙率は五割を切る。これは、たばこを意思で止められるという証拠だ。当社の研究機関や病院での調査結果では、身体依存はほとんど認められない。精神障害の発症例もない。ドラッグではないと断言できる」とする。

喫煙者の健康に配慮した姿勢は、たばこの側面にある注意書き「あなたの健康を損なうおそれがありますので吸いすぎには注意しましょう」に集約。あとは本人の判断に委ねる方針だ。

たばこは、大人の嗜好品であり、国や地方自治体の貴重な税収源。加えて「疾病発生の直接的原因ではない」「依存性はない」「未成年喫煙への懸命な対応策」などが、禁煙化が進む現代社会で、同社が正当性を貫く理由のようだ。

■健康を選択■
ちなみにJT水戸支店スタッフの喫煙率は50%以上で、分煙禁煙対策をとっていない。喫煙者の良識にすべてを委ねている。解答してくれた両氏もヘビースモーカーだ。 話を聞いた友部勝正総務担当課長は医者に禁煙を勧められ、最近低タール低ニコチンのものに変えたという。「誰でも健康は惜しいもの」と笑いながら、「もし健康とたばこ、どちらか一方を取れと言われれば、迷わず健康をとる」と言い切った。

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