| 塩素注入量と少子化
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| 十日付で報告した残留塩素のデータについて、説明がわかりにくいとの指摘が読者から寄せられた。そこで、県企業局県南水道事務所浄水池(土浦市大岩田)と同市内二十四校の測定値をもとに、平均値などを改めて試算、別表にまとめた。表→■ 消毒作用を重視した水道水基準(下限)の0.1mg/L、一九九三年の二十一年ぶり水道法改正で新設された、「おいしさ」考慮の目標値(事実上の上限)1mg/Lを念頭に数値を点検すると、県南水道事務所の残留塩素濃度は、ほとんど上限いっぱいであることが一目でわかる。二○○二年度は平均1mg/L以上の月が七月から十二月にかけて六カ月続いた。今年も六月〜九月と続いたが、問題の十、十一月は低下している。そうはいっても、「おいしい水」の要件として厚生省が示した0.4mg/Lからみれば、だいぶかけ離れた数字だ。 土浦市内の学校の毎日の測定データから月平均値を試算すると、今年十一月の平均は0.28mg/Lで、前月比5%強の増加率。霞ケ浦を水源とする学校に対する県教委の「指導値」(市教委の表現によると「安心できる値」)0.4mg/Lを月平均で上回る学校は、十月三校、十一月六校を数える。最大値でみると、十月十校、十一月十二校を数える。 土浦市水道部は、県企業局から供給された水道水を、全市内の学校や家庭に送り届ける小売り業者。大岩田配水場は主に旧市内をカバーする。右籾、神立の両配水場は、それぞれ南部、北部地区に水を送る。問題の塩素管理は、近年、0.6mg/L程度を目標に調整しており、コイヘルペスウイルス(KHV)問題の表面化後も県の主張通り、「従来のまま」。送られてきたデータによると、十月は三配水場とも0.6mg/L、十一月は大岩田は0.7mg/Lだが、残りの二場は0.6mg/L。 県教委保健体育課によると、学校の中でかなり高めの塩素注入がみられる背景には、近年の少子化の影響があると指摘する。三階建て以上になると、受水槽(タンク)に送られてきた水を屋上の高架水槽に引っ張りあげ、自然流下させて利用する。 児童・生徒数が減ると、その分、水の利用率が低下し滞留時間が長くなり、それだけ注入塩素が飛んでしまう(自己分解)ロスが増える。学校の塩素管理は、保健室の養護教諭と相談しながら教頭が自動式の滅菌機のダイヤルを操作して行うが、末端蛇口0.1mg/L以上との基準確保のため、よけいに入れがちになる。「少子化に対応する、タンク容量の点検・適正化が必要な状況だが、判断は市町村の問題」(保健体育課)としている。一千人規模の学校の場合、十トンタンクが標準となるが、校舎の大規模改修を行った県立土浦二高では、従来の容量七十八トンから三十トンへ大幅縮小して対応した。 「死に水は極力作らないほうがよい」。土浦市教委学務課も同調するが、近年タンク容量を見直した実例はない。昨年の十二月市議会一般質問で、「プール消毒並み」と高濃度の残留塩素問題が取り上げられた経緯もあり、今年三月に注入機器操作の講習会を開くなどソフト面からの対応にとどまる。十トン規模の改修でも約一千万円の費用がかかる面もある。 ◇ 検証取材に対して、教育関係者の中には「学校の水源が井戸水ならともかく、高い金で水道水を買っているのだから…」と、企業局にしっかりした対処を求めている。浄水場の関係者は、「水づくりが仕事だが、家に帰れば生活者のひとり」と話した。 奥井氏は、コラムの中でも触れているように、十一月二十八日午後、県学校保健会土浦支部が主催した講演会に招かれ、「霞ケ浦と環境」をテーマに一時間ほど話した。出席者は、養護教諭、保健主事、学校医・歯科医・薬剤師など三十人。土浦に嫁いでからの霞ケ浦とのかかわり、草の根運動が講演の主な内容で、「霞ケ浦に対する思い入れ、愛情」を印象づけられたと出席者の一人は語った。 次回は、九月以降湖内に居座る赤潮現象を取り上げる。 |