農水省、パンフレットで説明
「コイヘルペスウイルス病(KHV)対策のポイント」と題したパンフレットは、農水省の委託で急ぎ日本水産資源保護協会(東京・中央区)が作成。KHVに関する技術検討会(農水省消費安全局)で確認された「コイの取り扱いに関して留意すべき事案」をもとにした、と断わり書きがある。同局によると、十二月五日に全国に発送された。KHVの感染経路について「KHVに感染したコイとの水を介しての接触により」と記し、十一月初旬時点とニュアンスの違いが出ている。KHVの公表から同パンフレット発送までの約一カ月をたどり直す。

十一月二日の公表時は「KHVに感染したコイとの接触により感染する」と「接触感染」とみていた。同六日の技術検討会(第一回)で、「霞ケ浦・北浦においては、水系全体が汚染されているおそれがあるので、出荷自粛を継続…」などのまん延防止策が決まった。委員として本県から渡辺一夫・県内水面水産試験場長が出席した。

十一月十四日、二回目の技術検討会。感染時期の異なる、本県(霞ケ浦・北浦)と岡山県(小田川・宮川・児島湖水域)が発生状況と対応の現状を報告。まん延防止対策、感染経路究明のため各都道府県は「区分した地域」ごとに疫学的・臨床学的・ウイルス学的な調査を行ったうえで汚染の可能性を判断し、対策を実施すべきとされた。

地域区分は「原則として、市町村境、水系等によって区分」する。地域内の食用コイ養殖業者、錦鯉(ニシキゴイ)生産者、釣り堀業者の位置やコイ放流河川湖沼の分布調査、既発生水域との接点の有無、KHVの症状や死亡の有無などの聞き取り調査を行う、とされた。

この日確認された「コイの取り扱いに関して留意すべき事項」によると、未発生の場合には、養殖場で導入するコイの種苗や放流用のコイが「汚染水域由来でないこと、汚染水域由来のコイとの水を介しての接点がないこと」を確認するよう求めた。KHVが発生した養魚場などに対しては、養殖施設や運搬車両、たも網、長靴など資材について「ウイルス不活化のための消毒」を確実に実施するよう求めた。

パンフ(四ページ)の表紙に「KHVは人には感染しません!」、最終面に「仮に感染したコイの肉を摂取しても人体に影響はありません」と記している。
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農水省衛生管理課魚類安全室では「感染経路として、当初はコイとコイとの接触を想定した。その後、『水を介しての接触により感染』としたが、水の中のKHVが(活性を保ったまま)どの程度移動し、どの程度時間がたっても活性を保つかは不明で、現在も、コイ同士の接触が(感染経路の)太い線と考えている」と説明する。

技術検討会の場で、全国各地の養魚場の多くは陸上に置かれており、湖を網で仕切って直接湖内でコイを飼育し、飲料水源としても利用している霞ケ浦・北浦の特異性が浮かび上がった。同室によると、KHVが発生した陸上の養殖池については、水抜きをしたうえで消毒などの対策を実施している。
第三者の立場の医学関係者は、「水を介した感染経路としては、A型肝炎ウイルスが代表例。ウイルス保有者のふん便が水域に流れ感染が広がる。専門ではないが、KHVの感染経路も、エサを求めていけすに近づいた野ゴイが、水中に直接排せつされたふん便中のウイルスに感染したり、一枚の網をはさんで内と外のコイが直接接触する場合など、いろいろ考えられる」と話している。




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