−木内野球の夏が終わって−
- 11 -
 右下のあごを腫らしながら取材に応じる木内幸男監督=8月5日、阪神甲子園球場

 【常総学院は8月3日に土浦を出発。4日に大阪市内で組み合わせ抽選会が行われ、初戦の相手は柳ケ浦(大分)に決まった。常総ナインは4日に大阪に着いて初めて練習をしたが、木内幸男監督の姿はなかった。大一番の試合前に歯の治療に専念したため、大事をとって休養。抽選会場には右下のあごを腫らしながら、姿を現した】
 ―だいぶ腫れていますね。
 木内 あまり痛まない方なんですがね。今夜はマッサージするしかないね。来る前から痛かったが、いくらか熱いなと思ったら、ぽこっと腫れてきた。虫歯じゃなくて骨の方だね。骨の方はバイ菌だから、たち悪いね。
 ―対戦相手が柳ケ浦に決まりましたが。
 木内 うーん、(相手は)点数くれないね。とにかく3点しか取られてない。ピッチャーが五人もいて、エースの出る場がない。2、3点の失点が命取りになるような相手だな。
 甲子園という所は何が起きるか分からない。何か起こってくれ、ってね。(投手を)つなげばつなぐほど、危険が増すんですよ。全部がうまくいくとは限りませんから。「つなぐ」というのは成功して初めて生きる。場合によっては命取りになっちゃう。
 野球はピッチャーですからね。(柳ケ浦は県大会で)3点しか取らせていない。投手陣というのは相当警戒するんですが、地方よりもここ(甲子園)に来てのピッチャーのリレーは難しい。誰か、止まっちゃうのが出てくるんですよ。そういうことを何回も経験してますからね。
 ―(右ひじ故障の)飯島秀明投手の調整はどうですが。
 木内 調子はいいです。ひじの検査で何もなければ、納得なんですが…。私も飯島をどう指導していったらいいか、体の中のことですから、分からんところもあるので当人に任せています。
 検査で異常がなければ、力以上に放ってくれるのでは。故障持ちは、医者の太鼓判がなければ力いっぱいはできない。「何ともありません」という結果が出てくれればなあ、とね。
 ―一つ勝てば智弁和歌山戦、厳しいブロックでは。
 木内 投手層はいいところですね。二つ勝つことは考えませんよ。甲子園では、最初に一つ勝つことが大事。どんなチームでも初戦一勝を掲げて入るのが、甲子園。地方大会では思いも寄らないような力が出たり、まったく出なかったりというのが甲子園なんですよ。
 とにかく上がりっぽい子供たちが多いので、ミーティングをやって、上がっていることを自覚できればいいんですがね。
 ―これまでのチームの状態は。
 木内 ベストですね。やっぱり県を制覇したというプライドとともに、大学生を寄せ付けない程のバッティングをしましたから。そんなに心配していない。でもバッティングなんて、(相手の)ピッチャーがよかったら、三文の値打ちもなくなっちゃう。
 本当にいいピッチャーが出れば、間違った球しか打てない。プレーボールで、ボールが浮いた球を打たないとだめ。相手を軌道に乗せてしまったら、力のあるチームには寄りつけなくなる。
 ―冷房のある一塁側ベンチの方がよかったのでは。
 木内 そんなことありませんよ。ただ監督は、一塁側が楽なんですよ。隣に冷房室というのがあるから(笑)。そこにうまく入って、たばこ吸ってね。
 たった二時間だもん。甲子園の野球は。早くていいよ。相手に逃げられて、追っかけるのは、短くてね。勝っている時はいいな。やっぱり、試合だけに徹することができるから。甲子園でやる野球は、われわれが野球する中で一番やりやすい。私はせっかちだから大歓迎ですね。


BACKHOME