−木内野球の夏が終わって−
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 ナインが目標としていた国体出場がかかる静岡戦のゲーム前日に、ミーティングを行った木内幸男監督=8月19日、兵庫県尼崎市内の練習場


 【三回戦の静岡との対戦では、県大会四回戦以降、登板機会がなかった二年生の仁平翔投手が初先発し、六回途中まで無安打の好投をした。攻撃では二回に振り逃げと盗塁、敵失で三塁に走者を進めると、井上翔太選手(三年)が低めの難しい球にもかかわらず、スリーバンドスクイズを決めて先制するなど、7つの四死球を生かしながら加点、静岡に完封勝ち。同時にベスト8入りし、ナインが目標にしていた十月の国体出場を成し遂げた】
 ―先制点はスリーバントスクイズでした。その後はワイルドピッチから重盗など、多彩な攻めをしましたが。
 木内 (この試合の安打は6本だけ)打てない時は機動力で野球をやる。(相手の)キャッチャーが新しくなったらしいですよ。スキはそこにあるということでやってみたんですが、まあまあうまくいきました。
 ―守りの方では仁平君を先発にしました。 木内 仁平は打ちにくいんですよ。県大会では1点も取られてませんから、半分以上放っていましたけどね。たいしたことないピッチャーなんですけど、なんとなく打ちづらいタイプなんじゃなかろうかと。
 だから、甲子園でもやってくれるだろうと思いました。問題は先頭バッターなんですよ。これをどう処理するかで、良くなったり悪くなったりする。(初回を)三者凡退にしたので、自分らしいピッチングができたんだと思います。
 ―試合直前に、ベンチ内でミーティングしていましたが。
 木内 ほんとは気持ちの上では、きょうは絶対に負けちゃいけない相手なんです。向こうも二つ勝ってるから強いんですが…。きょうは負けちゃいけない相手とみなさんが見るだろうということで、私らもそういう意識になっていました。仁平が初先発ということで、だいぶ気を使ったんですが。だから、ピッチャーを援護する意味で「ランナーが三塁に来たらスクイズ!」と生徒らに言ってました。
 ミスから点数を挙げると、相手に与えるダメージは大きいんです。ミスが大ミスになっちゃうんですよ。ミスを点数にしなければ、記録上はそのミスは消えるんですが、ミスから点が入ると、子供に与える影響は大きい。
 ―仁平投手の先発は、勝った場合の連戦を考慮して?
 木内 磯部(エースの磯部洋輝投手・三年)を少し休ませてやりたい。これからの連戦を考えて、まぁ弱くても最後までやるということを考えるのが、監督の仕事ですから。そこまでピッチャーをどう使っていくかということで、ひとつ冒険をしたんです。
 その冒険のために、打って華々しく点数を取るというやり方じゃなくて、点数を積み重ねて1点やっていいよ、2点やっていいよ、という条件を作って若いピッチャーを放らせるという感じですよね。
 ―選手が目標にしていたベスト8、国体出場をクリアしましたが。
 木内 子供たちは最初から「ベスト8で国体に行きたい」と言っていました。子供たちと今夜、次の目標をどこに置くのか、話し合いたい。危ないのは明日なんですよ。一つの目標をクリアした後でホッとしちゃって…。
 きょうも相手は元気ないなぁと思ったんですけどね。追ってこないんですよ、淡泊でね。ウチも明日あたりがね、危ないんですよ。これが現代っ子でね。一つの目標が終わって「わー終わった」という感じでね。これで秋まで野球がやれるっていう意識ですか。
 国体に行くためにここで野球をやっているわけではないから、どれだけ三年生らが次の目標をどこに置いてどう戦っていくか、今夜、話し合いたい。
 私自身、(ミーティング)に出ていないから生徒らが何を話し合っているかよく分からないんですよ、聞いていないから。明日「何を話したんだい?」って聞くぐらいですから。あくまでも子供たちの意欲でね。上を目指したいなら私もまた協力をする、ということなんですよ。
 ―静岡は仁平投手の先発を予想していなかったと思いますけど。
 木内 でしょうね、私も予想してなかったから(笑)。ひと晩寝ないで考えましたから。こわいですよ、仁平を出すというのは。甲子園で初めてでしょう。出すんだったら前に一、二回放らせるんですけど、そんなゆとりのある試合はありませんでしたから。

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