−木内野球の夏が終わって−
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 20分と短い甲子園練習でメガホンを使って指示する木内幸男監督=8月5日、阪神甲子園球場


 【前回に続いて甲子園での戦い方を紹介。木内幸男監督はグラウンドの特性や球場の風まで、甲子園の至る所を詳細に分析。名将の鋭い観察力の一端を垣間見た】
 ―甲子園のグラウンドは、野球をする上でプレーしやすい場所ですか。
 木内 土はやりづらいね。夏は高校生用に砂を少し多くする。非常に砂っぽいグラウンドになりますから。最初に水をたっぷりまいて、固まって乾いてくると、試合の後半にはスパイクのくるぶしぐらいまで、塁の周りが潜っちゃう。
 だから、足から滑るタイミングはセーフなんだが、スパイクと塁の間に砂が入ってしまう。「なんでアウトなんだ」と思って、もう一度よくテレビ映像を見ると、砂の影響で文句なくアウトだと分かるんだ。そういうことが起きるから、甲子園では手から滑るしかないんだよ。まだ子供らにしゃべっていないけどね。足から入る人はアウトになる確率がうんと高い。
 それと一塁側へ飛ぶボールがよたっている動きをするんだよ。だから一塁ゴロが一番危ない。いい当たりは危なくない、球に力があるから。当たり損ねのゴロは変わるんだよ。
 外野はじゅうたんのようだよ。内野は地方のグラウンドの方が捕りやすい。ここは全天候型にしてるからね。雨が降っても、止めばすぐに野球ができるようにつくっている。大会が延期しないように、土は入れ替えているそうです、夏は。
 ―木内監督は「甲子園球場は左バッターには不利だ」と言っていますが。
 木内 そうそう、特にわたしらが試合する第二、第三試合は間違いなく浜風。朝晩は陸風が吹く。日立市民球場もそうですよ、海に近いところは。日中はね、浜風が強い。だからライトは非常に伸びづらい。
 左のホームランバッターはそんなに怖くない。右に飛ばす方が怖い。左バッターは犠牲フライはレフトに打つ。本当は左バッターがレフトに打つと飛びにくくなるが、風がある程度もってってくれるから。だから左バッターは少し流し打ちの練習をする。
 ―木内監督が最初にベンチに入ってチェックするのは土の状態ですか。
 木内 そうですね。地方球場でもそうですが、土の状況。足が取られる土かどうか、ここは乾いていて足を取られる、砂が多いんでね。ここでは人工芝のような野球をすればいいんですよ。人工芝的に足を持ち上げて動く。地方の球場では、逆に擦って動けと教えてる。
 ―甲子園に来ると落ち着きますか。
 木内 そうね、あした(八月六日)は甲子園の予行(開会式のリハーサル)、あさっては入場式で、おれには用はないと思う。あとは試合の前の晩に偉い人が来るからそこで、「こんちわ、こんちわ」する。すぐに終わるように、立ったままやってもらう。座ってもらうと長くなるからいすは勧めない。
 入場行進は何年も見たことがない。休養日だと思っているから。ホテルでテレビで見ているが、あしたからおれヒマ。(甲子園練習の時間が近づき)でも、気分は戦闘モードだよ、おれは。
  おわり


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