−木内野球の夏が終わって−
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 決勝に臨み木内幸男監督の表情は終始和やかだった=7月26日、水戸市民球場


 【引き続き、七月二十六日の県大会決勝戦直前の両監督のインタビュー。木内幸男監督のコメントで、藤代のエース美馬学投手(二年)に関する分析では、選手一人ひとりの能力・性格を見抜く「木内野球」の片りんを感じさせた】
 ―藤代で要注意の選手は。
 木内 やっぱり、美馬君から何点取るかなんですよね。取られることは覚悟してますから。美馬君は、立ち上がりが悪い日の翌日の試合には、だいたい2安打完封っていうタイプなんです。昨日(準決勝)よくなかっただけに、きょうは絶対いい。昨日の反省が生きる子だから、あの子は。今日は絶対いいと思ってます。
 (初めて全国制覇した取手二時代に、決勝でPL学園と対戦し)ウチ(=取手二)の三年が(当時PLのエースだった)二年の桑田(真澄投手=現・巨人)を打ったように、「二年生に負けてたまるか」というようなものを出してくれる子供たちだと、頼もしいんだが。その辺に、ちょっと不安があります。

 ―選手にどんな指示を与えましたか。
 木内 それはこれから。昨日のうちにやると、(選手は)考えてしまって夜眠れなくなっちゃう。ですから、きょうの戦い方を生徒に説明するというような時間を、朝になったら取るということです。前の晩はよく寝てもらう。そういう主義で、帰ってからミーティングはやりません。忘れちゃうこともあるからね。
 ―何点勝負と考えていますか。
 木内 うーん、4点だろうね。(これまでの秋と春の二度の対戦で)あのころよりも、ウチのバッターはストライク、ボールの見極めというのが30%ぐらい、多くできるようになってきた。
 美馬にはだまされるんですよ。ストライク、ボールの同じところに出し入れしますんで。でも、だまされる確率が少し減ってきたんで、もう少しとらえられるかなぁ、と思うんですが。
 彼は気が入っている時は、外野フライも打たせてくれませんから。低くてね。釣り気味に釣り気味に、厳格に言うとストライク一球あったかないかぐらい。自分がピンチの時は、そういうピッチングをする。
 こちらは焦って、打ちたいから打っていく。その時に、無理な球を打たせることができるピッチャー。だから4点取っていかないと、甲子園の道はないと思ってます。

 ―決勝の相手は木内監督の後任の持丸監督ですが。
 木内 私にとっては非常に気楽で、今までの中では、気分的には一番楽でして…。
 子供たちが(甲子園に)行きたがっているんで、勝たせてやりたいなと思う。私は十九回も行ってますんで、そんなにむきになって行くこともないんですが、去年行って未練を残してるんで、今年連れて行ってやりたい。
 もし、間違って向こうが勝てば、「監督さん、甲子園で夏の研修をしてらっしゃい」と言える立場にもありますから。
 ええ、試合になれば闘争心が出るんでしょうが、試合の前の晩に悩まなかったのは夕べだけでした。このチームを持って最近の十日ぐらいは夜中の一時、二時まで眠れませんでしたから。このチームを元のチームにどう戻そうか、ということばかりを考えていましたからね。

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