タ イ 1
高齢化最高権威センター/シニアボランティア
高田美奈子さん(70)本籍・つくば市
高齢者に栄養学を指導
独自に作成した資料が好評



高田美奈子さん=チョンブリ県の高齢者最高権威センター
 タイの首都バンコクから車で約二時間半。ビーチリゾートで世界的にも有名なパタヤがあるチョンブリ県に、保健省医療サービス局の高齢化最高権威センターがある。
 高齢者が健康な老後を送れるよう、医療、臨床指導、リハビリテーションなどを行う施設。温泉やサウナ、物理療法施設、研修ホールなどを備える。
 高齢者の栄養指導のため、昨年十二月から配属されているのが、シニアボランティアの高田美奈子さん=本籍つくば市=だ。

 ■きっかけ■
 千葉県松戸市生まれ。東京大で保健学を専行した。旧労働省労働衛生研究所や放射線医学総合研究所、東大公衆衛生研究所などに勤務した経験を持つ。
 十数年前、夫が脳こうそくになったため、日本の抗生物質を販売する香港の会社を切り盛り。東南アジア各地を飛び回ってきた。
 「完全に掌握してくれたので、去年までしてきた仕事を息子に譲った。でもまだ何かしたいと思っていたら、ちょうど新聞の広告で見たのがシニアボランティアの募集。私の経験だったらタイに要請があるから受けてみないか、と勧められ、半信半疑で試験を受けてみた」

 ■しごと■
 タイの高齢者に最近、肥満人口が増えている。無理のない健康的なダイエットや食事療法が求められており、先駆的な日本の知識や経験を伝えるため、高田さんが派遣された。
 「肥満の問題もあるが、タイの食事はタンパクが足りない。タンパク質が不足すると、甘いものが欲しくなる。砂糖も果物も安いため取りすぎる」と分析。
 糖尿病の食事療法として使われ、「八十キロカロリー」を一単位として一日にどれだけ食べればいいかを分かりやすく絵入りで説明した資料を独自に作成した。タイの人にも面白いと好評だという。
 栄養学で権威のある国立マヒドール大学で講義のほか、バンコク市内の病院で栄養指導も進めている。

 ■これから■
 一年間の任期は残り三カ月を切った。帰国までに完成させようと、活動の成果として三つのリポートに取り組んでいる。うち二つは同省や大学が発行する雑誌に発表される予定。
 一つはタイの食事の問題点と改善策。もう一つは糖尿病患者の栄養指導。さらに東京都老人総合研究所の意識調査をもとに、同じ内容でタイの高齢者を対象に調査したものを残せれば、と張り切る。
 休日には市場に出掛けて材料をそろえ、日本食を作る。食べたいものはほとんど手に入り、「食生活は楽」。
 父親がつくば市出身。姉が水戸市内の医院に嫁いでいる。つくば市に土地を持っており、「帰国後は茨城に住もうかと考えている」という。


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