タ イ 2
首都府消費者保護局
高原謙治さん(63)守谷市
消費者情報センター設立へ
「日本よりいいシステムを」




「タイとの関わりを続けたい」と話す高原謙治さん=バンコクの消費者保護局
 タイでは、日本の国民生活センターを参考にした消費者情報センターの設立が進められている。国民生活センター参与の高原謙治さん=守谷市=は、タイ消費者保護局(バンコク)のアドバイザーとして昨年十二月から赴任。ODA(政府開発援助)としての消費者支援策はこれが初めてという。
 「国民生活センターも反省すべき点はあるので、日本よりもいいシステムをつくりたい」と張り切る。

 ■きっかけ■
 沖縄県出身。宮崎大で化学、青山学院大大学院で経済学を学び、乳業メーカーに就職したが、「頑張っても利益が上がらないとむなしい」と国民生活センターに転職。理事を最後に退職した。
 退職直後の三年前、JICAの短期専門家として、消費者保護情報センター設立と情報ネットワーク構築の可能性調査に派遣された。タイでは日本の消費者保護の現状についても講演。「可能性あり」との答を出した。
 国民生活センターがタイから行政担当者四人を二年間受け入れて研修がスタート。これにも参加した。
 タイが好きになり、週一回、タイ語の教室に通って勉強。昨年、システムづくりを支援するシニアボランティアの公募を知り、「これは僕が行かなければならないと思った」。

 ■しごと■
 タイでは、消費者保護法に「消費者の権利」を明記。通信販売でもクーリング・オフ制度が適用され、PL(製造物責任)法上も商品に欠陥がないことを製造者側が証明しなければならないなど、進んだ面も多い。半面、苦情などの相談に関しては情報の蓄積も全国的な統計もないなど態勢的に遅れている。
 システムづくりでは苦情処理の様式を統一したり、標準キーワード方式による苦情のデータベース化など、ゼロからのスタート。将来はホームページからデータベースにアクセスしたり、消費者教育支援システムを入れることなども展望する。
 「日本人が作ったシステムとなったら終わり。アドバイザーに徹しながらも、前に出ないと先に進まない」といったさじ加減の難しさもある。

 ■これから■
 システムは二〇〇五年稼働を目指す。
 「ぜひ成功させたい。タイだけでなく、近隣諸国にもいい影響を及ぼすはず。いいモデルになれば」と期待。任期は十二月までだが、同庁から延長要請もあり、「来年のプログラミングまでは見届けて帰りたい」。
 帰国後は「まだゲートボールをする年齢でもないので、タイ語をもっと鍛えて、ボランティアでできることはないのか考え、タイと関わりのあることをやりたい」と日タイの架け橋を夢見る。

 【メモ】シニアボランティア(SV):ODAの一翼を担う事業で、一九九〇年にスタートした。今年三月現在で四十六カ国に派遣され、二〇〇二年度は男女四百七十八人の実績がある。県内からは今年四月時点で二十四人が派遣されている。対象年齢は四十歳以上六十九歳以下。期間は一年または二年。幅広い技術や豊かな経験を生かし、計画・行政、農林水産、鉱工業、保健・医療、社会福祉など九分野で活動。健康、技術力、語学力の三要素が要求される。


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