◇2◇ テコ入れ

圧勝の陰に巨大組織 永岡氏の議席維持、次が試練


 ◆温度差◆
 当選が決まり、満面の笑みを浮かべ、万歳する永岡洋治氏がテレビに映る。直後のインタビューで目頭を潤ませた。エリート官僚を捨て、政治の道を志して苦節八年。三度目の挑戦で得た栄冠だった。
 しかし、そんな永岡氏を見ながら、「やはり田舎の選挙、選挙区事情が分かっていない。次が本当の勝負。大変だぞ」との声が聞こえる。公認した自民党、推薦した公明党など、初当選を支えた関係者の間からも…。
 永岡氏の選挙スタイルは、街頭や小集会で政策を訴えるのが主体。普段からの戸別訪問、選挙期間中の握手などを好まない。当選後も、「この選挙で七区は変わったと思う。これからの選挙は政策中心…」と自信をのぞかせた。
 が、エリートゆえの盲点も多い。自民党県連関係者は言う。「政策なんて誰も聞かない。人柄を見る。真面目でも、冷たく映って損」。事実、参院補選と合同の街頭演説や集会だと、人垣は決まって岡田氏に。支持の温度差は大きいようだった。

 ◆別動隊◆
 選挙戦の最中、総和町の永岡選挙事務所は、とうてい勝ち戦のムードではなかった。「本当に大丈夫なのか」。そう思った来訪者も少なくない。公明党県本部の石井啓一代表もその一人。ほとんどの人が、大接戦を予想していた。
 ところが、結果はライバルの吉原英一氏に二万票差。常駐の自民党本部職員らは開票前日の二十六日、「七万五千対五万五千」とピタリ言い当てた。吉原陣営の追い上げも、巨大組織には及ばなかった。
 閑散として熱気に欠けた事務所と、 予想外に離れた得票。この激しい落差は、選挙を戦った実動部隊が事務所とは別にあったことを物語る。実際、五十人の同党県議や元県議が、慣れない七区の党支持者らを訪ね歩いた。
 中央からは、小泉純一郎首相はじめ、党三役や派閥領袖クラスも連日来県。公明党県本部も最終的に、かなりのテコ入れを行った。

 ◆最終決戦?◆
 当選間もない永岡氏だが、任期満了は来年六月までと決まっている。七区のカリスマ、中村喜四郎・元建設相は今、ゼネコン汚職の実刑判決を受け、刑務所の中にいるが、その時までには出所し、再起を期すとの見通しを誰もが疑わない。
 永岡氏の議席が固定するかどうかは、中村氏との直接対決いかんにかかる。「前回選挙後、選挙区を歩いていれば、もっともっと楽に勝てた。動き出したのは、一月に公認されてからだし…」。ある自民党県連幹部はそうつぶやく。
 別の自民党県議も指摘する。「今回は特別。他に選挙がなく、勢力を集中できたし、みんな永岡さんのためでなく、山口(武平)会長や、中村派との関係で全力を出しただけ。次は自立が求められるだろう」
 自民党本部選対、公明党県本部の幹部も、「東京六区の自民党劣勢は明らかで、ここで落とせば政局になってしまう。だから、本気になった面もある」とも。早期選挙も「ベリーウエルカム」とする永岡氏。風土になじむかも、一つのリトマス紙となりそうだ。


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