◇5◇ 善 戦

加藤氏、敗北に落胆なし 総選挙狙い目的達成?


 ◆3倍増◆
 四月二十七日夜、「永岡当選」をテレビの速報が伝えた。加藤真砂子氏の得票は約半分で三位。水海道市の事務所で、加藤氏は「有権者に浸透しなかった」と唇をかんだが、選挙区事情を知る関係者の間では、「かなりの善戦」との認識が強いようだ。
 翌日朝の新聞は「惨敗」とする記事が多かったが、両党にとって七区は不毛の地。前回総選挙で、自由党から出た元自民党参院議員、野村五男氏は約一万二千七百票だった。加藤氏の得票は野村票を三倍増させた、とも読める。
 自由党は、前回総選挙の県内比例で十九万八千票を獲得した。一九九八年参院選比例票から倍増したが、県連は選挙後に幹部間の内紛で解散。一昨年の参院選も幹部が対立し、加藤氏の得票は十万票にとどまった。
 今回の選挙は、民主党や連合茨城が支援し、四人の中で唯一の女性候補とはいえ、三万五千票はなかりの善戦といえる。加藤氏も「参院選より、かなりの票が取れた」と強調、手応えを感じている様子だった。

 ◆空中戦◆
 選挙戦は、党中央や民主党などが頼りだった。事務所は、党中央の選対が切り盛り。渡辺秀央・選対委員長兼幹事長代理が、ほぼ入り浸り状態で選挙区を駆け回った。民主党県連幹部も相次いで訪れ、合流を視野に両党の連携ぶりを見せた。
 七区は「中村王国」であり、「自民党王国」でもあった。中選挙区時代の旧三区は、赤城派、丹羽派、北沢派、中村派が競合し、定数五のうち三議席が指定席。労組の組織率も低い。七区エリアは特に、非自民にとって不毛の地といえる。
 加藤氏は二年前、参院選に出たとはいえ、地元の水海道市を除いて知名度は低い。人手も少ないため、ドブ板選挙にも限界がある。小沢一郎党首ら、両党幹部の高い知名度で票の上積みを図ることに徹した。
 小沢党首は二度三度と選挙区入り。民主党も告示後、岡田克哉幹事長が出陣式に出席し、期間中には鳩山由紀夫・前代表、最終盤の二十六日には菅直人代表も駆けつけ、街頭でマイクを握り、加藤氏への支援と政権交代を訴えた。

 ◆展望◆
 加藤氏の当選は、最初からあり得なかった。陣営の中にも、信じた人は皆無に近い。では、いったい何のために出馬したのか? 「次回総選挙への布石」だという説がある。参院補選、来年の参院選では、当選の可能性がないからだ。
 一つのうわさがある。「そもそも、最初から次期総選挙が狙いでは。この得票と惜敗率なら、重複立候補さえすれば、比例区で当選は可能なはずだ」と。単なる結果論ではない。出馬表明した当初からの観測だった。
 惜敗率とは、当選者に対する各自の得票比率。実際、加藤氏の得票を惜敗率に換算すれば、当選した永岡洋治氏の約五割に当たる。次期総選挙でも、同程度の結果を得られるならば、衆院に議席を得る可能性があるわけだ。
 民主党は加藤氏を推すから、惜敗率が高くなる公算が大きい。その分、六区の二見伸明・元運輸相が苦しくなる。相手は自民党現職であり、民主党も独自候補擁立の方針だからだ。「苦悩解消は両党合流しかない」の声も聞こえる。


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