◇7◇ 幻の共闘

民由社協力は実現せず 報道先行で社民党内が反発


 ◆連携模索◆
 自由党の加藤真砂子氏は当初、民主党と連合茨城の推薦に加え、社民党の支持をも得られる手はずだった。三党の県内幹部らが協議して、自民党、公明党、保守新党の自公保連立に対抗、「民由社統一候補」とする話もあった。
 もちろん、戸惑いもあった。護憲が党是の社民党にとって、改憲を口外する自由党は、感覚的に自民党よりも遠い存在。「テーマごとの国会内共闘はあっても、公認候補を支援することはあり得ない」というのが常識だった。
 そこで、自由党本部の渡辺秀央選対委員長が、社民党本部の渕上正雄選対委員長に要請。県内でも民主党県連の大畠章宏代表、自由党の二見伸明・元運輸相、社民党県連の川口玉留代表らが会談し、「小異を残して大同につく」で一致した。
 背景は、ゼネコン汚職裁判で、中村喜四郎・元建設相が有罪確定、議員失職したのに伴う選挙の特殊性。反金権の党が、「不戦敗」ともいかず、独自候補を立てる力もない。連立与党の圧倒的な数を前に、野党間協力の必要に迫られてもいた。

 ◆統一戦線◆
 三党が期待したのは、国政での野党議席増、国会共闘に限らない。県議会の八割など、圧倒的な数を誇る茨城自民党、強固な保守地盤に風穴を空けるのが目的。相互の選挙協力を行い、地方議員を増やそうとした。
 「少し古めかしい表現だが、反自公保統一戦線を結成する。加藤さん支援と、統一地方選の相互支援も決めたい」。三党県代表、幹事長クラスが会談した三月末、社民党県連の川口玉留代表は、三党の選挙協力の意義を強調した。
 本部に当たる党全国連合も、その意義を認めていたようだ。本部選対も県連首脳らも、「憲法観の違う他党の公認候補を、『推薦』することはできないが、『支持』なら十分に検討の対象となる。ダメなら『協力』でもいい」と言っていた。
 民由両党と違い、今回の衆参統一補選で、支援を受ける選挙区はない。県内に限れば、来夏の参院通常選や衆院選でも、ギブ&テイクどころかギブ&ギブが実情。それだけに、市町村議選が重要で、とりあえず土浦市議選で、川口代表を推すことが語られていた。

 ◆うたかたの夢◆
 「明日の常任幹事会で支援を決める」。川口代表は熱っぽく語ったが、その二月二十一日の常任幹事会を欠席し、大嶋修一幹事長も遅刻で、加藤氏支援は議題にもならない。当日朝の新聞が、「加藤氏推薦決定へ」と報じ、県内の党員らが猛反発したためだった。
 「『推薦』と『支持』は似て非なる。天地ほど違うと言っていい」。ある労組幹部は言う。推薦は通常、選対に人を出すことを意味し、支持は事務所にポスターを張り、チラシを置くなどのほか、内々に投票を呼び掛ける程度となる。
 最近、名前だけの推薦が増加。「支持」まで踏み込めない場合の「協力」「指向」と、様々な政治用語が発明されているが、基本は推薦と支持の二つと言っていい。そして、組織政党はその違いに敏感だった。
 まして、改憲の自由と護憲の社民は距離が大きい。「憲法改正問題は将来の課題。先送りし、現状の問題を優先する」。川口代表、二見・元運輸相は一致したが、公認に準ずる推薦となれば、古参党員らの反発は免れない。市町村議選の相互支援も消滅した。


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