◇13◇ 雪辱戦

連合茨城復権へ手掛かり 取手市長に労組幹部


 ◆身内が市長に◆
 取手市長選で、連合茨城の下部組織、県南地協の議長、塚本光男氏が初当選を果たした。元自民党県議の現職市長、大橋幸雄氏に約二千五百五十票差をつけ、連合にとっては、初の組織内市長誕生だった。
 三選を果たした水海道市長、遠藤利氏も元関東鉄道労組委員長。直系で、労働界の実力者だったが、市長になった時は現役を退いている。会長職にとどまり、関鉄労組は組織内としたが、連合としては準組織内の扱いだった。
 しかも、土着の遠藤氏と違い、塚本氏は元々が新住民。市役所の職員とはいえ、市内の組織人員もさして多くない。上滑りの不安もあったが、連合茨城が総力を挙げ、接戦の予想を覆して市長の座を射止めた。
 遠藤氏も安定した戦いで、若い次点候補に約一千四百票差で三選。茨城町長選も、職員組合や議会と対立した現職、木村睦氏と全面対決し、不利とされた予想の中、自治労県本部が町議会と組んで、連合茨城が推薦した元県警幹部、佐藤順一氏の初当選を実現した。

 ◆初の組織割り◆
 定数が三つ削減された水戸市議選では、民主党一人、社民党二人、民主推薦の労組系無所属一人と、初めて推薦した候補に、連合主導で傘下労組の振り分けを行った。過去二回の県議選、総選挙のように、共倒れは避けたかった。
 労組の組織割りには訳がある。二〇〇一年夏の参院選以降、労働界や民主・社民の退潮傾向は明らか。加えて、民主の新人は二十五歳、社民の新人も三十一歳と若い。知名度に限界があり、組織票を担保して底上げする必要があった。
 特に、労組の組織力結集に腐心する。責任労組に選対本部長、事務局長を割り当てた。民主の新人には全逓や情報労連、社民の新人は茨教組と私鉄、無所属現職は出身の電力総連など。社民の現職は、推薦依頼が遅れたが、出身の自治労が切り盛りした。
 労働界はかつて、同市議会に社会党五人、民社党一人の計六議席を持っていた。定数が三つ削って最初の選挙だけに、四人全員の当選は上々の結果と言える。連合茨城政治センターも、「力強い支援、協力が見事に結集したと自賛する。

 ◆勝率93%◆
 連合茨城は今回、衆院七区補選一人、市町長選六人、市町議選二十六人の三十三人を推薦した。首長選は無競争を含めて全勝で、全体でも衆院補選を含め三十勝三敗。地方選だけの勝率は93・8%だった。完勝と言っていい。
 統一地方選は、労働界の復権を賭けた戦いだった。一昨年の参院通常選では、民主党現職の小林元氏を、順当に当選させたものの、比例選挙の県内得票では、初めて公明党に敗れて第三党に。全国的にも惨敗だった。敗れれば、連合の政治力は地に落ちかねない。
 特に、来年は参院通常選が控える。現職の郡司彰氏は、元県農協労連書記長。連合としても、身内中の身内だけに落とせない。笛吹けど踊らない昨今の労組だが、取手や水海道の市長選、茨城町長選、水戸市議選などでは本気になった。
 それだけに、同政治センターも結果を前向きに評価する。十五日に大洗町で開かれた三役会議、執行委員会では、岡野文昭事務局長が「特に、取手市長選は展望を切り開く勝利」と総括。総選挙、参院選に向けた早めの準備を訴えた。


1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25