◇16◇ 自社連立

水海道市もねじれ選挙 市長選と衆院は連動


 ◆延長戦◆
 水海道市は政争が激しい。市長選は過去四回、元労組幹部の遠藤利氏、中村喜四郎・元建設相に近い前市長、神林弘氏の激しい一騎打ちで二勝二敗。五度目の対決は、市職員の永野博敏氏が加わり、三巴(どもえ) の戦いを遠藤氏が制した。今回は、暮れの県議選の延長線だった。県議選は、自民党県連の山口武平会長、中村喜四郎・元建設相が、水海道市でも激しい代理戦争を展開。中村派が推した市議、長谷川典子氏の前に、会長側近の自民現職、杉田光良氏が涙を飲んだ。
 しかも、単なる「山口・中村戦争」ではない。市内のある事情通は、市長選の前哨戦だったと証言する。「杉田さん、遠藤さんは、後援会の関係者がほとんどダブっている。反遠藤派は、市長選に活路を求めて中村派と組んだ」。
 遠藤氏の前職は、私鉄総連の関東鉄道労組委員長。私鉄は社民党に近いが、遠藤氏と自民の関係も深い。遠藤氏の出陣式で、杉田氏は壇上に上がらなかったが、選挙戦の最中に山口会長が来る計画も。永岡洋治氏が、衆院七区で苦戦。実現しなかったが…。

 ◆笛吹けど…◆
 分裂状況は、保守派・自民系に限らない。連合茨城と民主党県連は、市長選で遠藤氏、市議選で高杉徹氏、衆院七区補選も同市の開業医、自由党新人の加藤真砂子氏を推薦した。連動できればいいのだが、複雑な人間関係がそれを阻止する。
 遠藤氏と関鉄労組、水海道地域協議会は、加藤氏との関係がかんばしくない。対立の起源は八年前の市長選。遠藤氏と近所の加藤氏が、神林氏の応援をしたと噂された。デマと分かるが、溝はそのまま埋まらず、高杉市議とも仲は良くない。
 しかし、加藤氏の父は先々代市長、落合庄次市長の後援者で、遠藤氏は落合後継と、かつては親しい関係だった。九四年の県議選は、加藤氏に側面協力したが、九八年の県議選は、民主、連合が推薦しても、地協が動かない今回の構図に。
 このため、加藤陣営は人手に苦しむ。組織のない自由党は、本部の渡辺秀央選対委員長が再三、連合茨城の海老沢政次会長に支援を要請。海老沢会長は、「思いはわかるはず」としたが、現場は笛吹けど踊らずの状況だった。

 ◆後継は誰?◆
 古い遺恨で、自由党の望んだ結集は破たんする。市長選は事実上、村山・橋本内閣風の自社連立路線。衆院補選は、民主党との合流や七区、参院選の相互協力など、両党の思惑が先行するばかりで、支持組織の足元には連動しなかった。
 それでも、加藤氏は同市で一万二千票を得てトップ。市長選の遠藤氏より二千票近く多い。七区全体でも、当選した永岡氏の約半分を得た。総選挙で重複立候補し、ほぼ同数を確保できれば、比例区で議席を得る可能性が残る。
 同時に、昨年暮れの県議選と今回の市長選、市議選の結果、四年後に微妙な影響があるようだ。ある事情通は言った。「遠藤さんは七十五歳。四選はない。神林さんは、今回三位となったことで、次の芽はなくなったと言える」。
 別の政治関係者も指摘した。「以前は、長谷川さん後継説があったが、県議選の流れから難しいだろう。次点の永野(博敏)さんも、有力候補には違いないが、市議選でトップ当選した高杉さんも、後継者の資格を得たんじゃないかな」。


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