NPO編7 つくば環境フォーラム(つくば市)



雑木林で下草刈りや落ち葉かきなどに取り組む参加者=つくば市下平塚
里山保全と再生に取り組む

「オオムラサキのすむ里山」を目指し、つくばエクスプレス(TX)沿線地域などで、里山の保全、再生事業に取り組む。

代表の田中ひとみさんは、牛久市が運営する「牛久自然観察の森」の元レンジャー。市民に里山の自然を体験してもらう活動に携わってきた。

レンジャーを務めた約十年間、里山保全の必要性がうたわれる一方で、現実には、平地林や谷津田の荒廃が進行。「市民に自然を体験してもらうだけでは、なにも進まない。地域の自然を守ってくれる担い手を育て、保全する仕組みをつくりたい」と、二〇〇一年、職場を退職して、NPO法人を設立した。
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現在、TX沿線のつくば市下平塚で、地権者と共に、雑木林の手入れなどに取り組むほか、同市吉瀬の谷津田でメダカの救出や水路の復元などに取り組む。同市遠東の「ゆかりの森」では、幼児と母親を対象にした自然体験教室を開催。さらに筑波山ではブナ林の調査と保全に取り組むなど多彩な活動を展開。つくば市から委託を受けて、自然体験講座「筑波山麓(ろく)自然学校」なども開いている。

筑波山から霞ケ浦沿岸までが活動エリア。「地域に残る自然の質、生き物の多様性をこれ以上失わないように、現在残っている自然をモザイク状に結び付け、自然のネットワークをつくって、地域の自然環境をトータルで保全するのが目標」という。そのためには、どの地域に、どれくらいの面積で、どのような手法で人がかかわったら多様性が維持できるのか、試行錯誤しながら、保全の仕組みづくりを模索している最中だ。将来的には「行政に政策提言できれば」という。
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一方、実際に取り組む中、「たくさんの壁にぶつかってきた」という。最大の課題は資金確保だ。平地林や谷津田は、経済性が低下したために荒廃が進んだ。市民ボランティアに頼るだけでは限界がある。

「里山を残すためには、環境保全が経済的価値を生んでいく仕組みづくりが欠かせない。そのためには地域の活性化とセットで取り組むことが必要」と田中さん。

現在、里山の保全事業では、雑木林の下草刈りだけにとどまらず、落ち葉を利用して堆肥をつくり、畑の肥料にして作物を育てるなど、循環のモデルづくりに取り組む。

さらに、保全事業をグリーンツーリズムなどに結び付けることも視野に入れる。

「TXが開通すれば、つくばは東京の通勤圏になる。つくばで保全活動に参加し、自然を体験する人が、つくばに滞在してくれれば地域の活性化につながる。将来、つくばに移り住んでくれることもあるのでは」と田中さんは話す。

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