T X 沿 線 開 発
「田園市街地」危ぶむ声
4割の緑確保できるか?
「田園市街地」―。市が掲げたつくばエクスプレス(TX)沿線開発地域の目指すべき将来像だが、田園市街地は本当に形成されるのか。地権者から危ぶむ声が上がっている。

沿線開発の在り方として、市は一九九七年、沿線地域都市計画マスタープランを策定、市民参加による緑を基本としたまちづくりを打ち出した。続いて「地域整備懇話会」「土地活用等具体化方策検討会」を設置し、田園市街地を実現させるための緑のまちづくりの具体的方策を検討。「開発地区およびその周辺部におおむね40%の緑を確保する」と目標に定めた。

二〇〇一年三月、同検討会で目標達成の目玉として示されたのが「民有緑地」や「集合農地」の設定だ。住宅用地内に、既存の樹林地を永続的に保全する民有緑地や、農地を保全し市民農園などとして活用する集合農地という新しい土地活用策だ。地権者は、申し出換地により、住宅用地内に樹林や農地を保全することができる。これら新制度の導入により、住宅用地に19―25%、公共用地7―15%、合わせて開発地区内に30%の緑を確保。さらに周辺部の平地林や屋敷林と合わせて40%の緑の確保を目標とした。

現在、市内五地区の沿線開発地区のうち三地区で申し出換地が終了。換地の供覧など仮換地の手続きが進行中だ。

ふたを開けてみると、民有緑地や集合農地を選ぶ地権者は少なく、申し出換地を受けて作られた土地利用計画では、いずれの地区も、民有緑地や集合農地として残される樹林や農地はわずかとなっている。

一方で、こうした結果は早くから地権者から指摘されていた。「先買い型区画整理という制度の仕組み上、(地区内30%という)緑の確保はできない」という指摘だ。

地権者は「先買い型区画整理事業は減歩によって公共用地と工事費用を捻出(ねんしゅつ)しなければならず、四割減歩の中から公園・緑地に当てられるのは、公共用地の20%、保留地の15%を差し引いた残り5%に過ぎない」「地権者が山林や農地の保全を望んでも、宅地化を前提とした土地利用として換地され、宅地として課税評価を受ける」と説明する。地区内で30%の緑を確保するための制度上の担保が、最初からなかったという指摘だ。

来年秋のTX開通に合わせて、沿線開発事業施行者の県と都市再生機構は、大々的にまちびらきイベントを開催する。

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