公共交通
まず市民ニーズ調査を
TXは車社会転換の契機

市内13コースで運行されている福祉バス「のりのりバス」

「つくばエクスプレス(TX)開通をきっかけに、市全体の公共交通を画期的に向上させてほしい」と、研究交流団体「筑波研究学園都市交流会」(筑協)理事長の合志陽一・国立環境研究所理事長は期待する。

筑協は市内の国立系研究機関、民間企業など百二十三団体で構成。これまで実施された調査でも、公共交通の充実を求める研究者のニーズは大きい。来年秋のTX開通は、マイカー依存のまちから転換を図る「またとないチャンス」と期待が高まる。

「つくばで学会を開いても、各地から集まった人たちが、ホテルから会場までスムーズに行けるバスがない」と若手研究者。「国際会議場はあっても、市内の各ホテルと国際会議場を結ぶバスがないので、国際的な学会は開きにくい」との指摘もある。

筑協は現在、会員の研究機関などを対象に公共交通問題のアンケート調査を実施。回収結果を取りまとめている最中で、近く市に提言する方針。各研究機関が所有しているバスに一般の人も乗車できるようにして公共交通に活用したらどうか、などの案を検討中という。

これに対して市は、来年秋の開通に合わせて、現在十三コースで無料運行している福祉バス「のりのりバス」を廃止し、十四コースで乗車料金百円か二百円の有料のコミュニティバスに切り替える方針を示している。

ルートは現在運行しているコースとほぼ同じで、それぞれ新たにTXの駅に乗り入れるルートを追加。さらに内回りと外回りを設けて、運行本数を現在の二倍に増やす。運行時間帯もTXの通勤客が利用できるよう午前六時から午後十時ごろまで延長する方針だ。

市の取り組みに対して、市民から批判の声が出ている。市が、市民の意見を市政に反映させようと、市民を公募して設立した政策提言団体「つくば市民環境会議―自家用車に依存しないまちづくり部会」部会長の栗山洋四さんは「マイカーに依存しないまちづくりをしようと、これまでいろいろな提言をしてきたが、市の反応はさっぱり。市には車を減らそうという考えがないのではないか」と批判する。

同会議はこれまで、バスルートの変更、運行時間の延長▽歩行者道・自転車道の改善▽乗り合いタクシー、カーシェアリングなど新しい交通手段の導入▽駅や商業施設、公共施設のアクセスは車より徒歩、自転車を利用する―など、都市の在り方をマイカー依存から公共交通が充実したまちに、根本から転換するよう求めて総合的な提言をしてきた。

今年二月には「過度のマイカー依存からの脱却」をテーマにシンポジウムを開催。都市や交通問題の専門家が、外国の先進的な取り組みを紹介したほか、マイカー増加に伴う交通事故増加など新たな問題も指摘された。

市の福祉バスの利用者は増えているものの、現在まだ十三コース平均で、一日七十三人(今年七月)に過ぎない。

栗山さんは「鉄道が通るのだから、まず市民全体のニーズを調査し、市民の意見を聞く会をつくるべき。市民全体がバスのコースづくりに関われば、市民も積極的にバスに乗るようになる」と話す。

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