連載 市制60周年 土浦の胎動

第1部 中心市街地活性化

B郊外型への危機感

カワチ出店、大型SCの計画

 土浦市中高津の旧国道6号沿いの工場跡地に、郊外型ドラッグストアを展開するカワチ薬品(本部・栃木県小山市)が、今秋のオープンを目指し、「土浦店」の建設を進めている。医薬品以外に雑貨や食料品なども扱うという業務形態はスーパー並み。同市下高津の市街化調整区域にも、大手スーパーのジャスコを核テナントとした大型ショッピングセンターの建設計画が持ち上がっており、土浦駅前の中心商店街では「大きな打撃を受けるのは必至」と危機感を募らせている。
 市内の商店数は千六百二店、売り場面積は二十万三百八十一平方b(一九九七年商業統計調査)で、水戸市、日立市に次ぐ規模となり、これだけをみれば「県南の商都」。
 しかし、「土浦市の商業と観光」(土浦商工会議所)によると、売り場面積が三千平方b以上の第一種大型店は十店舗(九九年三月現在)ある中で、土浦駅前の大型店は「丸井土浦店」と「駅ビルウイング」「モール505」「駅前再開発ビルウララ」。それ以外は広いスペースの駐車場が確保できる郊外に進出。売り場面積が五百平方bから三千平方b未満の第二種大型店(三十三店舗)になると、ほとんどが郊外だ。カワチ薬品、ジャスコのショッピングセンターとも第一種大型店に該当する。
 カワチ薬品の土浦店オープンに際し、同会議所がクレームをつけた。建設地(約一万六千七百平方b)の出店調整は八一年に土地を購入した忠実屋時代に行われており、「当時は地元専門店が共同して参加する形態だった」と反発。今年五月中旬にカワチ薬品が関東通産局に出店の届け出を提出したのを受け、同局に「中小零細業者への影響が大きい」として意見書を提出したのだ。
 忠実屋は、地元の商業者とともに建物を建設し、高津ショッピングセンターを計画していたが、景気低迷でとん挫。九四年に忠実屋がダイエーに企業買収され、土地所有者もダイエーに。今年四月にダイエーからカワチ薬品が購入。同会議所にしてみれば、地元主導のショッピングセンター計画での商業調整が生き、そのまま一社のみの計画になったことに対する抵抗だ。この問題は大規模小売店舗審議会(大店審)が審議。関係者によると、カワチ薬品は出店届け出時の売り場面積(約三千四百平方b)を約三千百平方bに修正したという。
 一方、ジャスコのショッピングセンター計画をめぐっては地元から計画推進、同会議所からは反対の意思表示がされ、市と市議会では対応に苦慮している。計画案では総面積約二十二万平方b、 延べ床面積約七万平方b、 売り場面積約四万五千平方bで、実現すれば県内最大規模。売り場面積はウララの約三倍にもなる。当然、計画が実現すれば中心市街地の空洞化に拍車をかける。
 同会議所が九月定例市議会に提出した反対陳情は「中心市街地に隣接するショッピングセンター建設計画は、市の土地利用計画、商業施策の方向とはかい離している」と約六千六百人の署名簿を添えた。
 しかし、地元地権者は「農業従事者の高齢化で耕作の維持は困難」としており、十eあたり約百万円(年間)ともいわれる土地の賃貸料は魅力だ。地権者らで構成する高津地区開発協議会の役員は「新たにショッピングセンターができることは市の活性化につながるのではないか」と言う。なかなか市の態度が示されない中で、協議会では先月末に会合を開き、ジャスコの担当者から出店意欲のあることを確認した。「(ジャスコ側が)嫌気をさして逃げ出すのが心配だった。市が早くゴーサインを出してくれなければ、先に進めない」と役員。地元地区長を代表に、六月定例市議会には約三千七百人の署名を集めて提出したが、今度は二万人を目標にした署名運動を展開している。
 市は、計画地が農地であるため、「商業系施設の利用は適切ではない」との立場を取っている。現在、来年度から始まる第六次総合計画を策定中で、この中にどう位置づけられるかが注目される。
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