連載 市制60周年 土浦の胎動

第1部 中心市街地活性化

C大型店舗の空き店舗対策

旧小網屋は暫定利用の動き

 今月十三日の土浦市議会・産業経済委員会。「西友跡地への場外馬券場売り場の進出はなくなりました」。藤本明人助役は、西友からの回答を報告、関係者による跡地利用は宙に浮いてしまった。土浦駅西口前の中心市街地では、大型店舗の撤退・閉店が相次ぎ、空き店舗となった跡地利用対策が緊急課題だ。
 撤退した西友土浦店跡地への日本中央競馬会(JRA)の場外馬券場売り場の誘致活動は、空き店舗を埋めると同時に、中心市街地の活性化を期待するものだった。地盤沈下に危機感を抱いた西友と地権者は今年一月、誘致を求める要望書を、また五月には地元の大和町と川口一、二丁目が「中心市街地衰退の歯止めになり、集客力と波及効果は計り知れない」との要望書をそれぞれ市に提出した。
 今年四月、「中心市街地活性化基本計画」を審議してきた策定委員会(熊谷良雄委員長)が、助川弘之市長に提出した提言書でも、大型店舗を中心とした空き店舗対策を急務とすることが示された。しかし、場外馬券場売り場の誘致に関しては異論が出ていたのも事実。久松猛市議(共産)は「(視察した)馬券場売り場の周囲には一般の住民はいない。一角が隔離されているようだった。土浦をそんなまちにはしたくない」と言う。
 そんな中、七月末に空き店舗の有効活用を推進するため、同市や土浦商工会議所(神林正雄会頭)、土浦商店街連合会(瀬古沢拡会長)などで「中心市街地空き店舗対策協議会」(瀬古沢会長)が組された。
  駅前では、地元の「土浦京成百貨店」が一九八九年一月に閉店した。その後、九七年八月に「イトーヨーカドー土浦店」が、 駅前再開発ビル「ウララ」の核テナントで入居するために移転・閉店、ウララがオープンしたちょうど一年後の九八年十月には、「西友」の国内一号店である土浦店が撤退。昨年二月には地元の老舗(しにせ)百貨店「小網屋」本店が店を閉めたほか、今年六月に入ると「土浦東武ホテル」が閉鎖した。
 イトーヨーカドー旧土浦店と旧西友土浦店、旧小網屋本店の三店舗をあわせた敷地は計約一・一二f。 売り場面積は約三万二千五百平方bに上る。
 土浦京成の跡地(約二千三百六十平方b) はその後、地権者の保険会社から、同市観光協会(会長・助川市長)が借り受け駐車場として活用。九七年は約二千五十四万円、九八年は約千九百六十万円の収益があったが、最近は収入も減少している。
 一方、建物が残っている他の大型店舗の状況は、イトーヨーカドー旧土浦店は老朽化で、大きな地震に耐えられるような構造ではないため、そのままでは使い道は見込めないが、旧小網屋では、具体的な空き店舗対策として今月二十二日から年末までの三カ月間の暫定とはいえ、上野アメ横商店街連合会(檜山健一会長)の「二木の菓子」など八店舗が出店し、「アメ横分店」が開設される。
 対策協議会の瀬古沢会長は「既に旧小網屋の一角を使って起業家向けのチャレンジショップが開設されており、周辺の商店街ではアメ横のオープンにあわせて、協賛セールを予定している」と歓迎している。
 ところが、旧西友土浦店、東武ホテル跡地は深刻。というものも、撤退後も賃貸契約期間が残っているため、収入がないまま家賃だけは支払い続けているためだ。
 東武ホテルは科学万博開催前年の八四年にオープンした。地権者との契約期間は二十年間で、約四年残しての「解約」。地権者らは「一方的な解約だ」。関係者は「東武は年間で約一億六千八百万円の賃料を支払っているが、契約を四年残しての撤退で賃料の残金はどうなるか」。仮に建物を解体すれば、費用は約二億円かかるものとみられる。建物は残し、内部を改装して新たなホテル業者に賃貸するとの話もあるが、最近は地元商業者が建物を引き継ぐとの案が浮上、明るい兆しも見えてきた。
 地元関係者によると、地元で管理運営する会社を設立し、ホテルやレストラン、事務所など入居させるというもので、既に地権者や東武側にも意向を伝えているという。行政にとって、空き店舗解消が当面の課題であることは言うまでもない。
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