地権者 飯島 喜代志氏

借上型県営住宅建設を申請/万博記念公園駅前に

■いいじま きよし■
つくば市島名生まれ。芝浦工業大卒、半導体関連会社を退職し、不動産管理会社社長に就任予定。54歳。
つくば市島名地区の地権者二人と共同で、TX万博記念公園駅前に「借上型県営住宅」の建設を申し出た。地権者などが建設した賃貸住宅を、県が県営住宅として二十年間借り上げる制度だ。

県の審査に通り採用されれば、地権者三人で不動産管理会社を設立、社長に就任する予定だ。島名地区の起爆剤になると期待されている。

県営住宅は八階建てで、二階から八階が住宅、一階は店舗となる。駅前ロータリーに面した約三千四百平方メートルに五十戸を建設する計画だ。

総事業費は約九億円。県から一部補助を受ける。決定すれば八月に着工、来年二月に完成する予定。

「住宅部分はすべて県が借りてくれる。一階のテナントに店舗や事務所が入居してくれるかどうか」が成功の鍵となるという。

昨年四月、半導体関連会社を早期退職。単身赴任先の青森県から生まれ故郷に戻ってきた。

「つくばは外から見ると、気候が温暖で自然災害も少なく、住むにはいいところ。首都圏から近いけれど、コンクリートに囲まれていない。人間本来の生活ができる環境がある。庭付きの家でゆっくり、のんびり過ごせるところ」とふるさとの良さを語る。

島名地区は研究学園都市の建設地区から外れていたため、農村風景がそのまま残っている。

TX開通について「これまで生活するには不便だったが、地元に駅ができることによって利便性が増大し、土地の価値がまったく変わる。今までは田んぼと畑だけの価値しかなかったが、利用できる可能性が出てきた」と受け止め、ビジネスチャンスととらえる。

「鉄道がないという学園都市のネックが解決することで、車中心プラス電車のメリットが出てくる。これまで東京に行くには一日掛かりだったが、これからは午前中つくばで仕事をして、午後から東京に行くなど、暮らしや仕事のスタイルが変わるはず」という。

一方、地元地権者として危機感もある。「事業に失敗すればすべて無くすというのは研究学園都市の建設で経験済み。地権者にとって、うまく土地を活用できれば現状維持。何もしないでいたら税金でみな取られてしまうのではないか」という危機感だ。「気が付かないうちに首都圏から大手企業が来て、あと二、三十年たつと首都圏と同じになってしまうのではないか」とも。

何かはしたいけれど、どうしていいか分からないという地権者は多いという。

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