常陽銀行公務渉外部次長 長谷川隆久氏

教育で魅力あるまちに/「知の利」生かす官民連携を

■はせがわ たかひさ■
水戸市生まれ。明大政経学部卒。1989年の県庁支店時代、県の企画部門などを担当、常磐新線推進を側面的に協力した。地域開発部東京駐在時代も、常磐新線PJ推進協議会の設立に携わり、県庁支店に副支店長となって以降も、茎崎支店長、現職とTXに関わり続けている。52歳。
「一挙にまちづくりを進めるのは、難しいかも知れないが、他県に比べて茨城の潜在力は高い。地元の活性化につながるように、金融面ばかりでなく、コーディネーター役としての側面からも、銀行の役割を果たしていきたい」と、TXに、地域発展の可能性を感じている。

常陽銀行県庁支店時代以来、さまざまな形で常磐新線プロジェクトに関与。県職員とも多くの議論を通じて、親交を深めてきただけに、TXへの思いは、銀行マンとしての立場を超えて人一倍強い。

つくばは、筑波大学と国の研究機関誘致など、国策として研究学園都市が建設され、一九八五年の筑波科学博を契機に、研究開発型企業の立地も進み、地元にも新たな雇用創出をはじめ、大きな経済効果をもたらした。

当時は鉄道、首都圏直通の高速バスもなく、首都圏からの通勤通学が不便だったため、学園都市地区を中心に借り上げ社宅などの住宅需要が発生。地元地権者などは一定の恩恵を受けた。それが今、二十年を経て契約更新時期を迎えている。

「TX効果でマンション建設も進むが、地域内での住み替え需要だけでは、プラスマイナスゼロとなる。県外からの居住人口をいかに増やすか。思い切った仕掛けも必要」と思案顔に。

日本は間もなく人口減少期に。これに伴い、他県との地域間競争、沿線開発地域と旧市街地との競合も発生する。「鉄道ができても、自然発生的にまちができるわけではない。子育て世代に住んでもらうためのアピールも必要」とする。

カギは、生活者にとっていかに魅力ある地域として差別化できるか。「仕掛けの一つは教育。安心して子供を通わせることができる施設、環境の整備や有名校や大学の誘致も重要。割安なだけでは、こちらに住む材料としては弱い」との指摘も。

高度成長期、バブル経済期と異なり、大規模な開発がすぐに地元利益に直結するような時代ではない。「時間はないが、地域のコンセプトを明確にしながら、さらなるつくり込みができれば…」とする。

その上で、「つくばの『知の利』を生かし、真の官民連携(パートナーシップ)がうまく機能すれば、魅力ある街づくりの実現は可能。銀行マンとして機会に恵まれたのは幸い。この間に築いたネットワークを生かし、地元全体の利益につながるようお役に立ちたい」と静かな意欲を燃やす。

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