![]() アトリ 代表取締役・内田理恵さん |
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ポリシーは「好奇心」
内田自身は、都心の外資系ソフト会社でデータベース管理システムを担当していた。ある日、フリーでユニックス系のソフトウェアを作っていた夫の元に、守谷市で、常駐のロジスティックスのシステム開発の仕事が舞い込んだ。都会が苦手という内田が、この機会に会社を辞めて、夫と二人でその仕事をやろうということになった。 川崎に住んでいたので、通勤には遠い。引っ越し先を探しにやってきたつくばに一泊した。たまたま『土浦花火大会』の日で、センタービルのホテルの窓から眺めながら「これは、いい街だ」と、その夜、この街に越す事を決めた。 ロジスティックスの仕事が一段落ついたころ、自然と会社をつくる話になった。「貯金が多かった自分が社長に」。八年目の感想は「お金はないけれど、自由はあるかな」。小樽商科大で学んでいた経営学が、意外な展開で役立ったのかもしれない。「そこそこ、食べて行ければいいという感じでやっているので、それほど重大な決断ではなかった」とのお気楽創業。 高度家内制手工業とでも呼べるのか、夫婦でやっているので融通が利く。大手の社内ベンチャー的な仕事を引き受けるには、ぴったり合っている。ちょっと変えたいとか、やっぱりこうしたいとか、に対応できる。たまたま、ネットワークに強いユニックスを扱っていたので、そのまま、インターネット時代のメーンストリームへと流れ込んだ。 社運を掛けたプロジェクトで、ソフトウェア特許を三年前に取得。ソフトウェアは著作権的であり、モノではない。二〇〇二年の特許法改正で認められたソフトウェア特許の取得は、現実には難しい。『電子メールエージェントシステム(MOZU)』は、人々の関心がWeb関連技術に集中する中、電子メールとデータベースの連携という独自の視点と技術の有効性から、早々と、そのソフトウェア特許が取得できた。 Webは情報共有を目的として開発された技術であり、特定の相手との情報交換には電子メールの方が適している。Webでは、目的のサイトに直接接続して情報を取得する必要があるため、混み合うと繋がりにくいし、繋がらないと作業できないが、メールなら地下鉄でも入力はOK。送受信したメッセージの内容は、保存して確認することができる。携帯のメール機能を利用して、工事現場を携帯で撮影してメールで報告すると、自動的に工事の進ちょく状況を関係者に公開できるとかの使い道。 愛・地球博では、『NPOアサザ基金』が、生きものの道地球儀プロジェクトのホームページで、日本列島を中継して太平洋を縦断する渡り鳥ムナグロの観察情報を、メールでGPS(位置情報)の座標軸データを送ってもらい、このMOZUを使ってマップ上にプロットする。この他、家の鍵とか、ガスや家電がどうなっているか、メールで状況を確認できる。ロボットやデジタル家電のコントロールにも、このメールシステムが使えるかもしれない。 「ポリシーは好奇心。自分の発見とか新しいアイディアが、ひらめいた瞬間が最高に幸せで、好き。ビジネスとして成功させるのは、もっと得意な人がいるのではと、限界を感じることもあるけれど、アイディアなら、まだまだたくさん貯めています」。そのうちもうけたら、内田が気に入った街つくばに「野鳥観察のできる自然公園を造るのが夢」だという。(花山亘 つくばベンチャー協会事務局長、NPOつむぎつくば理事、敬称略) 【会社概要】本社・つくば市松代2の10の2SOHOつくば201号。電話029・860・4765。1996年5月29日創業。資本金・800万円。『電子メールエージェントシステム(MOZU)』を活用した電子メール・データベース・システム。http://www.atori.co.jp/ つくばの鳥たちhttp://www.atori.co.jp/birds/ |
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