株式会社エジソン 代表取締役 須永裕毅さん

“論語”を読む“エジソン”

業界トップシェアーを誇る『将軍』シリーズを開発した須永さん
いろいろなことに興味を持ってチャレンジするという意味で社名を『エジソン』にした。株式会社エジソン代表取締役、須永裕毅(一九六四年生まれ)は、「電気関係の事業を行う上で、知名度があって、インパクトがあると考えた」とネーミングの妙を率直に答えてくれた。創業の切っ掛けは、家業を継いだ松下系の家電店で、元々富士通の交換器部門からスピンアウトした生粋のエンジニアであった父親と、意見が合わなかったから。独立時、商圏が重ならないように、実家の下妻市から隣町の関城町に出た。自分で開拓した電気工事業、制御システムをバネに事業を展開、「今となっては、父に感謝している…」と。

松下幸之助が作った二つの学校、『松下政経塾』と『松下商学院』。須永が通った『松下商学院』では、『徳・体・知』の三位一体教育。お茶、お花、経営、そして松下哲学を徹底的に学んだ。『松下政経塾』の講師など著名な講師陣にも多くの事を学んだ。毎朝五時起床、『道場』と呼ばれる『講堂』で、先ず『論語』を読む。今でも、須永は、枕元に『論語』を置く。『論語』『大学』は、空で唱和できる。ある種の帝王学を学んだ。

家電からパソコンの時代がやってきた。時代の潮流と共に事業をどのように切り替えるかと、悩みながらもコンピュータ事業に進出。パソコン教室、勘定奉行OBCの代理店、そして、パソコンの販売もしたが、なかなか、採算がとれない。そのパソコン教室のアルバイト講師とパッケージソフトの開発に挑む。地域の事業所向けに見積り請求ソフト『見積将軍』を開発販売したが思うように業績が伸びない。

別事業で制御系の工事をやっていたので、計量器のデータ処理の仕事をもらう。計量器のデータ処理をやっている中で、体積から重量へ。廃棄物処理法の中で、発生量、処理量、運搬料は、重量で把握するようになった。工技院の計量研関連の計量器メーカー等からのソフト開発依頼の中でも、廃棄物関係のトラックスケール(車輌計量システム)のシステム開発が非常に多かった。 「高度成長・大量消費時代が曲がり角にきて、環境問題の視点からも廃棄物が管理され、燃やす、埋めるから、資源循環型の環境保護の時代が来る。廃棄物処理が、ごみ処理ではなく、リサイクル産業になるのだな、『混ぜればゴミ、分ければ資源』なのだ」と、リアルに思えた。

手探りで廃棄物管理システム『産廃将軍』を開発、近隣の業者に百万円位で販売。計量器メーカーの営業から「紹介するから行ってみな」との一言で、練馬の大手産廃業者に営業。二千万円で見積もったら、他社は一億五千万円。パッケージ用の基本部分ができていたから安く上がった。

外環の回数券十一枚綴り二冊を買った。同社のパソコンスクールの講師だった現在の部長と通った。「ただ夢中で、クライアントサーバシステム三十台をつないだ。回数券が無くなるころには、この仕事終わりかなと思っていた」が、既に六年間続いており一億円以上の取引に。

戦後できた法律の中で、『廃棄物処理法』程、変更が激しい法律はない。廃棄物の業者というのは、法律に非常に縛られているので、事務処理が大変。その処理をするソフト『マニフェスト将軍』。さらに、廃棄物のトレサビリティ、不法投棄防止のための追跡調査のためのソフト、『廃棄将軍GPS』を富士通ITプロダクト事業本部と共同開発。

『将軍』シリーズの販売実績は三百五十本、社員二十七人に。「業界トップシェアーを取っていると思う」。昨年はRF/ID(微小な無線ICタグ)を使用した廃棄物のトレサビリティシステムの特許も申請。

今後、廃棄物のトレサビリティシステムは、自治体の不法投機防止策の切り札となり得る。岩手県主催の『不法投棄防止システム』のコンペに応募、八社の大手システム会社に伍して採用された時は、思わずガッツポーズが出た。(花山亘 つくばベンチャー協会事務局長、NPOつむぎつくば理事、敬称略)

【会社概要】本社・つくば市千現2-1-6つくば研究支援センターA-1。電話029・863・7215。2004年4月創業。資本金・1000万円。 産業廃棄物処理業向け・一般廃棄物業処理業向けシステム開発・販売。 株式会社エジソン http://www.e-mall.co.jp/

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