![]() つくばインキュベーションラボ 代表取締役・島袋典子さん |
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ベンチャーのふ化、巣立ちを支援
この、大地の母にも似た、忍耐強い作業を買って出たのが、有限会社つくばインキュベーションラボ代表取締役の島袋典子(一九五八年生まれ)である。プロジェクトが、諸事情から中止になった時など、リーダーがスタッフを引き連れて、研究所を辞めて創業するケースや、大学生が在学中から創業を考えるケースが、つくばでは結構多い。 そんな人達と、縁ができるケースがある。「弊社のインキュベーションルームが空いていれば、使ってもらっても良いし入居してもしなくとも、サポートが役立つということで、実現化のプロセスにおつき合いするということができればいい」と。 インキュベーションを成功させるためには、さまざまの複合的な力を、結集しなければならない。その発想は、そもそも、島袋が筑波大で学んだ『社会工学』に端を発する。開講したばかりの筑波大学・社会工学類の一期生として、都市計画を専攻。 一九七七年、広島からつくばに乗り込んだ島袋は、当時珍しかったこの『社会工学』の意味を、「赴任したばかりの経済から土木まで、各分野の新任の若い教官、クラスメイトたちと議論し、問い続ける、四年間のキャンパスライフ」を送ったと言う。 創設期の『筑波研究学園都市』という絶好のフィールドに対して、白地図にマーカーで描いて行く都市計画の理想のようなかたちで街ができて行く過程を、ワクワク感を持って見つめていた。まだ、『産業と都市』と言う視点は無かったが、担当教授の紹介で、就職したのは開発計画研究所で、活性化のための産業誘致では、どういう業種がいいのか、逆にそれらの企業がくるには、どんな条件が必要なのか、企業を訪ねての調査や、プラン作りに携わった。「一点、よその話をいくらやっても、実感がわかなかった」との感想。 やがて大学時代の同期生と結婚して退社。専業主婦で、通すつもりだったが、七年前、夫が、大手メーカーを退社。筑波大発のベンチャー企業の社長に就任することになり、第二の故郷であるつくばに戻った。夫の会社の手伝いを、少しずつ始めて、だんだん、昔、取った杵柄(きねづか)で、カンを取り戻した。何かやっていると、頼まれることも増えてきた。 自分も場所が欲しいし、まとまった施設が、空くと言うので、つくばインキュベーションラボ社を設立して、代表で借りることにした。「シェアーしてくれるルームメイトを募集する感じで、入居企業を集めた」と、肩に力が入らない。 つくばは、前例のない街で、分かりにくい所。調べてほしいという依頼がくる。「キャパシティー、物理的許容量が大きいので、少々変わったことをやっても、隣に迷惑を掛けなくて済む」。隣同士のトラブルがある都会と異なり、学園都市では、新旧住民のトラブルというが、心理的にも物理的にも距離がある。「研究者や外国人がやって来ても、何とかつき合ってきた歴史がある。慣れてきてるんじゃないですか。よそ者が、フラッとやって来て、何か始めたりとか、何かモノを言ったりするのも、放っておいてくれる」ところ。 自分がやったことが、大なり小なり役立ち、その仲間がいることが一番。「関わった人が、それぞれが大きくなくても潤う、ウィンウィンの関係が、コーディネートのポイント。つくば地域全体が自立、巣立ちできることが目標ですので、そのためのコーディネーションをしたい」のだ。 昨年、別会社を立ち上げ、まちづくり業務に力を入れている。研究学園都市の本質を、街のプライドとして見せたいと、島袋は、TX開業に合わせ今年十月に準備中の『つくばスタイルフェスタ2005』の企画にも参加している。(花山亘 つくばベンチャー協会事務局長、NPOつむぎつくば理事、敬称略) 【会社概要】つくば市妻木210―4。電話209・860・5188。2001年5月22日創業。資本金500万円。大学、研究機関、企業との連携支援。ビジネス・インキュベーション。テクノロジー・インキュベーション。地域活性化に関する調査・研究。http://www.tincl.com | |
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