![]() 有限会社TKF 代表取締役・木村誠さん |
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野菜サラダ工場経営
その筑波の大地で、有限会社TKF(つくば・きむら・ファーム)代表取締役・木村誠(一九六六年生まれ)は、二十五人のスタッフを擁して、ファミレスのサラダでおなじみの『ベビーリーフ』を、休むことなく作り続けている。ほうれん草、小松菜、レタス系の葉野菜五種類程度をセットして、『ココス』などの大手ファミレスに毎日納入しているのである。 巨大なビニールハウスの一角で話を聞いた。「ここは当初、都内のベンチャーが、ラディッシュを生産するために作ったもの。不良債権化したものを廉価で引き取った。ゼロから初期投資したらとても出来なかった…」と答える木村にインタビュー中も携帯が鳴り続ける。 板橋出身の江戸っ子の木村が、都内の大手塾講師を辞め、友人の父の会社に請われて、つくばの地にやって来た。ミネラルを生産していたその会社の納品先が、有機農業を志向する多くの篤農家であった。この付き合いの中で、「千葉や埼玉には多い有機農業への志向性も、つくば地区では当時それほど強くなかった。ここならできるかなと、十年前に夫婦で木村農園を創業。とにかく、こんなおいしいモノがとれるのだ」という感動が一番の動機。 有機農法の研究会で知り合っていたカット野菜業界の雄『東京デリカフーズ』の担当者から、「ベビーリーフをファミレスへ納品する企画を立てているので、初めてやるなら他でやっていないことからやったらどうか」と誘われた。その後のベビーリーフブームで次々注文が舞い込み、対応仕切れない程の業務急拡大。木村農園の生産量が拡大したのに従って、人事管理、販売の窓口としてTKF社を昨年設立した。「全農」からも出資を受けた。 農家五軒の木村のグループでは、作付け計画の会議を月一回やっている。「トウモロコシ五万本の話が来ているとか…」、木村のリーダーシップで動く。「雨が降っても、雪をかき分けても、収穫しなければならないので、抜け落ちていく農家も多かった」。毎日種まきもしないと、日々収穫することができないのだ…。逆に捨てるほど作っておかないと、安定供給できない。そのためには良い堆肥をどれだけ入れるかが勝負だ。 化学肥料と農薬は使わないというのが木村たちの大前提。害虫には、防虫ネットで対応。堆肥には、いろいろ工夫している。キノコ生産者の大鋸屑(おがくず)などの残さを利用。欲しい時にちゃんと入るリーズナブルなものを、ユンボでブレンドしている。 自分の納得する堆肥を作るのが理想。お金がないころ、精米屋さんからもらった米糠から堆肥を作ったのがきっかけ。この米糠発酵したぼかしが今も野菜のうま味を出す最大の切り札だ。琉球大学で開発されたEM菌活用からスタートして、現在は独自の自然発酵法にたどり着いた。 このビニールハウスには、箱詰め用の冷房の利いたスペースもあったので、「スーパーのバイヤーなんかが来た時も、パッケージして大型冷蔵庫を用意して管理しているので、一農家がこんな設備を持っているのに驚く」。そして、安心して契約していく。夏場はトウモロコシ。冬場はほうれん草。野菜だけで、一億円の年間売り上げが目標。 「経営的に成り立つ農業。作付け依頼で成り立つ農業を目指す!」。学園のレストラン七〜八軒に毎日納品している。さちに、浅草アサヒビール本社前の朝市にも売りにも行っている。失敗の積み重ねで、日々段取りを改良している。「遊休農地を行政から紹介されるので、自分の経験をプログラム化して、若い人が新規参入できる仕組みを作りたい」。あすも木村は、早朝三時に起きて段取りをする。五時にはスタッフが出勤して来るから。(花山 亘 つくばベンチャー協会事務局長、NPOつむぎつくば理事、敬称略) 【会社概要】つくば市大砂字西原1495の48。電話029・865・1368。2004年3月1日創業。資本金:350万円(50万円は全農出資分)。事業:ベビーリーフ等の有機栽培。 | |
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