![]() グルマン オーナーシェフ・内田十九二さん |
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美味しい野菜とモミガラ
ニューオータニ時代の後輩のシェフを連れてきて開業した。「シェフがレストランを作ると潰すと言われる。狭い店舗に広い調理場を作ったりするからです。僕は、レストランのマネジャーをしてきましたから、狭い調理場で頑張った」と、振り返る。 筑波大の学生たちにとっては、正に都会の風を運んできた店であった。当時、「運がよければ、ファッション誌『装苑』のモデルをしているマダムが店に出ているぞ…」との噂を耳にしていた筆者も、筑波研究学園都市情報誌Openの発行人として、広告の営業にしばしば店に通ったものだ。グルマンを訪ねてみると、現在は、吾妻地区に移り、オープンキッチンの大きな店となっていた。 一人娘を春日の自宅から庭続きの近さの筑波大に通わせた。研修医となって群馬に出て行った今、夫婦二人だけのつくばライフ。美味しい料理を作るため、本物の材料を追い求めることに専念している。モデル時代を彷彿とさせるマダムが、大葉のジュースを出してくれた。来週からメニューに加えるというこのジュースは、発酵モミガラ堆肥を使って栽培したシソの大葉を煮詰めて冷やしたモノだという。爽やかな味を堪能していると、オーナーシェフの内田が、「つくばは、このままじゃダメになる」と、熱く語り掛けてきた。 「都心のレストランは、地下にあるものが多く、お客さんが持ってくる傘で、初めて雨が降り出したのを知ったものです。でも、つくばのレストランは、こうして陽射しが差し込んでくるから最高です。しかも、少し車を走らせれば、農家から美味しい野菜を分けてもらえる。しかし、後継ぎ問題で休耕地が急増している。せっかくの好条件が生かしきれていない」と、危機感を訴える。 アクションを起こさねばと、週末に都会のサラリーマンに遊休畑を貸し出し、筑波大の学生達にフォローしてもらう「つくば・市民農園」の企画を立てた。そして、太極拳の同好会で知り合った藤田哲史とホームファーム・ジャパン社を設立した。 年間約二百万dも産出されるモミガラは、そのうちの七十万dが廃棄物として焼却処分される。理由は、モミガラの表面を覆うクチクラ層が、なかなか分解できなかったことによる。何とか堆肥にできないかと奮闘。さまざまのバイオ技術を活用して、そのモミガラを約一カ月で高速発酵分解することに成功した。 つくば研究支援センターのコーディネートのもと、JAも乗り出して、「つくばバイオマスもみがら研究会」が組織された。そして、話はトントン拍子に進み、今春、阿見に実験プラントが完成した。出来上がった発酵モミガラ堆肥は、肥料過多、窒素過多で疲弊した畑の土を団粒化させ、土本来の力を取り戻す土壌改良剤として優れた働きをすることで注目を集めることとなった。 「元肥としても使える。また、モミガラの姿を留めサラサラしているため、野菜の栽培中の追加肥料としても撒く事ができます。この堆肥で土作りをし、無農薬で栽培した大葉でできたのがこのジュースです。香りや甘みが格段に違うことをお楽しみいただけます。発酵モミガラ堆肥を使った栽培法を普及させたい。美味しい野菜が、フレンチの原点です。子供のころ食べた、苦みのあるキュウリやピーマン、そしてホントに味のあるトマトなどを、グルマンの食材としてつくばの皆さんに食べてもらいたい」と、飲食のプロが語る、いぶし銀のこだわりがそこにある。 (花山亘 つくばベンチャー協会事務局長、NPOつむぎつくば理事、敬称略) 【会社概要】つくば市吾妻3の7の17。電話029・851・6107。関連ベンチャー企業=ホームファーム・ジャパン。つくば市梅園2の21の6の101。2004年創業。資本金・300万円。分解発酵が難しいモミガラを、バイオ技術によりわずか1カ月で分解発酵させる。その発酵モミガラで、つくばブランドの美味しい野菜の普及を目指す。http://www.momigara.jp/ | |
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